bitFlyer Lightning MACD(マックディー)の見方。
本記事ではbitFlyer Lightningで表示できるMACDについて説明します。
MACDとは、異なる指数平滑移動平均線(EMA)の差分を利用してトレンド変換をいち早く把握するために使われる指標です。指数平滑移動平均線とは何かについては次の記事を参考にして下さい。
⇒「指数平滑移動平均線とは」
ちなみに、MACDは「エムエーシーディー」ではなく「マックディー」と読む人が多いです。マクドナルドのハンバーガーが食べたくなるのは私だけでしょうか?
MACDについてbitFlyer Lightningの説明には以下のように記載されています。
MACD Line: (12-day EMA – 26-day EMA)
Signal Line: 9-day EMA of MACD Line
MACD Histogram: MACD Line – Signal Line引用元: StockChart「MACD」
まずは、MACDを表示してみましょう。下図赤枠にマウスポインタを合わせると指標の設定項目が表示されます。MACDにチェックを入れると表示され、チェックを外すと非表示になります。
MACDの右にある3つの設定項目(下図10、26、9)はMACD LineとSignal Lineの集計期間の設定です。
下図はMACDを表示した結果です。水色の線がMACD Line、白色の線がSignal Line、黄色とオレンジの棒グラフがMACD Histogramです。
MACD Lineは、異なる指数平滑移動平均線(以降、移動平均線)の差を表した線です。初期設定ではローソク足10本と26本の移動平均線の差になります。
ちゃんと10本と26本の移動平均線の差になっているのかを実際に確認してみましょう。下図はチャートに10本と26本の移動平均線を表示した結果です。
①の価格は740911円、②の価格は738609円。①と②の差を求めると740911円 – 738609円 = 2302円になります。MACD Line上の③の数値を見ると2302で一致しました。
④を見ると10本と26本の移動平均線が同じ価格を示しています。差が0なので、MACD Line上の⑤の数字を見ると0になります。
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けたポイントを「ゴールデンクロス」といい、買うタイミングとして使われるのは皆が知っています。
逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けたポイントを「デッドクロス」といい、売るタイミングとして使われます。
一方、MACD Lineは2つの移動平均線の差を表した線なので、MACD Lineが数値0を下から上に突き抜けたポイントがゴールデンクロスになります。
逆に、MACD Lineが数値0を上から下に突き抜けたポイントがデッドクロスになります。
ここまでを聞いて、「MACDを見るんじゃなくて、普通に移動平均線のクロスを見ればいいじゃん。」と思った人もいると思います。MACD Lineは数値0とのクロスよりも、このあとに説明するSignal Lineとのクロスが重要になります。
Signal Lineは、MACD Lineの移動平均線です。集計期間は初期設定では9本に設定されています。
「移動平均線の差の移動平均線がMACDとクロス…」と考えだすと訳が分からなくなるので、MACD Lineは差1本の移動平均線、Signal Lineは差9本の移動平均線と考えましょう。つまり、MACD Lineが短期の移動平均線、Signal Lineが長期の移動平均線のイメージになります。
下図のように、26本移動平均線が10本の移動平均線より上にあるとき、MACD LineがSignal Lineを下から上に突き抜けていく様子は、9本分の差のマイナスよりも直近の差のマイナスが小さくなった。つまり、26本移動平均線と10本の移動平均線の距離がぐっと縮まってきていることが分かります。
よって、MACD LineとSignal Lineのクロスは、移動平均線のゴールデンクロスを一足先に予見することができるということです。下図のようにMACD LineとSignal Lineがマイナスの領域にあり、MACD Lineが鋭い角度でSignal Lineを下から上に突き抜けたとき、買いのシグナルととらえて集中しましょう。
ちなみに、下図のように26本移動平均線が10本の移動平均線より下にあるときもMACD LineがSignal Lineを下から上に突き抜けることがあります。これは、10本移動平均線と26本移動平均線のプラスの差が大きくなったことを意味します。
この直後に10本と26本移動平均線ゴールデンクロスは発生しませんが、上昇力が高まっていると見れます。
逆に、MACD LineとSignal Lineがプラスの領域にあり、MACD Lineが鋭い角度でSignal Lineを上から下に突き抜けたときは売りのシグナルです。
MACD Histogramは、MACD LineとSignal Lineの差を棒グラフにしたものです。MACD LineとSignal Lineの線のあいだを目視してもどのくらい差があるのかが分かりますが、MACD Histogramは底辺が揃っているので、差の大きさの違いが横にらみしやすいという利点があります。