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呉服問屋「堀田丸正」の筆頭株主が暗号資産企業Bakktになった

暗号資産の世界に、まさかの着物業界から新たな動きが見え始めました。 160年以上の歴史を誇る日本の呉服問屋「堀田丸正(ほったまるしょう)」が、アメリカの暗号資産企業Bakktを筆頭株主に迎えることを発表しました。

この記事では、堀田丸正とはどんな会社なのか、なぜBakktが関与することになったのか、そして今後ビットコインを保有する可能性や事業の展望について考察します。

堀田丸正の筆頭株主の異動に関する適時開示
目次

堀田丸正とは

堀田丸正は、1861年に呉服問屋として創業した老舗企業です。現在は上場企業として、和装品、洋装品、寝装品、宝飾品、意匠撚糸などを取り扱う総合商社に進化しており、伝統を守りながらも多角的な事業展開を行っています。

主な販売先は全国の百貨店や専門店など。過去20年間の売上推移を見ると、2008年3月期には168億円を記録したものの、和装市場の縮小により売上減少が続き、2025年3月期の売上は約30億円にまで縮小しています。

堀田丸正の総売上高(2006年~2025年)

堀田丸正に何が起きたのか

ここで登場するのが、ダイエットジム企業RIZAP(ライザップ)です。

「結果にコミット」のCMで有名な、あのジム企業です。

ポッチャリ系でもRIZAPに通でば、細マッチョになれます。

RIZAPは、2015年前後にダイエットジム事業で大ヒットを記録し、高額ながらも顧客満足度の高いビジネスモデルで、短期間で大きな収益を生み出しました。

その勢いに乗って、RIZAPグループは2016年から2018年にかけて事業の多角化を図り、アパレル、雑貨、食品、出版など、様々な業種の企業を次々と買収。一時は80社以上がグループ傘下に入りました。

堀田丸正もその一環で買収された企業の一つです。

堀田丸正の持つ繊維・和装業界のノウハウは、RIZAPグループの製造小売(SPA)戦略と親和性があると判断され、2017年に第三者割当増資によりRIZAPが筆頭株主となり、堀田丸正は連結子会社となりました。

当時の堀田丸正は赤字ではありませんでしたが、市場縮小の中で売上が減少しており、テコ入れが必要な状況でした。

しかし、RIZAPの多角化は次第に失速。 2019年には本体が赤字転落し、グループ内での支援が限定的となったことから、堀田丸正の再建も十分に進まないまま業績は悪化していきました。

追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスによる外出自粛やイベント中止で、和装市場はさらに厳しい状況。 堀田丸正は赤字体質となり、2025年3月期も約4.1億円の赤字を計上しています。

堀田丸正の純利益(2006年~20025年)

このような状況下で、RIZAPは2025年5月に堀田丸正株の30%を合同会社エンヴィーに譲渡すると発表。その発表で堀田丸正株が一時急騰しましたが、条件面の折り合いがつかず、この話は白紙に戻って株価も急落しました。

そして2025年8月5日、 新たな譲渡先として発表されたのが、米国の暗号資産企業「Bakkt(バックト)」です。 この発表を受けて、堀田丸正の株価はストップ高になりました。

Bakktとは何者か?

Bakktは、2018年に米インターコンチネンタル取引所(ICE)によって設立されたデジタル資産企業です。ちなみに、ICEはあのニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社です。

2019年には、Bakktが提供するビットコイン先物取引が話題となり、暗号資産市場における「機関投資家向けインフラの整備」において重要な役割を担ってきました。

以下はBakktの主なサービスです。

  • ビットコインなど暗号資産の売買・取引所機能
  • カストディ(資産保管)サービス
  • 一般消費者向けウォレットアプリ(ポイントと暗号資産の統合管理)
  • 企業向けAPI・決済ソリューション

伝統的な金融機関と連携しつつ、暗号資産の利活用を広げる「橋渡し役」として評価されています。

堀田丸正はビットコインを保有するのか?

Bakktが筆頭株主になったことで、堀田丸正が暗号資産関連事業に何らかの形で参入する可能性は十分にあります。

RIZAPグループの適時開示には以下が記載されています。

Bakktの提案は、堀田丸正が、そのコア事業であるファッション事業及びマテリアル事業に加え、新たにBakktが有するデジタル資産に対する高い知見を活かした、ビットコイン及びその他のデジタル資産に対する投資事業を取り入れることで、堀田丸正の収益源の多様化と中長期的な企業価値向上を目指すというものでありました。


加えて、当該株式の取得と同時に又はその後直ちに、(1)堀田丸正の取締役会において、Phillip Lord氏を堀田丸正のCEO(Chief Executive Officer)として、また同じくMehrab Hosseinbor氏を堀田丸正のCFO(Chief Financial Officer)として選任すること

Bakkt 適時開示

堀田丸正が実施するデジタル資産投資事業として考えられる1つ目は、「ビットコインを財務資産として保有する」です。

Bakktは暗号資産のカストディ事業に強みを持ち、法人がビットコインを安全に保有するためのインフラを提供しています。 このインフラを使えば、堀田丸正がビットコインを企業資産として保有することは技術的・法的にも現実的です。

また、堀田丸正が持つ営業網や百貨店ルートを活かして、Bakktと提携し、決済や暗号資産関連のプロダクト・サービスを展開する可能性も考えられます。

さらに、和装や伝統工芸品、文化財などをNFTとしてデジタルアセット化する試みも視野に入るかもしれません。

たとえば、着物の図柄やデザイン、職人技術をNFTでアーカイブ化して販売など、暗号資産と伝統文化を融合させる新たなビジネスの芽が出てくる可能性もあります。

まとめ

「着物 × ビットコイン」。 一見、相容れなさそうな世界観の交差点に、堀田丸正という老舗企業が立っています。

Bakktの参画は、単なる株式譲渡ではなく、暗号資産と伝統産業の未来を結ぶ可能性を秘めた一手です。ビットコインはもはや投資対象にとどまらず、企業の財務戦略や新たな事業展開の中核を担う存在へと進化しつつあるようです。

堀田丸正がどのような道を選ぶのか。今後の動きは要チェックします。

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