老舗繊維メーカー北日本紡績がビットコイン購入!決断が示す爆上げの未来

アンゴロウ

今年に入ってから、ITや金融以外の業界の上場企業が次々とビットコインの保有を発表しています。

  • 2月:美容業界のSBCメディカルグループ(湘南美容クリニック運営)
  • 3月:金属業界のエス・サイエンス社
  • 4月:アパレル業界のANAP

企業にも資産保全手段として「ビットコイン=デジタルゴールド」が浸透し始めていることを予感させるような流れです。

そして、2025年5月14日、日本の老舗繊維メーカー、北日本紡績がビットコインの保有と暗号資産事業の開始を発表しました。

北日本紡績は、ITでも金融でもない、まさに“畑違い”の繊維業界の企業です。これが何を意味するのか、どんな未来を示しているのか。今回はその全貌をわかりやすく解説します。

北日本紡績はこんな会社

北日本紡績株式会社(きたにほんぼうせき)は1948年創業の老舗繊維メーカーです。現在は東証スタンダードに上場しており、以下の4つの事業を展開しています。

  • 紡績事業:綿や合成繊維などの繊維原料を「糸」に加工する事業。糸にすることで強度や耐久性がアップし、衣類や生活資材、産業製品など幅広く活用できるようになる。
  • テキスタイル事業:衣料品やインテリア製品向けの生地を提供する事業
  • ヘルスケア事業:自社ブランドのマスクの販売。健康機器や防犯カメラの販売代理店もしている。
  • リサイクル事業:廃プラスチックを再資源化する環境対応型の新規事業

同社の売上は2017年以降、8期連続で前年比プラスを維持していて、2024年度には前年比+24.8%増の16.3億円を記録しました。

しかし一方で、2020年度(第96期)から営業損失が続いたことから、同社は「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。」と判断し、対策として、製品の販売強化、開発、生産効率とキャッシュフローの改善などを行うことで赤字を縮小させました。

赤字は2022年度-2.7億円 → 2023年度-1.2億円 → 2024年度-0.6億円と縮小し、直近の決算短信で「「継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない」」という判断に変わりました。

2025年度には黒字転換が見込まれ、それを好感して株価は2024年11月の安値73円から、2025年4月には209円まで急上昇しました。

そして2025年5月14日にビットコインの保有と暗号資産事業の開始を発表し、翌日15日に3年8ヶ月ぶりの高値232円を記録しました。

なぜ繊維メーカーが暗号資産?

北日本紡績が行う暗号資産事業は以下の5つです。

  1. 暗号資産の保有(ビットコインを保有予定)
  2. 暗号資産マイニング(再生可能エネルギーを活用)
  3. 独自トークンの発行(廃プラスチックの買取りなどで活用)
  4. サプライチェーンのRWA化(サプライチェーンの流れを可視化)
  5. Web3型ウォレットの提供(トークンの保管、決済に利用)

めっちゃ、やるやん!😮

北日本紡績の暗号資産事業の最大の特徴は、単なる資産運用を目的とした暗号資産ビジネスではなく、「環境貢献」が根幹にあることです。

地球環境保護を強く意識した取り組みであり、サステナビリティ(持続可能性)や脱炭素社会の実現に貢献する方向性が明確に示されています。

たとえば、再エネでのマイニングは地球温暖化への配慮。トークンは廃プラの取引手段として使うことで、リサイクルを促進し、ゴミを価値ある資源として循環させる循環型経済の実践的アプローチになります。

また、廃プラの回収⇒再資源化⇒製品化のプロセスをトークン化することで、生産効率と信頼性が向上し、二酸化炭素(CO₂)をどれだけ減らせたかを目に見える形で証明できるようになることで、日本政府が推進しているJ-クレジット制度にも役立ちます。

このように、北日本紡績の暗号資産事業は「環境貢献型Web3ビジネス」であり、製造業・リサイクル業の延長線上にある環境志向のデジタル化の取り組みともいえます。

この事業の成功がビットコイン価格に与える影響

この取り組みが成功するかどうかはまだ未知数であり、北日本紡績がどれだけ本気でこの事業に取り組むか、安定したマイニング収益を生み出す設備、自社トークン価格を安定させるため方法など課題は色々ありそうです。

もし、北日本紡績の暗号資産事業が成功すれば、「製造業×トークン経済×環境保護」の先行事例となり、繊維業界やリサイクル業界の中でデジタルトランスフォーメーションへの機運が高まって、ブロックチェーン技術を使った仕組みが広がっていくかもしれません。そうなれば、暗号資産はもはや投資家だけのものではなく、企業が実際のビジネスで使うためのインフラとして位置づけられる未来も見えてきます。

こうして、企業はインフレから資産を守るために暗号資産を保有することが常識となり、サプライチェーンはブロックチェーンで信頼性を担保し、効率を向上させることが常識となれば、暗号資産とブロックチェーンが“実社会で活躍する時代”がいよいよ本格化し、ビットコイン爆上げの未来がやってくることでしょう。