家とブロックチェーンが融合します。
パソコンで描いた家を3Dプリンターで建て、NFTで所有権を記録し、支払いはビットコイン——まるでSFの世界のような話ですが、これがもうすぐ現実となります。
日本の上場企業Lib Workが、世界初の「3Dプリンター住宅のNFT化」と「ビットコイン決済」を発表しました。

日本企業Lib Workとは
Lib Workは、注文住宅の企画・設計・施工・販売を手掛ける住宅メーカーで、生成AIによる住宅プランの自動提案や、VRで自宅にいながら物件内覧ができるサービスなど、最新テクノロジーを取り入れて、効率的な集客とコストパフォーマンスの高い住宅の提供をしています。
売上は4期連続過去最高を更新しており、営業黒字も継続。安定的に業績を伸ばしている成長企業です。

そして、今年2025年から3Dプリンター住宅の販売が始まります。
3Dプリンターとは?
3Dプリンターは、コンピューターで作成した立体データ(3Dデータ)をもとに、実際の立体物を作り出す機械です。
普通のプリンターはインクで紙に絵を描くのに対し、3Dプリンターはプラスチックなどの材料をミルフィーユのように少しずつ積み重ねて立体物を造形します。
1980年代に工業用3Dプリンターが誕生し、その後、医療・自動車・航空宇宙・住宅など多様な分野に普及しました。2010年代には個人向けの低価格モデルが登場して一般層にも広がっていきました。
3Dプリンター住宅とは?
3Dプリンター住宅とは、建設用の大型3Dプリンターで家を造る住宅のことです。机の上に置ける小型プリンターとは異なり、10m級の超巨大プリンターがコンクリートなどの材料をノズルからニュルニュルと押し出し、層を重ねるようにして壁や構造を作っていきます。
3Dプリンター住宅には以下のメリットがあります。
- 建設が速い:壁だけなら数日で完成する場合もある
- コスト削減:人件費や材料のムダを抑えられる
- 自由なデザイン:曲線や球体など、木造では困難な形状も可能
- 環境にやさしい:廃材がほとんど出ない
まさに、次世代の住宅です。
ただし、2階建て以上の構造には課題が残っており、強度や安全確保のための研究が進められています。
Lib Workの3Dプリンター住宅
Lib Workは2022年から3Dプリンター住宅事業に取り組み、2024年には国内初となる「土を主原料としたのモデルハウス」を完成。今年2025年から一般販売が始まります。
そして先日、世界初の3Dプリンター住宅のNFT化とビットコイン決済の導入を発表したという流れです。
Lib WorkのプリンターNFTの特徴を以下にまとめます。
- 設計データの利用権を証明
住宅ごとの3D設計データをNFT化し、保有者のみにその利用権を付与することで、設計図の無断コピーや流用を防ぎます。利用権は貸し出すことも可能です。 - 住宅の所有権を証明
物理的な住宅と紐づけられたNFTを発行し、所有者・履歴情報を管理します。NFTの譲渡によって所有権の移転もスムーズになります。 - 住宅の資産価値を証明
NFTにシリアルナンバーを付与することで唯一性を担保し、住宅の資産価値を裏付けます。
このように、Lib Workの3Dプリンター住宅NFTは、住宅の設計・所有・価値のすべてをデジタルで証明・管理するためのNFTです。
ビットコイン決済
Lib Workは、3Dプリンター住宅の購入に暗号資産(ビットコイン)での決済を可能にすることも同時に発表しました。受け取ったビットコインをそのまま保有するのか、日本円に換えるのかについては、現時点では未定としています。
暗号資産の保有方針については現時点では未定です。詳細が決まり次第、後日開示いたします。
もしビットコインを企業資産として保有する方針を示した場合、財務戦略の多様化やインフレ対策だけでなく、ブランド価値向上につながります。
ちなみに、日本の不動産の暗号資産決済といえば、今年、不動産大手のオープンハウスもビットコインとイーサリアム決済を発表しています。
まとめ
2025年7月22日に、日本の住宅メーカーLib Workが、世界初の「3Dプリンター住宅のNFT化」と「ビットコイン決済」を発表しました。
3Dプリンター住宅NFTの特徴は、住宅の設計・所有・価値をデジタルで証明・管理できる点で、これは単なるデジタルアートNFTではなく、「実在する家」という現実資産をブロックチェーン上で扱う先進事例であり、NFTの社会的イメージ「NFTはただの絵」を変える可能性を秘めています。
この取り組みが成功すれば、他の日本企業や業界にも「ブロックチェーン×実物資産」の流れが広がっていく可能性もあるので、今後の展開はたまにチェックします。
「家は一生に一度の買い物」から、「家はビットコインとNFTと3Dプリンターでたまに建てる時代」へ

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