価格が上がっても出来高が増えないことがある。出来高が減っても価格が上がることがある。

「出来高」とは、売買が成立した数量のことです。

2017年に比べて、新規参入者が増えてビットコインの価格も上がっているのに、出来高があまり増えていないのはなぜだろうと思ったことがある人はいるでしょうか。本記事ではその理由について説明します。

下図はZaifの週足チャートです。チャートの下の床に並んでいる棒が出来高の数量を表しています。

出来高の数量が一番多い週を見て下さい。


⇒引用元:Zaif「BTC/JPY 週足チャート

 

出来高の数量が一番多かったのは、2017年3月の13万BTCです。その頃のビットコインの価格は約13万円でした。

ビットコイン投資を2017年からはじめた人は覚えていると思いますが、2017年前半の新規参入者はそれほど多い印象はなく、後半になるとテレビCMやニュースでビットコインが取り上げられるようになり、一気に新規参入者が増えた印象があります。

そして、2017年12月にビットコイン価格が250万円の最高値をつけました。参加者も大幅に増え、13万円の20倍近い価格まで吹き上げたので出来高もさぞかし多かったことだろうと思いそうですが、数量は4万BTC弱、つまり、2017年3月の3分の1の出来高しかなかったのです。

新規参入者がめっちゃ増えたのに出来高が更新されなかったのはなぜか。

それは、出来高とは売買が成立した数量のことで価格は含まれないからです。

イメージしやすいように少人数の取引で考えてみましょう。

取引所に3人の投資家がやってきて全員13万円を持っていました。ビットコインの価格は1枚13万円で全員が所持金を使って全力で買ったとします。このときの出来高は何BTCでしょうか。

そうです。出来高は3BTCです。1人1BTCずつ買えました。

次の問題です。

取引所に20人の投資家がやってきて全員13万円を持っていました。ビットコインの価格は1枚260万円で全員が所持金を使って全力で買ったとします。このときの出来高は何BTCでしょうか。

 

そうです。出来高は1BTCです。

1人 0.05 BTC(=13万円 ÷ 260万円 )ずつ手に入れたことになります。

取引所にたくさん人が集まって同じ13万円を出してビットコインを買いましたが、出来高は先ほどより少ない1BTCになりました。これはビットコインの価格が先ほどの20倍になっていたからです。

このように、市場参加者が増えても、そのぶんビットコインの価格が高くなっていると出来高は増えません。

先ほどのチャートに戻ります。下図オレンジ枠の出来高を見て下さい。

 

2017年2月~4月は10万BTC以上の出来高が多いですが、5月以降は出来高が半分以下の状況がしばらく続いています。どうして半分以下になったと思いますか。

「ビットコインの人気が無くなって、投資家が退場していったから出来高が少なくなったのでは?」

と思った人もいると思いますが違います。

価格が3倍になって、出来高が3分の1に減ったのがポイント。

 

そうです。市場参加者の数はあまり変わらず、ビットコインの価格が上がったため出来高が減ったと考えられます。つまり、新規参入者があまり増えていない状況で価格が上がっていったからということです。

そして、9月を過ぎると価格と出来高が一緒に上がっていきました(下図水色枠)。これは新規参入者がどんどん増えて買いが集まっているからと考えられます。

 

そして、2018年12月に最高値の254万円にタッチしました。

注目なのは、出来高が10月の半分近くまで減ったのにも関わらず、もの凄い速度で価格を上昇させたことです。

 

出来高が減少したけれど価格が上昇するのは、買い圧力が頭打ちしたけど、売り圧力のほうが小さいために上昇を維持できている状況です。

その後の買い圧力の増加が見込めない場合は、売り圧力に逆転されてトレンドが転換することが多くなります。

「上昇トレンドで出来高が激減したら天井を警戒せよ。」

は相場の世界でよく言われる重要なことなので覚えておきましょう。

逆に下降トレンドで出来高が低くなって落ち着いてきたら底になることも多いです。