bitFlyer Lightning チャートのY軸を対数表示にする

2018年1月24日

本記事ではbitFlyer Lightningのチャートの「Y軸の対数表示」について説明します。

日常生活で対数を使う機会なんてそうそう無いですよね。学校で対数を学んだあとの人生で一度も対数を使ったことが無いという人もいるのではないでしょうか。

対数とは、

対数の例

のような式で表される数のことで、上記式は「2をX乗すれば16になる」ということを表現しています。対数の詳しい説明は他の専門サイトや参考書に譲ることにして、本サイトではY軸を対数表示に切り替えたときの変化に絞って説明します。

まずは、表示の変化を認識しやすくするための準備から行います。下図赤枠にマウスポインタを合わせると、下に計測間隔の時間一覧が表示されるので「1週間」を選択します。

bitFlyer Lightning 計測間隔を変更する

 

次に下図水色枠にマウスポインタを合わせると下にオーバーレイの設定項目が表示されます。グリッドにチェックを入れます。

bitFlyer Lightning オーバーレイ

 

チャートにグリッド線が表示されました。右端の目盛りを見ると分かるように、目盛りは等間隔に引かれていて、目盛りが1つ上がるごとに20万円ずつ増えています。このY軸は標準の表示形式です。

間隔と数値の増加はどこも同じ

 

Y軸を対数表示に変えてみましょう。下図赤枠にマウスポインタを合わせると、下にチャートスタイルの設定項目が表示されます。黄緑枠の対数にチェックを入れて切り替え完了です。

bitFlyer Lightning チャートスタイル

 

下図は対数表示のチャートです。

目盛りが1つ上がるごとに20万円増えるのは同じですが、目盛り間隔が上に行くほど狭くなっています。

bitFlyer Lightning Y軸の対数表示

 

下図はX軸、Y軸ともに目盛り間隔は一定になっていて、1目盛りごとに増加する数も同じグラフです。普段使う方眼紙ですね。これにY=X^2のグラフを描きました。Xが増えるほどY軸方向の高さがどんどん上がっていきます。

目盛りが等間隔のグラフ

 

高校の授業で対数を習ったときに、下図のような方眼紙にグラフを描いたことがあると思います。Y軸の目盛り間隔が段々狭くなって元の目盛り間隔に戻るのが繰り返される方眼紙です。

Y軸の目盛り間隔が元に戻ったときに、1目盛りごとに増加する数が大きくなります。これが対数グラフを描くためのもので、片対数グラフといいます。

グラフは先ほどと同じ Y=X^2 です。片対数グラフではY軸方向の勢いが鈍化していくような見た目になります。

片対数グラフ

 

で、対数表示は何に使えるの?

例えば、1ビットコインを40万円で購入してずっと保有し続けたとします。そして、1年おきにピッタリ40000円ずつ価格が上がっていったとします。こんなピッタリな上がり方はありえないですが、話を分かりやすくするためと考えて下さい。

購入 400000円
1年後 440000円
2年後 480000円
3年後 520000円
4年後 560000円
5年後 600000円
6年後 640000円
7年後 680000円
8年後 720000円
9年後 760000円

これを横軸が時間、縦軸が価格の標準グラフで表示すると下図になります。毎年同じ金額が増えて行っているので直線になります。

グラフ例

 

直線なので毎年同じ利回りで運用できているように見えますが、利回りの観点では1年後と9年後では違いがあります。

1年目の利回りは、元本40万円から4万円増えたので利回りは10%(=4万÷40万×100)。9年目の利回りは元本72万円から4万円増えたので利回りは5.6%(=4万÷72万×100)です。

つまり、上図のグラフでは毎年同じ利益率でどんどん伸びていっているように見えますが、利回りの観点では年々低下しているのです。

では片対数グラフを使うとどうなるでしょうか。結果は下図になります。価格の増加が年々鈍化している様子が分かります。このように、Y軸の対数表示はパーセンテージの増減の観点からグラフを眺めるのに適しています。

グラフ例

 

では、以下のように利回り10%ピッタリで運用できたときの片対数グラフがどうなるか見てみましょう。

購入 400000円
1年後 440000円 10%アップ
2年後 484000円 10%アップ
3年後 532400円 10%アップ
4年後 585640円 10%アップ
5年後 644204円 10%アップ
6年後 708624円 10%アップ
7年後 779486円 10%アップ
8年後 857435円 10%アップ
9年後 943179円 10%アップ

下図が結果です。このように、同じ利回りで運用できた場合の片対数グラフは一直線になります。

グラフ例

 

標準表示と対数表示を横にらみで比較してみましょう。

標準のほうは、価格が低い場所でのローソク足は短いものが多く、価格が高い場所でのローソク足は長いものが多くなっています。これは例えば、1万円からの短期的な価格変動は±1万円など小さいですが、40万円の価格変動はもっと大きくなることから想像しやすいです。

一方、対数表示にすると、価格が低い場所と高い場所でローソク足の長さにバランスがとれています。これは価格変動をパーセンテージで考えると、元本1万円、40万円も同じになることから想像できます。

このように、標準表示では価格の高いところと低いところ同時に眺めるときに低いところがちっちゃくて見づらいということがありますが、対数表示にすると、パーセンテージの変化という観点でY軸方向の上から下までバランスよくグラフを眺めることができるようになります。

Y軸の標準表示と対数表示を比較

 

ちなみに以下の動画のように、チャートを拡大して価格の幅があまりないところで標準表示と対数表示を切り替えてもほとんど表示は変わらないです。