ポール・アトキンスSEC新委員長の暗号資産規制まとめ
SECの前委員長のゲイリーゲンスラー氏は、暗号資産に厳しいおやっさんでした。
あらゆる暗号資産を証券として分類し、多くのプロジェクトに対してSECの登録義務を課し、提訴や制裁措置を通じて中央集権的な監督強化を推進していました。
そのため、ゲンスラー氏は業界から敵対的、過剰規制だと批判されることが多々ありました。
人柄はとても礼儀正しく、良い人です。

トランプ大統領はSECのゲンスラー委員長を解任し、2025年4月にSECの委員長がポール・アトキンス氏に代わりました。
ポール・アトキンス氏は、暗号資産支持派かつ、規制緩和派・自由市場派として知られています。
そのため、暗号資産業界に対するSECの姿勢に、大きな方向転換と規制緩和の可能性があると考えられています。

そこでこのページでは、ポールSECの暗号資産の規制に関する大きな出来事があり次第、追記していきます。
(2025.4.22)就任式
SEC委員長の就任式でアトキンス氏は、デジタル資産に関する明確なルール作りを最優先事項とし、アメリカ経済の発展に貢献する決意を表明しました。
私の委員長職における最優先事項は、合理的で一貫性があり、原則に基づいたアプローチを通じて、デジタル資産のための確固たる規制基盤を提供することです。
私たちは、米国が投資とビジネスを行う上で世界で最も優れ、最も安全な場所となるよう努めます。
ウエダ氏が重要な提案(2025.4.28)
SECのウエダ元委員長代理が、暗号資産を安全に預けられる会社を増やす提案をしました。
「SECは州認可の特定目的信託会社を、暗号資産の適格カストディアン(信託受託者)として認めることを検討すべき」
今までのSECは暗号資産のカストディ(保管)について消極的で、連邦認可の銀行、一部の大手証券会社など、ごく一部の伝統的金融機関に限られていました。
州レベルで認可された暗号資産向けの信託会社がカストディを担うことは、SECのルール上かなりグレーゾーンでした。
それを今回ウエダ氏は、認めてもいいじゃないかと提案しました。
機関投資家(例、ファンド、投資顧問会社、年金基金など)は、SECのカストディルール(アドバイザーズ法など)に従う必要があり、この法律では機関投資家は顧客資産を適格カストディアンに合付けないといけないと定められています。
州認可のカストディアンはグレー扱いされることもあり、大手機関投資家は預けたがりませんでしたが、SECが正式に州認可の特定目的信託銀行と適格カストディアンとして認めると、機関投資家が安全に「顧客資産」を暗号資産の形で保有・運用できる道が広がることになります。
機関投資家の参入を後押しする重要な提案です。