LINK(リンク)|LINEが実現する企業とユーザーが付加価値を共有できる経済圏
2018年8月31日、LINE株式会社が開発するブロックチェーン(LINK Chain)を使ったトークンエコノミー構想「LINE Token Economy」を発表しました。
⇒参考:LINE「ニュース」
本記事ではLINE Token Economyのホワイトペーパー(英語)の内容について考察します。
⇒参考:LINE「LINE Token Economy」
LINE Token Econoyの目的について公式サイトには以下のように記載されています。
「LINE Token Economy」構想は、LINEが独自に開発したブロックチェーン技術を活用することで、サービス提供者とユーザーの関係をよりフラットにし、ともに成長していくことができる共創関係の構築を目指すトークンエコノミー構想です。
インターネットの時代になり、フリーミアムの概念がうまれ、様々なインターネットサービスを通じて情報やコンテンツを無料で受け取ることができるようになりました。同時に、ユーザーはただコンテンツを受け取るだけではなく、ソーシャルメディアやレビューサイトなどにおいて積極的にコンテンツを生み出す生産者となり、サービス自体の発展や成長に大きく貢献をしています。しかし、そういったユーザーの貢献に対し、適切なインセンティブを還元する仕組みを構築することは非常に難しく、現状では十分な還元ができていません。
引用元: LINE「ニュース」
ホワイトペーパーには以下のように記載されています。
It was the contribution of our users that drove the rapid growth of the LINE ecosystem.
Now we want to take the idea of user contribution-driven growth to the next level, rewarding users by sharing the added value created in the LINE ecosystem with them.
引用元: LINE「LINE Token Economy」
用語 | 意味 |
---|---|
エコシステム | 異なる企業やユーザーが連携して共存共栄する仕組みのこと。環境保全のエコ(エコロジー)とは違う意味です。 |
トークンエコノミー | 仮想通貨を使った経済圏のこと |
フリーミアム | 基本サービスを無料で提供するサービスのこと |
インセンティブ | やる気を出させるための刺激のこと |
つまり、LINE Token Economyは、LINEの成長に貢献してくれたユーザーに報いるために、サービス提供者とユーザーが付加価値を共有できる経済圏を実現してくれます。
LINE Token Economyのトークンをサービス提供者だけでなく、ユーザーも受け取る仕組みを作ることによって、ユーザーへの利益還元が行われます。
LINE Token Economyで使われるトークンの名称は「LINK」。コバルトグリーンとネイビーの2つの円を重ねたシンボルマークがナイスデザイン。
項目 | 内容 |
---|---|
トークンシンボル | LINK |
発行元 | LINE Tech Plus株式会社 (LTP) |
総発行枚数 | 10億 LINK |
通貨単位 | LINK(1 LINK=1000000 cony) |
⇒引用元:LINE「Global News」
line、linkという単語はともに「つながる」というイメージがあるので、LINEが提供するトークン名としてはセンスのいいトークンシンボルなのですが、このトークンシンボルをどこかで聞いたことがある人もいると思います。
そうです。ChainLink(LINK)です。ChainLinkはスマートコントラクトと外部システムの橋渡しを行う仮想通貨で、LINEのLINKとは関係がありませんが、シンボルマークと通貨単位がどちらも同じLINKです。また、総発行枚数も同じ10億LINKです。
異なる仮想通貨で同一のトークンシンボルはあらぬトラブルを引き起こす原因となります、ChainLinkは2017年に公開されているので、LINEのLINKを変えたほうが問題にならないでしょう。
⇒引用「ChainLink公式」
サブ通貨単位はconyです。コニーといえばLINE公式のウサギのキャラクター。
ちなみに、ビットコインにもSatoshi(サトシ)というサブ通貨単位があって、1BTC=100000000 Satoshiです。言い換えると、1 Satoshi = 0.00000001BTCになります。
小数点以下の桁数が多くなると「レーてん、レーレーレーレーレー…」と読みづらくなるので、0.00000001BTCのことを「いちサトシ」、0.00000020BTCのことを「にじゅうサトシ」と読んだりします。
一方、conyは 1 LINK=1000000 conyなので、1 cony = 0.000001 LINKになります。ビットコインと同じ桁数にしたほうが受けいれられやすいと思いますが、実は他の通貨も桁数がまちまちです。
⇒引用:LINEストア「ウキウキ♪LINEキャラクターズ」
