エグゼコイン(AXE)は人道支援をしながら億万長者になれるコイン

2019年1月7日

 

詐欺プロジェクトは、プロジェクト名が書かれたプレートを持った人たちの集合写真を撮ることがあります。これは、プロジェクトに賛同している人が沢山いて、プロジェクトが成功しているように見せかけるための演出です。行く先々で謝礼を払って集合写真を撮らせてもらいます。

以下の画像は2018年4月に開始したNEXT LIFE PROJECTという詐欺プロジェクトの集合写真です。

この集合写真の中には別のプロジェクトの被害者の方が混ざっていて、やらせで撮影する代わりに返金の約束をしたそうですが、その後連絡がとれなくなったそうです。

 

NEXT LIFE PROJECT主催者の広田丈二氏は「アジアの貧困を救うために活動している」と言いながら多くの人からお金を騙し取っているので、「貧困を作るために活動している」といったほうがいいでしょう。
⇒「NEXT LIFE PROJECT
NEXT LIFE PROJECT

 

最近登場した仮想通貨投資案件に「AXEプロジェクト」があります。私はこれは人道支援をネタにした詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトや家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=PqI0uaBBNis&feature=youtu.be)

 

このプロジェクトは人道支援で地球を救い、参加者に莫大な富をもたらすICOの最終プレセールに参加できるプロジェクトです。

キャッチフレーズは

「ONE TOKEN FOR ONE SMILE ~あなたのトークンがあの子の笑顔を~」

です。最終プレセール前にエアドロップキャンペーンが行われます。エアドロップとはコインが欲しい人に無料で配布することを言います。

ONE TOKEN FOR ONE SMILE

 

プロジェクト主催者は高橋幸輝氏(下図左)と小平つかさ氏(下図右)。高橋幸喜氏はAXEプロジェクトを推進するSEFICO財団の唯一の日本人理事だそうです。小平つかさ氏は仮想通貨のエキスパートとしてこのプロジェクトに参画したそうです。

 

プロジェクトの詳細発表は2018年5月25日からなので、2018年5月24日現在はプロジェクトのホームページと概要説明動画(約9分)、エアードロップの事前予約ページしか公開されていませんが、公開されているものを使って検証します。

エアドロップキャンペーンについて、以下の動画のように説明しています。

 

エアドロップキャンペーンはAXEコインの発行元のSEFICO財団が実現したそうです。SEFICO財団はドバイを拠点に活動し、ブロックチェーンによる支援を目的にした団体であると動画で説明しています。数多くの仮想通貨に携わった経験を活かした技術支援や、国連との提携を活かした人道支援など、国際的に活動しているそうです。

世界的に活動している団体であれば、ネット検索すれば感謝溢れる色々な情報が見つかると思います。

そこで「"SEFICO Foundation"」でGoogleシークレット検索をしてみたところ、たった77件がヒット。

検索1位は2018年3月22日にSEFICO財団のホームページをエックスサーバーで作ろうとしたようなよく分からないページ。検索2位と3位は詐欺相談なびに書き込まれたSEFICO財団の記述がヒットしました。

この時点で詐欺といってもいいような気がしますが検証を続けます。

 

先ほどの動画の中で、ビルの昼や夜のシーンが流れてるので、それを見た視聴者の中には「もしかして自社ビル?SEFICO財団すげーな!」と思った人がいるかも知れませんが、この建物は「ブルジュ・アル・アラブ」という名前のホテルです。

 

ちなみに、ドバイは下図の青矢印の場所にあります。アラビアのすぐそばです。

 

下図はホテル「ブルジュ・アル・アラブ」の位置です。世界最高峰のホテルと言われるだけあって、あまりの豪華さに感動して泣き出す人がいます。ぜひ一度行ってみて下さい。

 

このプロジェクトには世界中から様々な分野の第一人者が集結しているそうです。

一人目はJoshua Hawley氏。

FORTUNE誌が選んだ年間12兆ドルもの売り上げを誇る500社、その中の170社との提携を実現した新興テクノロジーの申し子で、モーリシャス財団の創始者だそうです。

FORTUNE誌とは、世界で500万人が読んでいる世界最大のビジネス誌です。

新興テクノロジーとは、既存のテクノロジーに取って代わる新しいテクノロジーのことをいいます。

 

以下は、Joshua Hawley氏のツイッターアカウントです。フォロワー169人って、提携を実現した170の企業数より少ないではありませんか。あと1つで記念すべき170。

最近の投稿にGlobal Challenges Summitの様子の写真をツイートしていますが、メンバーの顔写真の中にJoshua Hawley氏の顔はありませんでした。


