今回の衆議院議員選挙(投票日:2026年2月8日)では、物価高対策が大きな争点のひとつとなっています。
『食料品の消費税ゼロ』や『消費税廃止』など、生活に直結する魅力的な公約が各党から打ち出されています。
一方で、暗号資産(仮想通貨)に関する政策は、あまり目立っていませんが、暗号資産は日本の成長戦略に深く関わるテーマです。
そこでこの記事では、衆院選2026に向けて各政党がどのような暗号資産政策を掲げているのかを整理し、「どの党が前向きなのか」「どこに違いがあるのか」を明らかにします。
各政党の暗号資産政策
自民党(自由民主党)
自民党の暗号資産に関する政権公約2026は「ブロックチェーン技術の発展を推進し、社会課題の解決や新たな金融サービスの創出につなげる」です。
ブロックチェーンを単なる投資対象ではなく、社会基盤(インフラ)として捉える姿勢を示しています。

総合政策集2026では、ブロックチェーン技術の発展を推進する具体例として、以下を挙げています。
- 実生活で使われる資産や権利のトークン化
- DAO(自律分散型組織)の推進
- NFT市場の拡大
税制に関しては「規制・税制の見直しを検討する」との記述にとどまっており、具体的な制度設計までは踏み込んでいません。

日本維新の会
日本維新の会は、暗号資産の過度な規制を見直し、金融市場における国際競争力の確保と、決済分野の革新を後押しする姿勢を示しています。
また、ブロックチェーンなどの先端技術を活用した産業を成長戦略・産業復興施策と位置づけて研究開発を進め、国や地方公共団体での導入を推進します。
その他、NFTの推進、ブロックチェーンを活用したインターネット投票の実現を掲げています。

ただし、政策集には暗号資産に前向きな記載がある一方で、国会での質疑や日常的な政治活動において、暗号資産についてほとんど何も主張しなくなったため注意が必要です。
中道改革連合
中道改革連合の基本政策には、暗号資産に関する記述はありません。
中道改革連合は、立憲民主党と公明党が選挙協力をするために作られた連携体であり、合併ではないため、立憲民主党と公明党の政党組織や政策はそのまま維持されます。
以下では、立憲民主党と公明党の直近の政策集から、暗号資産に関する記述を抽出しました。
立憲民主党
暗号資産の健全な発展を目指したルール整備、税制の見直し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)促進、ブロックチェーン技術を社会で活用(産業、エネルギー、教育分野)を挙げています。

公明党
Web3の健全な発展のため事業環境整備(NFT、DAO、DID、メタバース、利用者保護)と人材育成に取り組むとしています。
一方で、暗号資産制度の見直しの記述はなく、全体として記述量も少ないことから、公明党は暗号資産分野に対して慎重な姿勢であることが読み取れます。

立憲民主党と公明党の両党とも、国会や普段の活動では暗号資産についてほとんど何も主張しないため注意が必要です。
国民民主党
以下は国民民主党の暗号資産政策です。
国民民主党は暗号資産規制の改正内容について最も具体的に述べている政党です。
- 申告分離課税(税率20%)
- 損失繰越控除の適用
- 暗号資産同士の交換時は非課税
- レバレッジ倍率を2倍から25倍に引き上げる
- 暗号資産ETFの導入

政策に暗号資産の前向きなことを書いても、何もしない政党が多いなか、国民民主党は国会で暗号資産の制度改正を訴えたことが何度もあります。

参政党
参政党の暗号資産政策は、ブロックチェーンを利用したインターネット投票を導入することです。
参政党は2025年の参院選頃に、神谷代表が暗号資産の税制改正や国家備蓄、政府発行暗号資産(子育てクーポン)を提案して暗号資産業界から大きな注目を集めました。
しかし、その後、政策実現に向けた具体的な行動は確認されていません。
今回掲げている「ブロックチェーンを利用したインターネット投票」は、2025年の参院選のときと同じです。

共産党
共産党の政策には暗号資産に関する記述はありません。
金融所得課税の強化を訴えているので、暗号資産の税制改正や普及には慎重派と考えられます。
れいわ新選組
れいわ新選組の政策には暗号資産に関する記述はありません。
税金は富裕層や儲かっている大企業から取るのと、金融所得の課税強化を訴えているので、暗号資産の税制改正や普及については慎重な立場を取る可能性が高いと考えられます。

日本保守党
日本保守党の政策に暗号資産に関する記述はありません。
金融所得の課税強化は訴えておらず、減税を通じた経済活性化を重視しているため、暗号資産の税制変更には反対しない可能性が高いと考えられます。

社民党(社会民主党)
社民党の政策に暗号資産に関する記述はありません。
金融所得の課税強化による所得の格差是正や再分配を重視している立場から、暗号資産の税制改正や普及には慎重派と見られます。
チームみらい
チームみらいの政策に暗号資産に関する記述はありません。
チームみらいはAIを活用して、テクノロジーで政治のアップデートを行うことを目標とする政党です。AIやデジタル技術に親和性があるため、Web3に関心を持つ議論が出る可能性はありますが、マニフェストにはWeb3に関しては何も記載されていません。
念のため、今回もチームみらい専用のAIに聞いてみたところ「記載はない」という回答が返ってきました。

まとめ|各政党の暗号資産への姿勢
以下は、暗号資産技術の活用に前向きな姿勢を示し、実際に行動している政党です。
- 自民党
- 国民民主党
自民党は、税制改正大綱に暗号資産制度の見直し検討を盛り込み、2025年に金融庁が検討を進めた結果、暗号資産を金商法で規制する方針が示されました。
国民民主党は、暗号資産の申告分離課税(税率20%)や損失繰越控除、ETF導入など、具体的な制度改正を明確に掲げている点が特徴です。さらに、国会の場で実際に制度改正を訴えてきた実績がある点は、他党との大きな違いと言えるでしょう。
一方で、政策では暗号資産技術の活用に前向きな姿勢を示しているものの、実際の行動が見えにくい政党は以下の4党です。
- 日本維新の会
- 立憲民主党(中道改革連合)
- 公明党(中道改革連合)
- 参政党
以下は、暗号資産技術の活用について明確な姿勢を示していない政党です。
- チームみらい
- 日本保守党
以下は、暗号資産に対して否定的、または慎重な立場と考えられる政党です。金融所得の課税強化を政策に掲げていることから、暗号資産の申告分離課税にも反対する可能性があります。
- 共産党
- れいわ新選組
- 社民党
2025年に金融庁が暗号資産制度の見直しを行い、いよいよ今年2026年の国会で暗号資産に関する法改正が審議されます。
今後、法改正の内容について各政党が国会でどのような意見を述べ、どのような行動を取るのかにも注目していきます。
