吉田慎也「億り愛プロジェクト」は最大年利300%を孫まで引き継げるシステム

2019年1月1日

 

評判の悪いプロジェクトを開催したことのある主催者が、何食わぬ顔をして新しいプロジェクトを開催しはじめることがあります。

それを見て「ネットで叩かれても登場し続けるということは、この人は本物だ。ネットで叩いている内容は嘘だ。」と思いこまないほうがいいです。

捕まらないことをいいことに活動を続けている人もいます。

最近登場した仮想通貨投資案件に「億り愛プロジェクト」がありますが、私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

また、本記事で使用している画像は、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。

引用文字列URL
億り愛プロジェクト LP1http://okuri-ai.jp/lp/nextico
億り愛プロジェクト セールス1http://okuri-ai.net/wp/ikejfa00/
ビットコインジャパンプロジェクトhttp://bitcoin-japan-project.jp
株式会社ループhttps://loop-fte.co.jp/company.html

億り愛プロジェクト
(引用元:億り愛プロジェクト セールス1)

 

特定商取引法に基づく表記より

項目内容
販売会社記載無し
メルマガ発行者(販売責任者)吉田 慎也
所在地記載無し
電話番号記載無し
メールアドレスcrypto.funding★okuri–ai.com

 

億り愛プロジェクトは、年利35%~700%の配当型のICOに参加できるプロジェクトです。

主催者は吉田慎也氏(よしだしんや)。仮想通貨関連のプロジェクト開催は4作目のベテランです。

(引用元:億り愛プロジェクト セールス1)

 

下表は、吉田慎也氏が過去に開催したプロジェクトの現在の状況です。プロジェクト名のリンクをクリックすると検証記事が開きます。

プロジェクト名状況
マイニングシェアバンククラウドマイニングによって月10~100万円の報酬を約束していたが1日数十円の配当報告のみ。
革命的コイン
(MINEコイン)
MINEコインの保有数に応じてマイニングの配当が貰えるICO。カードで決済すると決済額の2%のMINEコインが無料で貰える仕様のはずが、決済額の3.5%のMINEコインを購入させられる仕様に変更された。コインは未上場
second earth
(RHEMコイン)
バーチャルリアリティーの世界で使われるトークンのICO。VR銘柄が平均33倍価格を上げているという嘘を言って出資者を募る。コインは未上場

 

上記のように、吉田慎也氏が過去に開催したプロジェクトで結果を残したものは、まだありません。

インタビューアは馬場伸樹氏(ばばのぶき)。馬場氏は前回の吉田慎也プロジェクト「second earth」のインタビュアーも務めていました。

(引用元:ビットコインジャパンプロジェクト)

 

2018年8月28日に消費者庁が史上初となる仮想通貨詐欺の注意喚起を行い、「ビットコインジャパンプロジェクト(リード株式会社)」を名指しで指摘しました。

消費者庁 注意喚起
⇒引用:消費者庁「注意喚起

 

ビットコインジャパンプロジェクトは仮想通貨のマイニングで「毎月最低30万円受け取り続けることができる」と主催者の藤田真一氏が説明していましたが、藤田真一氏は実在しない架空の人物で、毎月30万円の話も嘘、約3800人が詐欺被害者となる詐欺プロジェクトに終わりました。

そのビットコインジャパンプロジェクトのインタビュアーは馬場氏が務めてました。

(引用元:ビットコインジャパンプロジェクト)

 

そして消費者庁の注意喚起の翌日に、吉田慎也氏が運営するLINE@をはじめ、馬場氏がインタビュアーを務めた複数の情報商材販売者のLINE@がLINE運営によって一斉に削除される事件がおきました。

この状況から、馬場氏がインタビュアーを務めたプロジェクトを開催した会社には何らかのつながりがあるのは明らかです。

吉田慎也氏のプロジェクトは、すべてLoopアフィリエイトセンターから公開されていて、Loopアフィリエイトセンターの代表取締役社長は「佐藤明日香」と記載されています。

株式会社ループ 会社概要
(引用元:株式会社ループ)

 

一方、ビットコインジャパンプロジェクトもLoopアフィリエイトセンターから公開されていて、販売会社である株式会社リードの代表取締役は平成28年7月~平成30年1月まで「佐藤 明日香」が務めています。