⇒引用元「Joshua P Hawley

 

二人目はAawesh Dahiya氏。

ビジネスシステム開発からエコシステム創出まで、世界的大企業MicrosoftやUberから認められる暗号通貨設計会社JMEのCEOだそうです。Microsoftから認められるとは凄い会社ですね。Microsoftの誰が認めたんだろう。

Aawesh Dahiya

 

下図は暗号通貨設計会社JMEの公式ツイッターアカウントです。Microsoftから認められた会社のフォロワー数が3人ってどういうことですか。


⇒引用元:Twitter「JME Global

 

下図はFacebookのJME Globalの企業ページです。Aawesh Dahiya氏と小平つかさ氏の写真が載っているので、この会社で間違いないと思います。

2人がいいねボタンを押しています。


⇒引用元:Facebook「JME Global

 

下図は高橋幸輝氏のFacebookアカウントです。「I♡AXE」のプレートを持った集合写真が沢山アップされています。

Facebook 高橋幸輝
⇒引用元「高橋幸輝

 

気になるのは高橋幸輝氏の投稿内容です。不幸や不祥事のニュースを投稿し、ニュースの内容について、ひと言だけディスるコメントばかり。

このプロジェクトは人道支援を目的とするプロジェクトです。私の主観ですが、慈善団体のチームを引っ張っていく人はある程度、優しい心を持った人でなくてはならないと思います。

貧しい人たちの中には、不幸によって貧困層になってしまった人、犯罪を犯して働けなくなった人なども沢山います。そのような人たちに対して、高橋幸輝氏は温かい目で社会復帰を支援してあげることができるのか疑問です。

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下図はAXEプロジェクトの公式ホームページです。グラフを見ると販売枚数の80%が販売済みのようです。
⇒公式ホームページ「AXECOIN

画面右上に言語を切り替えるボタンがありますが、英語(EN)と日本語(JPN)しかありません。英語と日本語の言語しか選べないプロジェクトは、日本人をターゲットにした詐欺プロジェクトである可能性がかなり高いので注意が必要です。

しかも、日本語を選択しても日本語に切り替わりません。何でやねん。

AXECOIN 公式ホームページ

 

次に、ホワイトペーパーの内容を確認します。削除される可能性を考慮して、ホワイトペーパーは本サイトに保存しておきました。
⇒引用元「AXECOIN WhitePaper

概要欄にAXEコインが実現することについて、以下の文が記載されています。

OVERVIEW
AXE is a corporate finance solution for supporting their international transactions for Vendors & users payments, Capital Funding, CSR Donations etc.

日本語に翻訳すると以下になります。

AXEは、業者やユーザーの国際送金、資金調達、CSR寄付をサポートするためのコーポレートファイナンスソリューションです。

 

「CSR寄付」が人道支援のことを言っていると思われます。ちなみにCSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業が自分たちの利益を還元して、ユーザーとの信頼関係を築く取り組みのことを言います。

国際送金、資金調達については他のコインでもできます。

そして不思議なことに、「CSR寄付」という言葉以外、ホワイトペーパーには人道支援に関係するような文章は何一つ出てきません。

 

このホワイトペーパーで語られている一番重要なことは以下の記述だと思います。

AXECOIN : AXE creates AXT token which will enable real time point of sale (POS) transactions directly from users’ private cryptocurrency wallets.

We predict the ability to make purchases in-store and online using cryptocurrencies will speed up mass adoption of the technology.

The AXT token is part of a global solution to facilitate borderless transactions for corporates. To make instant payments at point of sale from a blockchain wallet requires we do a real-time exchange of cryptocurrency into fiat.

The AXT token provides access to our state channels which a) ensure there is sufficient cryptocurrency (i.e. Bitcoin, Ether) in the digital wallet and b) users spending fiat at point of sale will complete the purchase from their cryptocurrency assets.

AXT automatically opens a state channel between each user and AXT’S own wallet. AXT tokens fund the transaction, much like gas funds Ethereum transactions.

