2025年5月22日にドル建てビットコインが4ヶ月ぶりに最高値を更新、5月23日午前2時に史上最高値となる11万2000ドルを記録しました。
ビットコインホルダーの皆さん、おめでとうございます!
ヾ(*´∀`*)ノ
2020年3月のコロナショックの底から、29倍になりました。
しかし、歓喜も束の間、5月23日午後8時にトランプ大統領が「EUに対して6月1日から50%の関税を課す」と発表し、その直後にビットコインは急落。最高値から-4.6%下落しました。
暗号資産全体が値を下げ、トランプコインは-10%下落しました。
そこで、この記事ではアメリカとEUの関税戦争でビットコインはどうなるのかを説明します。

EUとアメリカの関税戦争とは
過去にアメリカとEUは何度も関税の争いをしましたが、大規模で政治的影響力の大きい関税戦争が起きたのは、2018年の第1次トランプ政権のときです。
2018年にアメリカはEUに対して鉄鋼とアルミニウムに25%の関税を発動し、EUも報復関税で応じるという関税戦争に突入しました。当時は、航空機やバーボンウイスキー、バイクなどが対象となり、注目を集めました。
その後、バイデン政権で協議が進み、追加関税の一時停止や緩和が行われました。
そして、今年2025年に第2次トランプ政権が開始し、2月にトランプ大統領はEUからの輸入品に対して25%の関税を課す計画を発表しました。
トランプ大統領はEUとの貿易について、アメリカはEUのすべてを受け入れているのに対し、EUはアメリカの自動車も農産物も受け入れない。その結果、EUとの貿易赤字が3000億ドル(約45兆円)に膨らんでいると不満を述べました。
the European Union was formed in order to screw the United States.
「EUはアメリカを騙す(screw)ために作られた」
なかなか刺激的な発言です。
翌月3月に、トランプ大統領はEUの鉄鋼・アルミに25%の関税を発動し、EUはすかさず報復関税を発動しました。
相互関税発表でビットコイン暴落
2025年4月、トランプ大統領はすべての国に対して一律10%の関税と、国ごとの貿易赤字や関税障壁をもとに関税を上乗せする「相互関税」を発表しました。
これを受けて株式市場は史上3番目の大暴落をし、暗号資産も一緒に暴落したことは、まだ記憶に新しいことです。
EUには(一律分)10%+(上乗せ分)10%=20%の関税
EUはすかさず報復関税を発表しました。
このように、EUはアメリカの関税措置に対して報復関税を段階的に発動しています。また、WTOへの提訴を準備しつつ、協議による解決も模索しています。
その後、アメリカは上乗せ分の関税の発動を90日間延期したのと、中国への関税を引き下げて交渉を再開するなど、関税の過熱を避けるような緩和的措置が相次いで打ち出されたことなどが材料視され、株式市場は回復に向かいつつありました。
EU関税50%予告でビットコイン下落
関税問題解決の期待が高まるなか、、
2025年5月、トランプ大統領は、EUとの関税交渉が行き詰まっていることを理由に、関税を50%に引き上げると予告しました。当初予定されていた20%の2.5倍です。

その他、iPhone含め、アメリカで製造されない携帯電話メーカーに25%の関税を課すことも予告しました。
この発表直後にビットコインは下落しました。
EUはまだ報復関税を発表していませんが、アメリカとの貿易交渉に引き続き真摯に取り組む姿勢を示しつつも、必要に応じて報復措置を講じる意向を明らかにしています。
EU関税50%のインパクト
EUにとってアメリカは最大の輸出先です。自動車・機械・化学製品・ワイン・高級品などを大量に米国に輸出しています。
アメリカの主要な輸入相手国ランキング1位はメキシコの約5000億ドル、2位中国、3位カナダ、4位にEU加盟国のドイツがいます。
2024年のEU全体からの輸入額は約5700億ドルで、この金額は1位のメキシコよりも大きく、アメリカにとってEUは最大の輸入相手ともいえます。
仮に、この全額に50%の関税が課されると、追加コストは単純計算で、
5700億ドル×50%=2850億ドル(約41兆円)
実際の追加コストは上記のように単純ではありませんが、関税50%は実質的にEUからの輸出製品を価格競争力のないものに変え、EUからアメリカへの輸出が激減する可能性が高く、これはもはや事実上の経済制裁ともいえる水準です。
EU関税50%実現でビットコイン爆上げ
中国とEUではどちらの方が経済へのマイナスの影響が大きいのかを考えると、
中国は「世界の工場」ではあるものの、米国との政治関係はすでに冷え込んでおり、脱中国の流れが進んでいます。
一方、EUと米企業は経済的な協力関係が深く、サプライチェーンも相互依存型です。米国企業もEU市場から多くの売上を得ています。
つまり、EUとの関税戦争はアメリカ企業にも超跳ね返る構図です。
もし、このあとEU関税50%が発動されて報復関税の応酬になったら、EUとアメリカの両方の企業にとって、部品調達コスト増加、製品価格が上昇、サプライチェーンの分断、外国への売上減少などが企業の利益を圧迫します。
それを見越して、リスクオフで株価暴落、ビットコインも一緒に暴落することでしょう。
さらに、50%関税が「友好国への経済制裁」という世界的ショックと見なされ、米国の信用が低下する予想に市場が反応した場合、米国債とドル売りが強まる可能性があります。
実際、4月の相互関税発表後に国債価格が下落し、ドル指数は大きく下げています。
基軸通貨であるドルの価値低下はビットコインの価格にポジティブに働くことが多く、過去の値動きでもドル指数の下降トレンド中にビットコインが爆上げしたことが多いです。
よって、EU関税50%から米欧関税戦争が激化したら、株と一緒にビットコインも暴落するが、関税戦争と法定通貨の信用が低下するなか物価は上がり続け、金やビットコインのような「信用に依存しない資産」の需要が高まり、爆上げする。
つまり、EU関税50%発動で、ビットコインは短期で売られるけど、長期的にはむしろ「追い風」です。
関税戦争は長引かない
最後に安心材料を1つ
今年、アメリカと中国の関税戦争は、最大145%(米国)、125%(中国)まで引き上げるという激しい応酬を見せましたが、
その後、双方が一時的に関税を10%に引き下げて、交渉を再開するという展開に落ち着いています。
つまり、各国政府はプライドを守るために強気交渉スタイルをとったとしても自国の経済を破壊するほどの手段はとれないので、実際には市場の混乱を最小限に抑えつつ、落とし所を探ることになります。
EUとアメリカの関税問題も、ずっと続くわけではないので安心して下さい。
ちなみに、イーロンマスクは今年4月に「アメリカとヨーロッパの貿易は関税ゼロにして、人々が自由に行き来できる自由貿易圏を作る」ことを大統領に助言したと発表しました。

コメント
コメント一覧 (1件)
関税問題に振りまわされている今日この頃、ですね。
高値更新モードに戻ってくれるのを祈ります