3月4日の国会審議で、高市早苗首相の名前を冠した暗号資産「サナエトークン」をめぐり、国会で政府の見解が示されました。
中道・伊佐議員の質問に対し、金融庁と片山さつき財務大臣が、現時点の政府の認識と法的解釈を明らかにしました。
伊佐議員によると、サナエトークンの発行者側は
・高市首相のお墨付きを得ているかのような宣伝
・高市側とコミュニケーションを取っているという発言
などを行い、一時は価格が暴騰して数十億円規模の価値になったことが伝えられました。
しかしその後、高市首相はXで「全く知らない」「承認を与えたものではない」と関与を否定。これを受けてトークン価格は急落したとされています。
発行者がコミュニケーションを取っているとされる組織は「チームさなえで日本を変える」という後援団体です。
後援団体の説明によると、サナエトークンは国民の意見を政策に反映する「ブロードリスニング」。デジタルで意見を集め、良い意見を出した人にポイントを付与するといった仕組みと聞いたけど、実際にはブロードリスニング前に暗号資産としてトークンが発行されていたため、後援団体は「聞いていない話だった」と説明しています。
サナエトークンは違法なのか?金融庁の国会答弁
以下は伊佐議員の質問と、金融庁の回答です。
【伊佐議員】
サナエトークン発行者は暗号資産交換業者として登録しているのか
【金融庁】
金融庁が登録している暗号資産交換業者28社の中で、当該トークンを取り扱っている事業者は存在しない。
【伊佐議員】
どういう要件を満たせば、業として行っているといえるのか
【金融庁】
自社発行のトークンであっても、日本居住者を対象に販売を行う場合は暗号資産交換業に該当する。
事務ガイドラインにおいて、暗号資産交換業の業として行っているかどうかは、反復継続性や対公衆性を踏まえ、個別事例ごとに判断するとしている。
【伊佐議員】
今回のサナエトークンの一件で、主催者あるいは関係者を罪に問うことはできるのか
【金融庁】
個別の事例については回答を差し控える。一般論としては、金融中は各種事案について実態把握にもとづき、利用者保護の観点から適切に対応する。
【伊佐議員】
罰則はどのようなかたちになっているのか
【金融庁】
無登録で暗号資産交換業を行った場合は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金
サナエトークンについて片山大臣の国会答弁
片山さつき財務大臣は、自身の記者会見やSNSを通じて高市首相の無関係性を発信したと説明しました。
現時点で具体的な被害届は金融庁に届いていないとしながらも、違反があれば適切に対応する考えを示しました。
また、サナエトークン発行者(NoBorder DAO)が以下の内容を公表をしたことにも言及しました。
①トークン保有者への補償の実施
②名称変更およびプロジェクトの見直し
③有識者による検証委員会の設置・再発防止策の構築
以上が、国会で議論されたサナエトークン問題の主な内容です。
高市首相の後援団体「チームさなえで日本を変える」がサナエトークンを暗号資産と知らずに紹介したという説明は本当でしょうか。
Xに投稿された後援団体(Veanas社)の登記簿謄本には、目的として「投資及びそれに関するコンサルティング業務」と記載されています。
投資に関する業務を行う会社であれば、「〇〇トークン」と聞いたら、ふつー暗号資産だと連想するんでないか。

今後の焦点は、発行者による補償が実際に行われるのか、虚偽の情報に基づいた勧誘が「詐欺罪」等の刑事罰に該当するのかです。
詐欺プロジェクトでよくあるパターンは、補償をうたいながら、免許証や公共料金領収書など個人情報の提出を求めたあと、補償を行わずに消滅するケースも過去にあります。
サナエトークンの全体像は以下の記事でまとめているので参考にして下さい。


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