上記の状況を考慮すると、億り愛プロジェクトの会社と、ビットコインジャパンプロジェクトの会社は密接につながっている可能性が極めて高いと考えられるので、プロジェクトへの参加は慎重に検討する必要があります。

ちなみに、億り愛プロジェクトで馬場氏が向かったビルは「新宿アイランドタワー」です。

以下の画像は動画開始時に馬場氏が立っていた場所です。

 

新宿アイランドタワーの前にはLOVEオブジェがあります。電車男やGTOなど色々なドラマのロケに使われています。

もしかして、「億り愛」という言葉はLOVEオブジェを見て思いついたのでは。。

新宿アイランドタワー LOVEオブジェ
⇒引用元:Google「LOVEオブジェ

 

億り愛プロジェクトの内容に入ります。

このプロジェクトは今までのICOとは違う、新しいタイプのICOに参加できるプロジェクトです。吉田慎也氏はこの新しいICOを、クラウドファンディングの進化形として「クリプトファンディング(ICO 2.0)」と名付けました。

クラウドファンディングとは、インターネットを使って目標実現のための資金援助を行うことをいいます。

下表は吉田慎也氏が説明した現在のICOの特徴です。

No特徴
1トークンの価値が担保されていない
2事業投資の回収期間が長い
3配当がつかない
4価格割れが起きやすい設定
5プロジェクトの失敗に対する保証がない
6投資者のみの恩恵

 

下表は、吉田慎也が説明したICO 2.0の特徴です。

No特徴
1トークンの価値が担保されている
2コンテンツに投資をするので結果が早い
3配当がつく
4トークンの設計がしっかりしているので価格割れが起きにくい
5失敗に対する保証がある
6投資者の家族、身内にも恩恵がある

 

ICO 2.0の特徴について、論理的におかしい点について説明します。

まず、ICO 2.0のトークンの価値が担保されている理由について吉田慎也氏は以下のように説明しました。

(引用元:億り愛プロジェクト セールス1)

 

「配当があるから価値が担保されている、価値の裏付けがある」と説明しましたが、投資先の事業がうまくいかなかった場合は配当をもらうことはできなくなるので、担保されているという話は嘘です。

担保とは、未来に発生するかもしれない不利益に対して、それを補うことを保証することをいいます。事業が倒れて配当が無くなりコインが無価値になっても、別のもので穴埋めできるものでなくては担保になりません。

次に「ICO2.0は事業に投資するのではなく、コンテンツに投資をする」について吉田慎也氏は以下の動画のように説明しました。

(引用元:億り愛プロジェクト セールス1)

 

吉田慎也氏はハリウッド映画のスターウォーズとハリーポッターをコンテンツ投資の例として挙げましたが、映画はヒット作ばかりでなく、多額の制作費を使ってもヒットせずに終わる映画が多いです。

コンテンツに投資をして、それがつまらない売れない映画になったらどうなるでしょうか。売上が立たず年利配当35%どころか、何も配当されずに終わることでしょう。

そもそも、ICOでお金を集めて、出資者に永久年利35%~700%を払い続けようとする映画の制作会社がいるだろうか。そんな会社はいません。消費者金融でお金を借りても年利15%の時代です。映画の製作費が足りないのであれば、別の手段で資金調達することでしょう。

次に、失敗に対する保証について、吉田慎也氏は以下の動画のように説明しました。

(引用元:億り愛プロジェクト セールス1)

 

失敗した場合は、投資金が返ってくると説明しましたが、返金する財源はどこにあるのでしょう。

ICOでお金を集める理由は、プロジェクトを進めるためのお金が足りないからです。コンテンツの制作費は投資家から集めたお金を使って行われるので、コンテンツが失敗に終わった段階では投資家に全額返金するお金など余っていない可能性が高いです。

そもそも、コンテンツが失敗して全額返金できる体力があるのであれば、年利35%~700%も払わなければならないお金など集めずに、最初から持っているお金を使ってコンテンツを制作することでしょう。

よって、ICO2.0の「失敗に対する保証がある」という話は嘘である可能性が高いです。

以上、億り愛プロジェクトの検証結果です。

このプロジェクトは相手を思いやる「愛」を前面に出したプロジェクトですが、過去のプロジェクトの被害者や、サポートに連絡しても無視されて困っているICO参加者への「愛」はどこにあるのだろうか。

億り愛