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クラリティ法案の成立待たず、SECが暗号資産新ルールを提案

クラリティ法案がなかなか決まりません。

2025年7月:下院を通過

2026年5月:上院銀行委員会を通過

一見順調にステップを踏んできましたが、7月に公開された修正版を巡り、議会内での調整が難航しています。

8月の夏季休暇前の採決は見送られ、審議は9月以降に持ち越しされることになりました。

なぜ遅れている?

ステーブルコインの利回り。DeFi開発者の扱い。銀行業界からの反発。公職者による暗号資産発行の倫理規定などで話がまとまらないからです。

ちなみに、トランプ大統領の任期中のみ「大統領夫妻などの独自トークン商売を禁止」という規制が盛り込まれているのがクラリティ法案の一番面白い箇所です。

政権側は9月中の成立を目指し交渉を続けていますが、スケジュール的に厳しい状況です。

そんな中、クラリティ法の成立を待たず、米国証券取引委員会のSECが独自の暗号資産のルールを提案しました。

引用:SEC

SECの目的は何?

発表資料の背景を要約すると、暗号資産市場は大きくなったのに、SECのルールが昔のままで使いにくいから暗号資産向けの専用ルールを作ろうです。

既存ルールは暗号資産という新しい資産クラスの特徴に合わせて十分に調整されていないため、

・トークンをどう発行すれば合法なのか
・どんな情報を開示すれば合法なのか
・どのような取引でSEC登録が必要なのか

といった判断が複雑になり、企業の資金調達やサービス開発を妨げる可能性があるとSECは考えています。

米国のルールが複雑で使いにくいと「海外でトークンを発行しよう」という企業が増え、投資家の選択肢が減り、海外市場を使わざるを得なくなる問題が生じる。

そこでSECは2026年3月に「連邦証券法を暗号資産にどう適用するのか」について解釈を明確化する文書を公表しました。

SECはこの取り組みについて、議会が進めているクラリティ法案と補完関係にあると説明しています。

この3月の解釈を一歩進めたのが今回発表した「Regulation Crypto Assets」です。

目的は、

暗号資産プロジェクトが米国内で資金調達しやすくする

暗号資産のイノベーションを阻害しない

投資家保護は維持する

この3つを同時に実現することです。

SECの暗号資産ルールは以下の4つの柱でできています。

①スタートアップ登録免除

暗号資産プロジェクトの立ち上げ初期から、通常のSEC登録を全部こなさないと資金調達できないルールは、資金調達や開発の妨げになります。

そこで最長4年、最大500万ドル(約8億円)を通常の証券登録なしで資金調達できるようにする制度です。

この制度を利用できるのは原則1回限りで、開始と終了時に届出が必要です。

また、期間中も投資家に必要な情報を開示する必要があり、詐欺や相場操縦規制は免除されません。

②資金調達登録免除

ある程度成長した暗号資産プロジェクトが、通常の証券登録をせずに、より大きな金額を資金調達できる制度です。

資金調達規模は2段階に分かれています。

Tier 1 = 12カ月間で最大2000万ドル(約32億円)
Tier 2 = 12カ月間で最大7500万ドル(約120億円)

プロジェクトの財務状況を報告するなどの情報開示義務があります。

③投資契約セーフハーバー

最初は投資契約として証券規制の対象となった暗号資産でも、以下の条件を満たせば投資契約は終了したとする制度です。

・発行体が投資家に約束していた重要な開発・運営の努力を完了している
・今後、新たに重要な努力を約束する予定がない
・条件を満たしたことをSECへ届け出る

条件を満たした暗号資産は証券として扱われなくなります。

④ 州証券法の登録要求を一部排除

州ごとに異なる証券登録を求められられないようにする制度です。

アメリカでは連邦の証券法だけでなく州ごとの証券法もあるため、複数の州で販売する場合、州ごとの登録や資格が必要になることがあり、それが企業の大きな負担になります。

そこで、SECの暗号資産ルールの条件を満たして発行された暗号資産は、州法の登録や資格要件を排除する仕組みを設けます。

これにより、州ごとに証券登録する負担が減り、米国内で販売・流通しやすくするします。

以上がSECの暗号資産ルールの4つの柱です。

個人的な感想としては、CLARITY法案に書かれている大枠を、SECが既存権限で実際に使える制度へ煮詰めてきたという印象です。

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