世界の科学者が鉛を金に変える実験に成功。ビットコイン爆上げか

2025年5月26日

アンゴロウ

世界の科学者チーム(ALICE実験チーム)が、鉛を金に変えることに成功しました。

この衝撃のニュースが暗号資産業界でも話題になりました。

鉛といえば、地球にありふれた金属です。安価でくすんだ灰色、酸化もしやすく、あまり魅力的とは言えない存在です。一方、金(ゴールド)は美しい黄色の輝きを放ち、酸化に強く、加工しやすいため、何千年もの間、通貨や宝飾品、資産として人類に親しまれている存在です。

そんな鉛を金に変換するという、いわば人類の夢「錬金術」が、科学の力で現実になりました。

もし鉛を金に変えることができれば、人類みんな大金持ち

ウホホイ、ウホホイ

そこで、この記事では錬金術の内容をもとに、今後の金とビットコインの価格に与える影響を説明します。

錬金術は空想ではない

錬金術とは、古代から研究されている「卑金属(鉛や鉄)を貴金属(金や銀)に変える技術」です。かつては魔法や神秘の技術とされていましたが、科学の進歩とともに原子の構造が明らかになるにつれ、「錬金術」は理論上可能であることが判明しました。

では、どうやって錬金術を実現するのか、その方法を説明します。

私たちが触れるすべての物質は原子でできています。原子の中心には原子核があり、その中には陽子と中性子がぎっしり詰まっています。そして、原子核のまわりを電子がフワフワと浮いています。

原子核はプラスの電気、電子はマイナスの電気を帯び、引き付け合いながらも、電子は原子核から離れた場所を漂っています。

図をみると、電子は原子核のすぐそばに浮いているように見えますが、実際は原子核の大きさに対し、電子はとても離れたところに浮いています。

例えば、仮に原子核のサイズを米粒(2ミリ)に例えると、電子はそこから約100メートルも離れたところに浮いているようなイメージです。

めっちゃ遠いね

そして原子核の中にある「陽子の数」が、その原子が何の元素であるかを決めています。

  • 陽子数82個:鉛(Pb)
  • 陽子数80個:水銀(Hg)
  • 陽子数79個:金(Au)
  • 陽子数47個:銀(Ag)
  • 陽子数29個:銅(Cu)

鉛の陽子を3つ減らすと何になるか

そうです金になります。水銀なら1つ減らせば金です。そして、陽子数が変わると電子もバランスを取るように変化し、見た目も性質も完全に「金」に変わることになります。

では、どうやって原子核の陽子の数を減らすのか、次に説明します。

過去の錬金術の実験

陽子の数を減らす方法は、大きく2つあります。

方法① 中性子を吸収させる

原子核に中性子を吸収させて内部を不安定にし、自然崩壊(β⁺崩壊)で陽子の数を減らします。

方法② 陽子をぶつける

原子核に陽子を高速で衝突させ、内部の陽子を弾き飛ばすことで陽子の数を減らします。例えるなら、接着剤で固めたボーリングピンに重いボールをぶつけて1本だけ飛ばす感じです。

ただし、原子核のまわりには電子(-)があって、陽子(+)の通過を妨害し、さらに原子核の陽子(+)が接近する陽子と強く反発し合うため、原子核に陽子を突入させるにはとてつもない運動エネルギー(スピード)が必要です。

上記2つの方法を実験するために「サイクロトロン」という粒子加速器が開発されました。1941年にカリフォルニア大学で、この装置を使ってベリリウムに陽子をぶつけ中性子を発生させ、その中性子を水銀に照射して金の生成に成功しました。

しかし、生成された金はごく微量で、実用性はゼロ

「科学的には成功したが、経済的には失敗」と判断されました。

1970年代にはソ連やアメリカの研究者が、粒子加速器を使って鉛に陽子や重イオンをぶつけて金の同位体を生成する実験を行いましたが、やはり微量かつ不安定で、商業利用には至りませんでした。

1990年代には日本の理化学研究所も実験を行っています。それ以外にも、いくつかの人工的に金を作る実験が存在しますが補助的な成果にとどまっています。

最新の錬金術の実験

そして、最近話題となったのは、スイスとフランスの国境にあるCERN(欧州原子核研究機構)が運営する「LHC(大型ハドロン衝突型加速器)」での実験です。

過去の粒子加速器の実験とはエネルギー規模、精密度、制御性が桁違いに進化しています。

世界中から科学者が集まるALICE実験チームが、高速で加速された鉛イオンを衝突させる研究をしていたところ、副次的に「鉛の原子核が陽子を失い、金に変化する現象」が観測されました。

光速近くまで加速した鉛イオンのすれ違い衝突の衝撃によって、陽子数82の鉛が陽子を3つ失い、陽子数79の金の原子核に変わったのです。

うぉー!

ただし、この金の原子核は寿命がごく短く、すぐに崩壊・消失してしまうため、「金を回収する」といった実用的な成果にはなっていません。

よって、「経済的な錬金術」が実現するのは、まだまだ先の話といえます。

錬金術が金とビットコインに与える影響

もし、経済的で低コストの錬金術が実現した場合、金の価格はどうなるのか

その場合、金の希少性が崩壊して、価格は必ず暴落します。

根拠は「合成ダイヤモンド」です。

ダイヤモンドは、地球トップクラスに硬い天然物質であり、無色透明でキラキラ輝く美しさで人気があります。

ダイヤモンドは「炭素(C)」でできていて、炭素は石炭など、地球上に大量に存在する元素です。

この炭素を含む物質の原子を並べ替えて、陽子数を一切変えずにダイヤモンドと同じ構造にしたものを「合成ダイヤモンド」といいます。

今では、高品質な合成ダイヤと天然ダイヤを肉眼で見分けるのはほぼ不可能な状態まで製法が進化し、2015年頃の合成ダイヤはまだ高価でしたが、技術革新で価格が下がり、2020年以降、天然ダイヤの価格も下がりまくっています。

ダイヤモンドの価格チャート

つまり、金であれダイヤであれ、大量供給が始まれば価格は必ず下がります。

現時点では、金の人工生成はコストも莫大で量も微量、経済的な錬金術はまだまだ先の話で、しばらくは金の価格が暴落する心配はありません。

注意しておきたいのは──

地球以外の宇宙には、まだ誰も掘り尽くしていない「金」が無数に存在していることです。

実際、地球に落ちてきた隕石や、月面の鉱物から金が検出されていて、火星の地形も金鉱石に似た部分があると報告されています。

NASAなどはすでに「宇宙鉱業(スペースマイニング)」を真剣に研究しており、20年以内に月や小惑星から資源を採掘する時代が始まる可能性があると考えられています。

宇宙鉱業なんて100年先の話だと思われがちですが、AIやコンピューターの進化によって技術革新のスピードが加速しており、AIが設計した宇宙船に乗って資源を採掘する時代は、意外と近い未来に訪れるかもしれません。

他の惑星で金が発掘され、金が大量に地球に持ち込まれはじめて金の供給が急増すれば、希少性が失われて価格が下がるのは確実です。

そうなると、金離れが進み、代替資産としてビットコインなどの暗号資産に資金が流れ込み、ビットコインは宇宙に向かって爆上げすることでしょう。