情報商材や高額塾の詐欺師が増える仕組み

2018年12月31日

ネットビジネスを始めようと思ったとき、独力で稼ぐ力をつけようと思っても時間がかかるので、効率的に勉強できる教材やセミナーがないかを最初に探す人がいます。そして、参加無料とか億万長者とかいう商材やセミナーを見つけて参加してみると、いつの間にかほとんど稼げない情報に多額の料金を払っていた。つまり詐欺にあったという人が後を絶ちません。

日本は世界一安全な国といわれるほど殺人や強盗の数が少ないですが、その代わりに詐欺師がはびこる犯罪列島へと進化しているのです。

情報商材やセミナーは情報自体に価値があるのでお金を払ってみないと情報の中身が本当に価値あるものなのかが分かりません。そのため、購入したものが詐欺まがいの劣悪なものでも、「あなたのやり方が間違っているのでは?」「あなたの勉強が足りないのでは?」と言われて泣き寝入りすることになります。

このように、詐欺であることを証明することが難しい状況のため、詐欺師たちは堂々とネットに顔を公開して詐欺商材を売りつけ、詐欺セミナーを開催しています。詐欺師も詐欺商材も、今後もどんどん増えていくと予想されます。

そこで、本記事では情報商材の詐欺師が増える仕組みについて説明します。

まず、情報商材に関わる人たちは、大きく分けて販売者、紹介者、購入者に分けられます。

情報商材の販売の構図

 

販売者とは、情報商材を売ったり、塾を開催する人やグループのことです。販売者は商品を売るための「メルマガ登録ページ」、「商品紹介ページと動画」を丁寧に作り込みます。場合によっては販売する商品そのものより、デザインや訴求力の完成度が高いものに仕上げます。

 

作り終わったら、販売者はメルマガ登録ページのリンクをアフィリエイトセンターに登録します。アフィリエイトセンターとは、商品を紹介してくれる人を募る場所です。A8.netなどのASPと同じようなサービスですが、ASPは審査や手数料があるのに対し、アフィリエイトセンターは販売者側と直結していることもあるので、審査や手数料が不要になります。

紹介者とは、アフィリエイトセンターに登録された商品を他の人に紹介する人やグループのことで、通称「アフィリエイター」といいます。

アフィリエイターが紹介した人がメルマガ登録ページでメールアドレスを登録するとアフィリエイターに報酬が支払われます。

報酬額は商品によって異なりますが、紹介人数がいつも多いアフィリエイターには高い報酬が支払われます。メールアドレス1件あたり4000円以上になることもあります。

この高額報酬があるために詐欺と分かっていても紹介してしまうアフィリエイターがいるのです。

 

無料という言葉でたくさんの参加者が集まりましたが、無料というのは客寄せのための嘘です。言い換えると、動画やページを見るのは無料といった感じです。

どんなやり方なのかはプロジェクトによって様々ですが、必ず参加者からお金をぼったくろうとするタイミングがやってきます。これをバックエンドと言います。

メールアドレス登録1件数千円という多額の広告費を使っていることからも、バックエンドが高額になるのは想像に難くないと思います。

バックエンドにお金を払う人の割り合いはプロジェクトの内容によっても異なりますが数パーセントと言われています。

例えば、詐欺師がアフィリエイト報酬4000円でメルマガ登録ページをアフィリエイトセンターに登録し、1人のアフィリエイター経由で1000人がメールアドレスを登録、そのうちの5%の人がバックエンドの30万円を払った場合の詐欺師の利益と、アフィリエイターの報酬を計算してみましょう。

バックエンドにお金を払った人数は1000人×0.05=50人です。詐欺師は30万円×50人=1500万円のお金を得ました。

アフィリエイターの報酬は4000円×1000人=400万円。詐欺師の利益は1500万円 – 400万円 = 1100万円になります。

 

参加者は無事に商品を購入しましたが、情報商材のとおりにやってみたけど全然うまくいかなかったり、ネットで調べればすぐに見つかるようなことばかり書かれていて役に立たないことに気が付きます。

それもそのはず、詐欺師は商品を売ればいいだけの話で本当に億万長者になれる方法など教えるつもりはありません。億万長者になれそうな気がするそれっぽいことを書いておけば、苦情がきても、「あなたのやり方が間違っているのでは?」「あなたの勉強が足りないのでは?」と購入者の責任にすればいい話です。

また、本当に簡単に億万長者になれる方法を知っているなら、詐欺師自身で私腹を肥やすことでしょう。

購入者は自分には合わないものを掴まされたと残念に思っているなか、別の商品の紹介がアフィリエイターや詐欺会社から届きます。購入者は損を取り戻そう、今度こそ成功するぞと思って次の情報商材を購入します。

この流れでどんどん詐欺商材というゴミの山が購入者のもとに溜まっていき、詐欺師の私腹が肥えていきます。ちなみに、情報商材ばかりを集めて結果が出ない人のことをノウハウコレクターといいます。

 

「情報商材はほとんどが詐欺だけど、中には億万長者になれる本物の情報商材があるのでは?」

と思っている人もいるかも知れません。

確かに、日本のどこかに億万長者に100%なれる方法が記された最強の情報商材があるのかも知れません。しかし、そのような商材はアフィリエイターやメルマガで届くことはありません。なぜなら、アフィリエイターは高額報酬の詐欺商材を紹介するのに必死だからです。

一方、良質な情報を良心的な価格で提供しようとする人の商品は広告費にお金を使うことができないので、人の目に触れることはほとんどあまりません。

 

世の中は本当にいいものは口コミで広がり広く普及します。しかし、確実に億万長者になれて、日本中の誰もが知っていて歴史に残っている情報商材が過去にあったでしょうか。そんな商材を私は聞いたことがありません。

つまり、アフィリエイターが無料オファーで紹介してくる億万長者をうたう情報商材はすべて詐欺という結論になります。

「億万長者をうたう情報商材を買って億万長者になった人は一人もいないの?」

と思ったかも知れません。詐欺商材を買ったあとに大きく稼げるようになった人は実はいます。それは悟った人です。

何を悟ったと思いますか。

考えてみて下さい。

それは

騙すほうになればいいんだ💡

です。

詐欺師たちは詐欺商材で教えている自己アフィリエイト、ポイントサイト、転売、投資法などの手法で巨万の富を得ているわけではありません。彼らは、悪質な情報商材や高額塾をボッタクリ料金で情報弱者に売りつけることによって巨万の富を得ているのです。

これに気が付いた人は、自分もネットビジネスで成功するために、詐欺師になって情報商材を売る方にまわろうと考えます。ターゲットは情報弱者。ネットで調べれば分かるようなことを整理して20万円くらいで売る。それっぽく書いておけば苦情がきても大丈夫。昔つかまされた詐欺商材の文言を少し変えればバレないだろう。

 

こうして、情報弱者を狙った詐欺師が日々増え続けています。

今では、ネットビジネスのカリスマと称された詐欺師のオールスターたちがタレントみたいに活動していたりもします。

詐欺師が増える