シェアコイン(SHARE)はアップル、グーグルに次ぐストアを開発する100倍ICO

2019年1月7日

 

社名を言うと在籍していなかったことばれる。100倍確定を宣言すると投資家でないことがばれる。過去に開発した商品の名前を言うと無関係であることがばれる。詐欺師は、嘘がばれないために、どこをボカすか考えるのに大変なことでしょう。

最近登場した仮想通貨投資案件に「SHAREプロジェクト」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトや家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。加筆、修正などは一切行っていません。

(引用元:http://cryptoasp.net/movie/chap1/)

 

このプロジェクトは2018年の最大級となるICOに参加できるプロジェクトです。今回は「100倍確定」とは言わずに「100倍になる可能性が最も高い」というぼかした感じの表現になっています。これなら100倍にならなくても言い逃れできます。

また、「2018年7月7日上場確定!」と記載されていますが、上場先の取引所名は明かしませんでした。別のプロジェクトで「BINANCE上場確定」のように取引所名まで宣言して嘘がバレてしまった反省点を踏まえたぼかしでしょうか。

主催者は金森力氏(かなもりりき)。日本の大手金融システムの開発やフィンランドでのアプリ開発など、システムエンジニアとして20年以上働いてきた人だそうです。

 

今回の主催者も詐欺プロジェクトでよくある自己紹介になっています。それは、

社名やグループ名を言わない。

です。

金森力氏はフィンランドで勤務していたときに200を超えるアプリ開発のプロジェクトに携わり、その中には数百万人に使われたアプリがあると動画で言っていました。それほど輝かしい実績があるのであれば、堂々と自分が所属している社名を言って信用力を高めるはず。社名を言えない理由があると考えます。

次に、金森力氏の情報がネットにあるか調べてみました。金森力のローマ字スペルは

「riki kanamori」です。

SHAREプロジェクト

 

「"riki kanamori"」でGoogleシークレット検索してみたところ、25件ヒットしましたが金森力氏の情報は今回のプロジェクト以外何一つ見つかりませんでした。「"riki kanemori"」「"riki kinmori"」も同じです。

よって、金森力氏は偽名を使ってこのプロジェクトに登場したか、または、今までまったく表舞台に出ない人生を送ってきたということになります。

SHAREプロジェクト Google検索結果

 

金森力氏は、国連からWorld Summit Awards(WSA)を受賞したと動画で説明しています。

World Summit Awardsとは、2003年にオーストラリア政府が始めた授賞式で、主にインターネットを利用した革新的なコンテンツやコンセプトを持つアプリケーションを賞賛する式典です。

動画では、証拠として授賞式の写真を2枚見せました。

下図は1枚目の写真です。後ろの壁に「2016」と表示されているので2016年の授賞式であることが分かります。右側の3人は顔が白くなっていてよく見えませんが、おそらく左から2番目の眼鏡をかけた人が金森力氏と思われます。

 

下図は2枚目の写真です。授賞された人が集まった集合写真であることが分かります。画像がぼやけてよく見えません。

 

実は、この2枚の写真はネットに公開されている写真です。以下の画像が公開されているものです。1枚目は解像度が低いです。


⇒引用元「World Summit Awards

 

下図は2枚目の写真です。くっきり見えますが、金森力氏はどこにもみあたりません。


⇒引用元「World Summit Awards

 

1枚目の写真におかしな点があったのにきがつきましたでしょうか。縦に並べて見比べてみましょう。左から2番目の人の顔を見比べて下さい。

 

顔を並べてみましょう。そうです。左側は金森力氏の顔ですが、ネットに公開されている画像と明らかに髪型が違います。つまり、証拠画像の写真はネットに公開されているWorld Summit Awardsの写真に金森力氏の顔を貼り付けたコラ画像ということです。


⇒引用元「World Summit Awards

 

ちなみに、以下の画像はネットに公開されている別の画像(高解像度)です。金森力氏はいません。

国連にWorld Summit Awards 2016で金森力氏が受賞者リストに載っているのか問い合わせようかと思いましたが、コラ画像の時点でWorld Summit Awardsは嘘といえるので見送ります。
⇒「国連広報センター 問い合わせ


⇒引用元「World Summit Awards

 

