ビットコインのトランプ関税影響まとめ

2025年3月7日

アンゴロウ

2025年2月2日、トランプ大統領はカナダとメキシコに関税25%、中国に10%の追加関税をかける大統領令に署名しました。

カナダとメキシコに関税をかける目的は、​アメリカの治安と経済に悪影響を及ぼしている違法移民と合成麻薬フェンタニルの流入を阻止するためです。関税を交渉カードに国境問題の解決を図ります。

すかさずカナダとメキシコ政府は報復関税を発表しましたが、電話会談によって関税の発動は1ヶ月延期になりました。

関税戦争による景気後退懸念が広がって株価が急落、ビットコインの価格は1500万円を大きく割りましたが、関税延期で1600万円近くまで急騰しました。

カナダ、メキシコ、中国の3ヶ国は、アメリカの主要な貿易相手国です。

下図はアメリカの輸入国占有率(上位20ヶ国)です。

メキシコ18.6%+中国16.0%+カナダ15.0%=49.7%

1990年頃の日本が25.0%で超カッコいい。カナダを抑えて、日本が世界一のアメリカの輸入相手国でした。

Made in Japan means quality.(メイド・イン・ジャパンは品質の証)

Japan sets the standard.(日本が基準を作る)

The best technology comes from Japan.(最高の技術は日本から来る)

Japan’s craftsmanship is unmatched.(日本の職人技は比類なきもの)

下図はアメリカの輸出国占有率(上位20ヶ国)です。

カナダ20.9%+メキシコ20.1%+中国8.5%=49.5%

下図はアメリカの貿易赤字国占有率(上位20ヶ国)です。

中国22.8%+メキシコ13.3%+カナダ4.7%=40.7%

何と1991年の日本の占有率は48.5%

ほぼ半分が日本です。

MADE IN JPN

このように、カナダ、メキシコ、中国の3ヶ国は、アメリカとの貿易額において輸出・輸入の両方でトップ3に入る主要な貿易相手国であり、 この3ヶ国の貿易金額合計は上位20ヶ国の貿易金額合計の約50%に及びます。

そのため、報復関税の応酬はアメリカ経済の大ダメージになることは避けられないため、アンゴロウチャンネルでは「カナダとメキシコの関税25%は見送られ、中国に対する10%の追加関税はこのまま実施される可能性がある」と予想しました。

さらに、もし関税25%引き上げが実現して株が暴落したらビットコインも一緒に暴落することになり、景気後退期に入ると、必ずアメリカ政府は経済を救うために金融緩和に舵を切り、そこからがビットコインの本領発揮だと予想しました。

もしそのときアメリカ政府のビットコイン準備金が実現したらデジタルゴールド爆上げが見られることになります。

メキシコ、カナダの関税25%予告(2025.2.24)

フランスのマクロン大統領とトランプ大統領の共同記者会見で、トランプ大統領がカナダとメキシコの関税25%について語りました。

共同記者会見

「関税は予定通り進める」

「他国が我々に関税をかけるなら、我々も関税をかける」

これを受けてビットコインの価格は急落し、今年初めて1300万円を割りました。

関税の発動日は、3月初めの見通しです。

EUにも関税25%予告(2025.2.26)

トランプ大統領は欧州連合(EU)に対しても関税25%をかけることを発表しました。自動車やその他すべての商品にかけられます。

トランプ大統領はヨーロッパのことを愛していますが、欧州連合はアメリカを騙す(screw)ために作られたと発言しました。

記者会見(2025.2.26)

日本にも関税を警告(2025.3.3)

トランプ大統領は日本と中国を例に、自国通貨安に誘導している国を批判し、関税で埋め合わせをすることを発表しました。

記者会見(2025.3.3)

1つ問題なのは、他国の通貨安誘導を関税で埋め合わせをしようとしても、もし他国が報復関税をしかけてきたら、埋め合わせにならないことですね。

この発言を受けてドル円が急落し、150円を割りました。

石破首相、トランプ氏からの電話を否定(2025.3.4)

翌日、石破首相はトランプ大統領からの電話があったことを完全否定しました。トランプ大統領は一体誰に電話したのだろうか

衆院財務金融委員会(2025.3.4)

カナダ、メキシコの関税25%発動(2025.3.4)

トランプ政権は、カナダとメキシコに対する25%の関税、中国に対する20%の関税を正式に発動することを発表しました。

これを受けてカナダは25%の報復関税、中国はアメリカの農産物に対する追加報復関税を発表しました。

ビットコインは3月3日に暗号通貨準備金のトランプ砲によって1200万円台から1400万円台まで急騰しましたが、関税発動を受けてトランプ砲の上昇ぶんを全消ししました

カナダ、メキシコに関税救済措置(2025.3.5~)

3月5日、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のもとで輸入される自動車の追加関税を1ヶ月猶予すると発表しました。

3月7日、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のもとで輸入される商品は4月2日まで追加関税を猶予すると発表しました。

USMCA(United States-Mexico-Canada Agreement)は、トランプ大統領1期目のときに締結された貿易協定です。

USMCAの対象輸入品は、カナダからの輸入品約38%と、メキシコからの輸入品約50%を占めるため大幅な救済措置になります。

関税25%によるインフレ圧力のヤバさにトランプ政権が気が付き始めた可能性があります。