最近、プライバシーコインの上昇が目立っています。
プライバシーコインは、送金時のアドレスや数量を分からなくすることでプライバシーを保護する暗号資産のことです。
2026年7月~8月の主要コインの上昇率は、1位ジーキャッシュ、2位モネロで、両方ともプライバシーコインです。
8月の上昇率は、1位ジーキャッシュ、2位HYPE、3位モネロ

ジーキャッシュなぜ上がった?
ジーキャッシュ(ZEC)は、今年6月に偽のZECを生成できる重大な脆弱性が見つかったことを発表し、1日で-60%暴落しました。
しかし、ZEC開発者はハッカーに不正発行される前にバグを修正して、実害は1枚も発生していないことを証明したことで信頼を回復し、ZEC価格の追い風になりました。
さらに、7月にグレイスケールがZcash ETF転換に向けたSEC書類を更新したことで、ETF上場期待が高まりZEC価格が大きく上昇しました。
Zcash ETFは2026年8月25日にNYSE Arcaに上場して取引が開始しています。
モネロなぜ上がった?
モネロ上昇の背景にあるのは、何と言っても「THORChain(ソーチェーン)」です。
THORChainは、異なるブロックチェーンの暗号資産を直接交換できる分散型クロスチェーンプロトコルです。
普通、ビットコインをイーサリアムに替えるには、中央集権取引所に送金して口座の中で売買します。
または、ビットコインをロックし、イーサリアムチェーン上にラップビットコインを発行してブリッジさせて、ラップドビットコインとイーサリアムを取引する方法もあります。
これらの方法は、会社を信用する必要があったり、本人確認が必要になったり、ブリッジなどの第三者プロトコルの脆弱性の可能性があったりなど、色々リスクがあります。
THORChainは、そのどちらでもありません。
ラップやブリッジなしで異なるブロックチェーンの現物同士を直接交換するシステムです。
例えば、自分のウォレットから現物のビットコインを送って、現物のイーサリアムを受け取ることができます。
口座開設も本人確認も不要です。
交換する仕組みは、コインごとの流動性プール(BTC/RUNE、ETH/RUNEなど)を用意して、スムーズかつ分散的な交換を実現しています。
例えば、ビットコインをイーサリアムに交換する場合、BTCをBTC/RUNEプールでRUNEに交換、そのRUNEをETH/RUNEプールでETHに交換、ユーザーに送金が自動で行われます。
そして、プライバシーコインのジーキャッシュとモネロがTHORChainに対応することが発表され、価格の追い風になっています。
プライバシーコインとの相性は?
プライバシーを大切にする人にとっては、THORChainとプライバシーコインはかなり相性が良いと言えます。
プライバシーコインは規制対応の理由から中央集権取引所に上場していないものが多いです。
ちなみに、その昔、日本ではジーキャッシュとモネロがコインチェックに上場していましたが2018年に上場廃止になりました。
ところがTHORChainなら、中央集権取引所に口座を作らなくても、ビットコイン→モネロのような交換を分散型プロトコルで安く一瞬でできます。
プライバシーコインをプライバシー機能を保ったまま、そのまま他の暗号資産と交換できる。これはプライバシーコインではかなり大きな利点です。
つまり、THORChainはプライバシーコインそのもののプライバシー技術を強化するものではありませんが、中央集権取引所で取り扱いが縮小する中、「プライバシーコインの入口・出口を分散化する」という意味で非常に相性が良いと思います。
Changellyでいいんじゃない?
Changellyは、暗号資産同士を簡単に交換できる中央集権サービスです。
交換したいコインと受け取りたいコインを指定し、指定されたアドレスにコインを送ると、交換後のコインが自分のウォレットへ送られてきます。
一見THORChainと似ていて、Changelly使えばいいじゃんとなりそうですが、中身がかなり違います。
Changellyは運営会社が、取引所からレートを集めて両替するサービスです。
ユーザーが送金した暗号資産は、交換が終わるまではChangelly側が資産を保有します。
また、少額なら本人確認なしで済むことも多い一方、金額が多い場合やプライバシーコイン、リスク判定にかかった場合は、後から本人確認が入り、送金が止まることがあります。
一方、THORChainは会社の窓口ではなく、ノードと流動性プールで動くプロトコルであり、本人確認を行ったり、身分証を求める窓口がありません。
使い分けるなら、手軽さや通貨の多さを取るならChangelly、現物の暗号資産を自己管理のまま替えたいならTHORChainです。
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