日本語に翻訳すると以下になります。

AXEはAXTトークンを作成します。このトークンにより、ユーザの暗号通貨のウォレットから直接リアルタイムPOS(Point of Sale)送金が可能になります。私たちは暗号通貨を使用して店内やオンラインで購入する機能が、この技術の大量採用をスピードアップすると予測しています。

AXTトークンは、企業がボーダーレス取引を促進するための国際的なソリューションの一部です。

ブロックチェーンのウォレットからの決済時の即時支払いを行うには、暗号通貨のリアルタイム交換が必要があります。

AXTトークンは、ユーザー間のステートチャネルへのアクセスを提供します。
a)デジタルウォレットに十分な暗号通貨(すなわちBitcoin、Ether)が存在すること
b)販売時点で法定通貨を消費するユーザが、暗号通貨の資産から購入を完了する。

 

つまり、ステートチャネルを使うことで超高速な決済を可能にするということです。

ステートチャネルといえば、ビットコインのライトニングネットワークや、イーサリアムのライデンネットワークで使われるペイメントチャネル(ステートチャネル)が過去に話題になりました。

簡単に説明すると、本来ブロックチェーン上で行う操作をブロックチェーンの外(オフチェーン)で行い、最終処理のみブロックチェーン上で行われせる技術です。これにより、ブロックチェーン上での処理が減り、安く速く送金できるようになります。

AXTトークンの説明を別のICOで聞いたことがあるような気がした人もいるのではないでしょうか。

以下はプロジェクトの展望についての記載です。

VISION
AXE Global Payment’s vision is to create a globally accessible alternative to traditional banking, allowing you to store your money safely, ac transact with it anywhere, in any currency including crypto by using the STK token, right from your smartphone, using the AXECOIN app.

日本語に翻訳すると以下になります。

AX Global Paymentの展望は、地球のどこからでもスマートフォンのAXECOINアプリを通して銀行口座にアクセス可能な方法を作成することです。お金を安全に保管し、STKトークンを使用して暗号通貨を含む好きな通貨でどこでもAC取引を行うことができます。

 

唐突にSTKトークンという言葉が出てきました。この単語でピンときた人もいると思います。そうです。STKトークンとは、「STACK」という名前のカナダのアプリに使用する仮想通貨で、アプリを使うことで店舗のPOSで仮想通貨の即時決済が可能になります。

AXECOIN が STKプロジェクトと提携しているという記述はサイトには見当たりません。
⇒公式サイト「STK Token

AXECOINとSTKトークンのホワイトペーパーを見比べてみましょう。

下図は左がAXECOIN(背景青色)、右がSTKトークン(背景ピンク色)のホワイトペーパーの2ページ目です。

STK Token と AXECOINの単語が違う以外、完全に一致しました。

 

下図は3ページ目。一致しました。

 

下図は4ページ目。一致しました。

 

下図は5ページ目。一致しました。

 

このように、STK Token と AXECOINの単語だけ違う状況が続き、結局、STKトークンのホワイトペーパーと異なるのは、デザインとトークンの発行枚数と開発メンバーだけでした。

つまり、AXECOINのホワイトペーパーはSTKトークンの丸パクりということです。

 

これはいったいどういうことか。

仮にSTKプロジェクトと提携していたとしても、別のプロジェクトが丸パクりのホワイトペーパーを作る必要があるのか。AXEプロジェクトはSTKトークンと全く同じものを作ろうとしているのだろうか。

AXECOINの最終プレセールの参加を検討している人は、ホワイトペーパーが丸パクリの理由を明らかにしてから投資を決断することをお勧めします。もし、STKプロジェクトがAXECOINのことを知らなければ訴訟問題レベルです。

AXECOINは2018年夏から「Touch mall」というビットコインが使える日本最大級のネットショップで利用できるようになるというニュースがあります。
⇒外部サイト「Touch mall

SEFICO財団が発行する暗号通貨「AXEコイン」を、今夏に「Touch mall(タッチモール)」の新たな決済方法として導入いたします

 

会社概要を見ると、Touch mallを運営しているのは株式会社ワンワールドという会社で、高橋幸輝氏が顧問でした。

⇒引用元「株式会社ワンワールド 会社概要

 

以上、AXECOINの検証結果です。

私の予想では「ONE TOKEN FOR ONE SMILE」がキャッチコピーの、このプロジェクトの実態は

「YOUR TOKEN FOR OUR SMILE」

と予想します。

世界の貧しい人を救うための寄付金を募って持ち逃げするのは詐欺師がよく使うパターンです。仮想通貨を通して世界の貧しい人に寄付をするなら、ユニセフがブロックチェーンに出資するニュースがあるので、公式発表を待ちましょう。
⇒CoinPost記事「ユニセフがブロックチェーン企業への出資検討

なお、エアドロップの申し込みフォームには電話番号を記載する欄がありますが、自分の電話番号を入力すると、電話番号が詐欺師ネットワークに拡散して営業電話がかかってくる可能性があります。

AXECOIN エアドロップ申し込みフォーム