買った価格から利確価格と損切り価格までの幅をいくらにするのが勝率が高いのかをデータ検証

本記事では利食いと損切りの設定と勝率についての話をします。

短期トレードにおいて重要なのは、利食いと損切りのルールを守ることと言われています。

理由は、利食いも損切りもしなかった場合、もし買った価格より価格が大きく下がっていくと損切りする気も起きず塩漬け状態になってしまうことがあるからです。これは短期で投資金を回して稼ぎたいトレーダーにとってはパフォーマンスの低下につながります。

塩漬け

 

適切なところで利益確定ができれば資産を増やすことができるし、逆に、適切なところで損切りができれば想定以上の損失を防止することができます。

しかし、ここが天井だと思って利確したけど、その後もどんどん上がっていくのを黙って見るはめになることがあります。

利確したあとも価格が上がっていく

 

逆に、これ以上の損失は耐えられないと思って損切りしたあとにトレンドが反転して価格が上がっていって黙って見るはめになることもあります。

損切りしたあとに反転

 

このような経験をするうちに、利確と損切りのルールに迷いが生じて「まだ上がるかも知れないから利確せずに様子見」「ここが底のはずだから損切りせずに耐えよう」のようにルールを破りはじめます。そして価格が大きく下がって塩漬け状態となります。

仮想通貨取引はボラティリティが巨大のため、レバレッジ取引で急激な価格変動を黙って見ていると強制ロスカットされる危険があります。また、レバレッジ取引は日をまたいでポジションを持つとスプレッドが取られるので、塩漬けには向いていません。

よって、レバレッジ取引は利確と損切りのルールを守って、短期勝負にしたほうが安全です。

そこで考えるのが「利確と損切りをどこにおけばいいのか?」です。

人は過去の経験をもとに未来の予想をします。「この前ここまで価格が動いたんだから今回も同じところまでいくのではないか。」と考える人が多いので、直近の高値や安値に意識がいき、そこに買いが集まってトレンドが反転しやすくなります。

意識されやすい価格

 

価格の動きが上昇トレンドや下降トレンドであれば、波に沿って斜めにラインを引き、そのラインを突き破ったときに損切りする場合もあります。

トレンドライン

 

上記のように過去の高値、安値をもとに利確と損切りの価格を決めるのものありですが、本記事では過去の高値、安値にはとらわれずに「買値+X円で利益確定」「買い値-X円で損切り」という一定のルールにしたがって機械的にトレードした場合、Xをいくらにするのが一番利益が出やすいのかを過去データをもとに調査します

利用するデータは2017年11月3日から2018年3月8日までのbitFlyer FXの30分ローソク足6000本です。
⇒「標本データ

すべてのローソク足の終値で買うと同時に、利確の指値売りと、損切りの逆指値売りを発注した場合の利確、損切りで終わった回数を集計します。

例えば、利確、損切りの幅を5万円とした場合の具体例を見てみましょう。下図①のローソク足の終値119万円1290円で買った場合、②のローソク足で利確になり利確回数にカウントします。

 

下図③のローソク足の終値120万円6782円で買った場合、利確ポイントまで届かずにトレンドが反転し④のローソク足で損切りとなったので損切り回数にカウントします。

損切りで終わる例

 

下表が検証結果です。

1つのローソク足が利確、損切りの両方に接触したものは利確回数、損切り回数の両方にカウントしています。そのため、合計が6000回より多くなっているケースがあります。

また、データの最後のほうになると利確も損切りも発生せずに終わることが多いので、合計は6000回よりも少なくなります。

 

3万円~10万円の幅は54%前後の利確率となりました。さらに幅を大きくしていくと、徐々に利確率が下がっていき16万円~18万円で50%を切りました。

19万円以上になると今度は幅を増やすほど利確率が上がっていき、27万円~44万円では最大利確率の58%台となりました。

幅を大きくすればするほど利確率が上がるのかと思いきや、45万円以降は幅を大きくするほどどんどん利確率は下がっていき、100万円の幅にすると利確率は40%にまで落ち込みました。

上記結果から言えることは、「買いで入るときの勝率を上げたいなら利確と損切り幅は27万円~44万円あたりに設定するのが良い。また、60万円以上の幅はやめたほうがいい。」になります。しかし、短期トレードで27万円下がって損切りって遅すぎですね。。っていうか、27万円も下がったら損切りしたくなくなります。

上記検証は利確幅と損切り幅を同じにした検証ですが、下図のように、利確幅と損切り幅の合計が同じ20万でも、利確幅のほうを大きくしたり、損切り幅のほうを大きくした場合はどのような結果になるのか気になったので、少し検証してみました。

利確幅と損切り幅を調整する

 

下表がその結果です。

 

利確幅を大きくした場合、利確ポイントまで辿り着きづらくなるので利確率が大幅に下がりました。一方、利確幅を小さくした場合は利確率が大幅に高くなりました。

注目なのは利確と損切りが生み出す利益の違いです。仮に、すべての買いで1ビットコインを買ったと仮定し、「利確幅×利確回数 - 損切り幅×損切り回数」の計算で利益を算出すると、利確幅と損切り幅が同じ場合は4250万円の利益、利確幅を大きくした場合は1億850万円の利益、利確幅を小さくした場合は3040万円の損失という大きな違いになりました。

利確幅を大きくすると損切り回数がかなり多いものの、最終的な利益は一番高くなったのです。ただし、損切り回数が多いほど元本が減っていくので、元本を回したと仮定した場合の結果はここまで大きな差にはなりません。

この結果から考えられることは、利食いはこまめにするけど、損失は大きくなるまで損切りしないトレードは負ける可能性が高い。一方、小さな負けを何回も繰り返しながら、大きな利確を目指していくトレードは勝てる可能性が高いことです。

機械的にトレードしただけでもこれだけの差が出たことに驚きです。今後も検証してこの事実を明確にする必要がありそうです。