機関投資家の技「見せ板」の手法

2018年7月7日

本記事では「見せ板」について説明します。記事の最後に対策ツールを置いたので、良かったら使って下さい。

まず「板」とは現在の売り注文、買い注文の一覧を表示したものです。上半分が売り注文、真ん中が最終取引価格、下半分が買い注文を表しています。

bitFlyer Lightningではチャートと注文入力の間に「板」が表示されています。「板」に表示されている注文数量と価格は目まぐるしく変わるので、チャートを見ずに、板だけを見て売買タイミングを計るのは至難の業です。

筆者の板を読むテクニックもまだまだですが、株の世界では板を読むのが上手くなるとデイトレードの勝率が上がります。

見せ板

 

株取引の世界では、「見せ板」という技を使って他の投資家たちの注文を促す機関投資家が現れることがあります。ちなみに、個人投資家が「見せ板」を使うのは法律で禁止されています。

「見せ板」とはどんなものなのかを例え話で見てみましょう。

問題です。あなたはこれから売り、買いどちらかのポジションを取ろうと考えています。板を見ると下図のようになっていました。板を見てあなたはどのように考え、「売り」「買い」どちらのポジションを取るかじっくり考えてみて下さい。

見せ板の例

 

「うわ、買い注文がめっちゃある!これだけ分厚い壁があるなら312万0135円よりは下がらない。むしろ買い圧力で上がるはずだ。ここは買いポジションを取ろう。」と思った人が多かっただろうと思います。

そう思った人が多い場合、価格は必然的に上がっていきます。上がると思った人の買いの成行注文がたくさん出されて価格が上がっていくイメージです。

価格が上がったところで、機関投資家が売って利益確定します。

機関投資家の売り

 

そして、分厚い壁の買い注文が、約定することなく突如消えます。。

板の注文が消える

 

なぜ、買い注文が消えたか分かったでしょうか。そうです、買い注文は実際に買おうと思って出した注文ではなく、価格を釣り上げるために出した注文なのです。これが「見せ板」という技です。売りの「見せ板」は買いと逆なので、あとで想像してみて下さい。

つまり、機関投資家は利確したい目標価格があり、そこまで価格を移動するために「見せ板」を使うということです。注文が消えたあと価格が上がるか下がるかは分かりませんが、機関投資家はすでに利確したあとなので、彼らにとってはどっちでもいいことです。

私たち個人投資家は「見せ板」は法律で禁じられていますが、普通の人はそんなにたくさん注文出せないですよね。。

ちなみに、先月の板を見た私の個人的な感想は、大口の注文が突如現れたと思ったら消えたいうことが結構ありました。しかし、それが見せ板として機能していたかというとそうでもありませんでした。厚い壁だろうが何だろうが、ぶち破って上昇していくビットコインがかっこよかったです。

もちろん、本当に買おうと思って注文した大口の買いの場合もある。というか、普通の注文のほうが多いと思いますが、機関投資家の参入が増えつつある2017年12月現在、このようなことが狙われることが今後発生する可能性があることを覚えておきましょう。

 

そう言われても、板の動きが速すぎてよく分からないよ

たしかに、板に表示されている価格の範囲は狭いし、価格や数量がめまぐるしく変化するので、どのあたりにどれくらいの大量発注があるのか分かりづらいし、大量発注が入ったときも気が付きにくいですね。

ちなみに、以下の動画のように「三」マークをクリックすると、注文をある程度まとめて表示できます。それで、ある程度見やすくなりましたが、何となく見にくい気がします。

 

そこで、役に立つかどうかはわかりませんが、bitFlyer Lightning(BTC-FX)の注文の価格帯ごとの発注数量を1秒間隔で表示するツールを作りました。

例えば、「220万5000円 13」と表示されている場合は、220万5000円~220万5999円の中に13 BTCの注文があることを表しています。

警報を鳴らすボタンを押すと、価格帯ごとの発注数量が閾値を超えた場合に警報が鳴るので、表をずっと眺めている必要はなくなります。

これを使うことで、どの価格帯に大口の注文がどのくらい入っているのかを見つけやすくなります。大きな壁とぶつかったあとの価格の動きを見たり、作戦を練るときに利用して下さい。

【20180601 追記】
見せ板検知ツールは使い勝手がよくないので停止しました。