金森力氏は、1 ETH 26円のときに200万円ぶんのイーサリアムを購入し、現在74461 ETHを保有している証拠画像を見せました。現在のレートは1 ETH = 約8万円なので、資産は約59億円になります。

ブラウザのアドレスの左に駐禁マークのようなものが表示されているのが気になりますが、ぼやけてよく見えないので深く考えずに進みます。

 

音を意識しながら以下の動画を観て下さい。

 

常に「スー…」というノイズ音が入っています。ビデオの画素数が少なく、光も弱いため画面がぼやけて見えます。このことから、あまり高性能なビデオを使っていないことが分かります。もしかすると、一昔前の家庭用ビデオで撮影したのかも知れません。

本当に金森力氏が資産59億円を持っているなら、「2018年の最大級ICO」をうたう紹介ビデオに、古い機材を使って撮影するでしょうか。

これほどの資産家なら、何も躊躇せずに数百万くらいさっと現金化して最新の機材を揃えて撮影するはずです。古い機材を使って音も画質も悪いセールス動画を流すことに何のメリットもありません。ゆえに、金森力氏が59億円の資産家である話は嘘の可能性があります。

このプロジェクトは上場日がすでに決まっていて、アプリもプロダクトもコインも完成していると動画で説明しています。

同じようなセールスポイントをうたった過去のプロジェクトにFINAL ICOがあります。

FINAL ICOもアプリもコインもすでに完成していて、BINANCEに2018年5月30日に上場することも決まっていると言っていましたが、結局BINANCEへは上場せず、海外取引所のHitBTCがNEMベースのコインに対応していないという理由で、NEMベースのコインをイーサリアムベースのコインにすげかえるという謎な行動をしています。

下図はFINAL ICOのトップ画面

 

下図はSHAREプロジェクトのトップ画面。同じ人が作ったのだろうか。

 

SHAREプロジェクトはフィンランドのアプリ開発会社「MaaS GLOBAL」と一緒に開発を進めていると、金森力氏は説明しました。

MaaS GLOBALはフィンランドのベンチャー企業です。2017年に自動車メーカーのデンソーがMaaS GLOBALに数億円の出資を行ったので話題となりました。
⇒外部サイト「MaaS GLOBAL

本当に共同でアプリを開発しているのかMaaS GLOBALにメールで問い合わせてみました。このような質問は無視されて終わることが大半ですが、期待しないで待つことにします。動画で出てきた唯一の企業名なので、ひょっとすると繋がりがあるのかも知れませんね。もし返信がきたら追記します。

【20180523 追記】
MaaS GLOBALの公式ツイッターアカウントが金森力(Riki Kanamori)のことを知らないと言いました。Maruiさん、情報ありがとうございます。

 

提携企業について、金森力氏は以下の動画のように言いました。

 

何と、このプロジェクトは既に3000社以上と提携済みだそうです。3000社って半端ないですね。

そんなに多くの企業と提携した巨大プロジェクトが、よく今まで誰にもバレずにアプリ完成まで持ってこれたものです。情報セキュリティ万全ですね。

次に、金森力氏はこのプロジェクトのアプリでできることを以下の動画のように言いました。

 

スマホのアプリでゲームをしたり、音楽を聴いたり、本を読んだりするときはお金を払って楽しむのが普通ですが、このアプリを使うと逆にお金がもらえるようになると証言しています。

そんな夢のようなアプリがあればノーベル賞ものですが、この話は経済の仕組みを無視しています。

経済は、サービスを受ける側がサービスを提供する側にお金を払うことで成り立っています。つまり、誰かがお金を払わなければならないということです。

サービスを受ける側が逆にお金をもらえるようになったら、お金を払う人が誰もいなくなり経済が成り立たなくなります。音楽やゲームを作る側がお金を払ってサービスを提供することもありえません。よって、このシステムは実現しない可能性が高いです。

ちなみに、ネットサービスのマネタイズに使われる広告は、いっけん誰もお金を支払わずにお金が増える仕組みに見えますが、広告主がお金を払っています。

以上、SHAREプロジェクトの検証結果です。

社名、アプリ名、上場先のほかに動画までボカシがかかっているプロジェクトでした。

サウナで会話したような気分です。