2025年5月7日未明(日本時間)、インドがパキスタンに対してミサイル攻撃を行いました。理由は、4月にインドで発生した観光客襲撃事件に対する報復攻撃です。観光客襲撃事件では、ヒンドゥー教徒の観光客26人が武装勢力に殺害されました。インド政府は、襲撃の背後にパキスタン拠点のテロ組織がいると非難し、報復措置として今回の攻撃を実施。これに対し、パキスタン側は報復を宣言し、両国の緊張は一気に高まりました。
各国首脳の過激発言が増えている現在、この攻撃が「第4次印パ戦争」に発展することが懸念されています。
報道を受けて、ビットコインの価格は+3%急騰しました。

この記事では、長年続く印パ対立の背景を簡単に振り返りながら、今回の攻撃による第4次印パ戦争リスク、世界戦争リスク、そしてビットコインへの影響を解説していきます。
インドとパキスタンの仲の悪さは筋金入り
インドとパキスタンの対立は、今に始まったことではありません。そもそもの発端は1858年、イギリスがインドを正式に植民地化したことに遡ります。
イギリスは、インド人たちを宗教(ヒンドゥー教徒 vs イスラム教徒)、民族、身分などで分断し、互いに争わせることで団結を防ぐ「分断統治」を行いました。
例えるなら、「クラス全員が団結すると先生に文句を言いに来るから、仲良しグループをわざと分けてケンカさせる先生」のような感じです。
この分断統治によって、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の間に深い不信感と敵対心が根付きました。そして1947年、イギリスがインドを独立させる際、宗教対立を避ける目的で「ヒンドゥー教主体のインド」と「イスラム教主体のパキスタン」に分割して独立させました。
ところが、この分割独立がさらなる悲劇を呼びました。蓄積された対立が独立直後に一気に爆発し、大規模な宗教暴動と難民移動が起きて、1000万人以上の難民と、100万人以上の死者を出しました。
その後も両国の関係は改善するどころか、戦争と衝突を繰り返してきました。
- 1947年 第1次印パ戦争
- 1965年 第2次印パ戦争
- 1971年 第3次印パ戦争
- 1999年 カルギル紛争(第4次印パ戦争と呼ばれることあり)
カルギル紛争後も、インド議会襲撃事件、ムンバイ同時多発テロ、インドのバラコット空爆、国境衝突など両国の軍事的対立は続きました。
そして、今回のインドの攻撃は、2019年2月26日のバラコット空爆以来、実に6年ぶりの大規模な軍事行動です。
ちなみに、2019年バラコット空爆の直後にビットコインは大きく動きませんでしたが、2019年4月から上昇が始まり、3ヵ月間で価格は3倍以上に急騰しています。
戦争リスクが高まるとき、金やビットコインは逃避先になる
現在、インドとパキスタンの間では報復の応酬が現実味を帯びており、本格的な軍事衝突に発展すれば「第4次印パ戦争」として記録されることになります。
では、戦争リスクが高まると、なぜ金やビットコインが必要になるのか?
戦争が起これば、まず影響を受けるのは通貨です。特に今回はインドルピーとパキスタンルピーの下落が想定されます。
インドルピーは一時的に下落する可能性があるものの、インド政府は外貨準備が豊富で、中央銀行の為替介入能力が高く、国際的な信頼も一定水準あるため、インドルピーは政府に管理された範囲で収まる可能性が高いです。
一方、パキスタンルピーは経済が不安定で外貨準備も乏しいため、急落や暴落が起きるリスクが非常に高いです。
また、戦時下では物価が急上昇しやすく、「戦時インフレ」への備えも重要です。最近はドルの弱体化も懸念されているため、金やビットコインといった希少性資産への需要が急増することが想定されます。
ビットコインは「国に属さない通貨」
ビットコインの強みは、特定の国家や中央政府に依存しない「非国家通貨」であるという点です。戦争が起きると、その国の通貨は暴落し、資本規制や預金封鎖が行われることもあります。実際に、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻を開始した際には、ロシアのルーブルもウクライナのフリブニャも急落し、多くの人が金や暗号資産に資産を逃避させようと動きました。
このように戦時の資本規制や預金封鎖によって国民は資産を動かせなくなり、戦時インフレによって資産がどんどん目減りしていくリスクがあるのに対し、ビットコインはインターネットと秘密鍵さえあれば、国境を越えて誰でも自由にアクセスでき、価値を移動させることが可能です。
また、国家主導の金融政策や為替介入の影響を受けにくく、金と同様に「自分の責任で保有できる」資産でもあります。こうした特性は、地政学的リスクが高まる局面において、価値の保存手段として非常に魅力的に映ります。
インド人とパキスタン人の暗号資産事情
ビットコイン需要の高まりを予想させるもう一つの要因は、両国における暗号資産の普及率の高さです。
Chainalysisの暗号資産採用インデックス2024で、インドは世界1位を誇り、人口の約20%(推定約2億8000万人)が暗号資産を保有しています。
パキスタンの採用インデックスは世界9位で、パキスタンも暗号資産の保有者が多く、推定約1500万〜2000万人が保有しています。
つまり、すでに多くのインド人とパキスタン人が暗号資産の利便性と必要性を理解している環境にあるため、有事の際の資金避難先としてビットコインが選ばれやすいと考えられます。

他国を巻き込む可能性はあるか
アメリカは、インドとパキスタンの両国と安全保障関係を持っており、仲介役を務める立場になると考えられます。
中国はパキスタン寄りではありますが、インドとの経済関係も重視しているため中立姿勢を保つはずです。ロシアについても同様で、伝統的にはインドとの軍事協力関係が強い一方、近年はパキスタンとの経済・エネルギー協力も進んでおり、バランスを取る中立的な立場を維持すると考えられます。
また、インドとパキスタンの両国とも核保有国であるため、他国が軍事的に介入すれば、核戦争のリスクが飛躍的に高まることから、アメリカも中国も直接の戦闘には巻き込まれないよう慎重な姿勢をとるでしょう。
よって、今回の衝突が国際戦争に発展する可能性は限定的です。
戦争とビットコインは無関係ではない
以上から、今回のインドの攻撃から世界戦争に発展する可能性は限定的と考えられますが、第4次印パ戦争の可能性が高まる中、経済的混乱に備えて資産を守る手段を考えておく必要があります。
インド・パキスタンではすでに多くの人が資産保護のために暗号資産を保有しており、混乱が続くほど保有者はさらに増していきます。インフレ、通貨下落、資本規制──そんなリスクから自分の資産を守るために何ができるか、ビットコインは一つの選択肢として現実的な手段として認識されています。
今のうちに備えておくことは十分に意味のある判断だと言えるでしょう。

コメント
コメント一覧 (2件)
評価テストメッセージ
サイト改善のために、コメント入力欄の上にある☆をクリックして記事の評価をして頂けると幸いです。
☆は5段階評価の直感でOKです。