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米財務省が国債の買い戻し上限倍増を発表、ビットコイン急騰

2026年8月19日、米財務省が長期国債の買い戻し規模を拡大すると発表しました。

現在の1件あたりの上限は20億ドルに対し、今後は「少なくとも40億ドル」にします。

倍増

米財務省の長期国債の買い戻し上限倍増の発表内容
引用:米財務省

この発表直後に、ビットコインの価格は+7.5%急騰しました。

米財務省が長期国債の買い戻し上限倍増を発表した直後のビットコインの1時間足チャート

国債買い戻しプログラムとは?

国債買い戻しプログラムとは、米財務省が市場に出回っている米国債を投資家から買い戻す制度です。

主な目的は、取引が少なくなった古い国債を買い戻して市場の流動性を高めることです。

一見すると、財務省が国債を買って市場から国債を減らすと、逆に流動性は低下するのでは?と思いそうです。

流動性で重要なのは「売りたいときに価格を大きく崩さずに売れるか」です。

例えば、取引が少なく、なかなか買い手がつかない古い国債があったとします。

証券会社は「これを買うと、あとで売れなくなるかも知れない」と考えて、取引そのものに消極的になります。

そこで財務省は「古い国債を定期的に買います」と言って買い手になります。

すると市場参加者は「最悪でも財務省の国債買い戻しプログラムで売れる」と考えて、古い国債を売買しやすくなります。

ただし財務省が買いまくって市場に残る国債が少なくなり過ぎると、その国債自体の取引が成立しづらくなるので、財務省は需要が強い国債は買い戻し対象から外しています。

国債買い戻しはいつから始まった?

米財務省が国債買い戻しを最初に実施したのは200年以上前の1790年です。

その後も財政黒字の時期などに断続的に買い戻しを実施していました。

しかし、1929年の世界恐慌によって税収が激減、景気対策の支出が増えて政府が財政赤字に転落し、国債を買い戻す余裕がなくなりました。

赤字は拡大し、政府自身が新たに国債を発行してお金を借りる必要があるという状況になりました。

政府が国債を発行してお金を借りながら、そのお金で国債を市場から買い戻すのはそれほど意味はありません。

そのため、財政黒字を背景に行われていた国債買い戻し政策は1930年を最後に途絶えました。

国債買い戻しはいつ復活した?

2000年3月、米財務省は70年ぶりに「国債買い戻しプラグラム」を再開しました。

買い戻しをする理由は、ITバブルによる好景気から大きな財政黒字を記録したためです。

財政黒字によって新規国債の発行量を減少させると、国債の流動性が停滞してしまうため、古い国債を買い戻して消化し、新規国債の発行規模を維持することが狙いです。

2000年3月から2002年4月までに月2回、計45回の買い戻しを実施し、総額675億ドルの国債を買い戻しています。

買い戻し1回あたりの上限額は平均15億ドル

それに対し平均62億ドルの応募があったので、応募倍率は平均4.2倍です。

2000年から2002年までの米財務省による国債買い戻しプログラムの上限金額と応募金額の推移

しかし、2001年に入るとITバブルの崩壊で景気が減速、9.11同時多発テロの発生によって政府支出が増加して財政赤字に転落したため、買い戻しプログラムは2002年4月に終了しました。

その後22年間、財務省は本格的な国債買い戻しプログラムは実施していませんでしたが、2024年5月に再開します。

再開の理由は、国債市場の流動性を高め、国債を効率よく管理するためとしています。

前回(2000年~2002年)までは財政黒字を背景に買い戻しを実施していましたが、今回は巨額の財政赤字の状況下で再開したのが大きな違いです。

前回プログラムは基本月2回だったのに対し、2024年からは、複数の年限区分を順番に買い戻す形で原則週1回程度からスタート。

現在は週1~2回程度の買い戻しが基本となっています。

前回のグラフと比べると良く分かるように、2025年以降、買い戻し上限額に対し売却申し込み金額がとても大きくなっています。

具体的には、今年2026年は上限金額20億ドルに対し、平均237億ドルの応募が殺到。10倍を超える事態となっています。

中には20億ドルの上限に対して360億ドルを超える売却申し込みが集まり、倍率が18倍を超えた買い戻しもありました。

2024年から2026年までの米財務省による国債買い戻しプログラムの上限金額と応募金額の推移

2026年8月19日、財務省が上限を40億ドルに倍増すると発表しましたが、まだまだ足りません。

今回の倍増発表が一時的な金利低下と金やビットコインの急騰を引き起こしたように、国債買い戻しプログラムは、金融市場全体に影響を与える存在になりつつあります。

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