下図はトークンエコノミーの流れ図です。
LTP は 「LINE Tech Plus株式会社」、DAPP DEVELOPERSは「Dappの開発者」、USERSは「ユーザー」、EXCHANGEは「取引所」のことを表しています。
Dappとは分散型アプリケーションのことで、ブロックチェーン上に作られるアプリケーションのことをいいます。
⇒引用:LINE「LINK Whitepaper」
1. Issuance and Allocation
LTP oversees the issuance of LINK and the allocation of LINK to the dApp developers.2. Rewards
dApp developers distribute LINK to users as rewards for their contributions to the LINK ecosystem.3. Use
LINK can be used to pay for tangible or intangible goods and services offered within the LINK ecosystem. LINK can also be used for service benefits within the LINK ecosystem.4. Circulation
dApp developers recirculate the LINK received from users (as payment) back into the LINK ecosystem by redistributing LINK as rewards to users, thereby creating a continuous circulation of LINK within the ecosystem.5. Trades
Users trade LINK in digital token exchanges.引用元: LINE「LINK Whitepaper」
つまり、Dappは貢献したユーザーに報酬としてLINKを配布し、ユーザーはDappのサービスを利用するのにLINKを支払います。
ゆえに、LINKの普及はDappが提供するサービスの種類にかかっているといえそうです。
以下はLINKの使用例です。
Content
Payment for music, videos, and webtoonsCommerce
Payment for products/services, discount benefits, and paybackSocial
In-app payment systems and wire transfers between individualsExchange
Payment of commissions, fee discounts, and digital token tradingGaming
In-game trading and character improvements引用元: LINE「LINK Whitepaper 」
日頃、楽しんでいる音楽、ビデオ、コミック、LINEゲームなどの余興がすべてLINE Token Economyのサービスに置き換えられた場合、LINKの流通量は半端ないことになりそうです。
筆者は特にLINEゲームが好きなので、報酬でもらったLINKを、その日の気分によって好きなLINEゲームのゲーム内アイテムとして使って遊べるようになれると嬉しいです。
以下は、LINKの発行方法についての説明です。
Issuing method: Issued free of charge as reward for service contributors.
Note: There is no plan for an Initial Coin Offering引用元: LINE「LINK Whitepaper 」
何と、LINKはICOを行わず、サービス提供者の報酬としてLINKを無料で発行するそうです。
2018年現在は集金目的でICOを開催している詐欺ICOが多いため、仮想通貨の新規開発に関するイメージが悪い状況になっていますが、LINKは集金目的ではないことが明確になり好感がもてます。といっても開発費が十分にある大手だからこそなせる技。
LINKは今月(2018年9月)にLINEが運営するBITBOXという取引所に上場予定です。ご存知、日本人はLINEが好きで、国別シェアでも断トツの世界一を誇っています。なので、LINKが上場したら将来に期待して買う日本人は多いと思います。
しかし、残念なことに、BITBOXは日本居住者は利用することができません。海外居住者は日本人がLINKを買えるようになったときの爆上げを見越して仕込んでおくのもありだと思います。
⇒引用「BITBOX」
さらに、法律の影響で日本人はLINKを使うことができません。そこで、代わりに日本人には「LINK Point」というものを用意してくれるそうです。LINK Point は LINEポイントに交換してLINEサービスで利用可能。
。。(・□・)
ややこしいので、普通にLINKが使えるようになってくれないかな。