望月翔太「Pocket Bit」は5000万円ぶんビットコインを完全自動で収集するアプリ

2019年1月1日

 

「誰でも、簡単に、ノーリスクで億万長者」のツールを提供するプロジェクトが過去にいくつも登場しましたが、本当に億万長者になれた人を誰も知りません。

「誰でも、簡単に、ノーリスク」に飛びつくのはリスクたっぷりです。

最近登場した仮想通貨投資案件に「Pocket Bit」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。加筆、修正などは一切行っていません。

Pocket Bit
(引用元:http://nam-project.net/?id=meompc1&no=iob)

 

このプロジェクトは仮想通貨完全自動収集ツール「Pocket Bit」を使って誰でも簡単に短期間で5000万円を稼げるプロジェクトです。

主催者は望月翔太氏(みちづきしょうた)。望月翔太氏は5ヶ月前の2018年2月にブルーチップチャレンジというプロジェクトを開催しています。ブルーチップチャレンジでは、売買タイミングを通知するシグナル配信のツールが提供されました。購入した人はいるのでしょうか。

Pocket Bit 望月翔太

 

まずは望月翔太氏のネット上の情報を探してみましたが、Pocket Bitとブルーチップチャレンジの情報以外、望月翔太氏と思われる人物の情報は見つかりませんでした。

Google検索「"望月翔太" 投資」
⇒引用元:Google「望月翔太 投資

 

望月翔太氏はNorthern Asset Managementという会社の代表を務めているので、「"Northern Asset Management" “望月翔太"」や「"Northern Asset Management" Mochizuki」でも検索してみましたが、今回のプロジェクトの情報以外何も見つかりませんでした。

よって、望月翔太氏は今まで表舞台に出ずに暗号通貨専門のアドバイザリーサポートの仕事をしてきたのか、経歴や名前を偽って登場したかになります。

Google検索「"Northern Asset Management" "望月翔太"」
⇒引用元:Google「Northern Asset Management 望月翔太

 

1回目の動画ではシステムの具体的な仕様については語られなかったので、セールスページに記載されている内容を使って考察します。

このプロジェクトが提供するシステムは投資ではなく、ビットコインを自動収集するものなのでリスクゼロで稼ぐことができると説明しています。潮干狩りであさりをかき集めたたり、ルンバが自動でゴミ掃除をするような状況を想像するといいとのことです。


(引用元:http://nam-project.net/?id=meompc1&no=iob)

 

システムが自動でビットコインを見つけたあとにLINEで通知がきて、ユーザーはスマホのボタンをタップするだけでビットコインを獲得できます。


(引用元:http://nam-project.net/?id=meompc1&no=iob)

 

下図左は通知がきたときの画面と考えられます。「BTCを発見しました」という文字列の下に「ビットコインを集める」ボタンがあります。おそらく、このボタンを押すとビットコインを獲得できるのでしょう。


(引用元:http://nam-project.net/?id=meompc1&no=iob)

 

上記の流れは、ほとんど何もしなくてもビットコインを収穫できるので感動したかもしれませんが、1つ考えて欲しいことがあります。

ボタン押す必要無くない?

人間には仕事で手が離せないときや、寝ている時間など、Pocket Bitの画面を確認できない時間帯があります。確認できない時間帯に通知がきてもボタンを押すことができず、システムの待ち時間が発生してビットコインの収集効率が悪くなります。

ユーザーがやることがボタンをタップするだけなら、ユーザーのことなど気にせずシステムがボタンを押したあとの動作をそのまま実行してビットコインを増やし、次のビットコインを探しに行けばいいのです。

つまり、ボタン不要です。

もう1つ考えて欲しいことがあります。それは、

ビットコインをどこから拾ってくるの?

例えば、現実世界であれば自動販売機の下に硬貨が落ちていたり、道を歩いていて財布が落ちているのを見つけたりすることがあります。拾ったお金は警察に届けなければなりませんが、現実世界ではお金を拾うことは不可能ではありません。

一方、ビットコインはブロックチェーンによって取引の整合性が完璧に守られているので、ビットコインを拾って増やすことはできません。システムが24時間休まずにビットコインを探し回ったところで、路上に落ちているのを探すような感覚でビットコインを見つけることはできないのです。

 

ちなみに、ビットコインは総発行枚数2100万枚のうち600万枚がアクセス不可能な状況になっているそうです。理由には「送金アドレスを間違えて送ってしまった」や「秘密鍵を忘れた」があり、これは実社会でのお金を落としたと同じことになります。

誰かが失くしたビットコインをシステムが見つければいいのでは?と思ったかも知れませんが、秘密鍵を失くしてアクセスできなくなったビットコインは永久に誰も手に入れることができません。ビットコインはそのくらい完璧なシステムです。

上記より、潮干狩りやゴミ拾いのように落ちているビットコインを拾うことは不可能となります。

仮に、システムが他人のウォレットをハッキングしてビットコインを集める仕様だった場合、それは犯罪です。

では、Pocket Bitはどのようにしてビットコインを探すのか、動画の証拠画像から考えてみましょう。

下図はビットコインが実際に増えたことを証明するために見せた証拠画像です。

1列目は通貨ペア(例:LSK / BTC)、2列目はビットコインの枚数、3列目は時刻、

 

4列目も時刻。

 

上記画像から予想できることは、アルトコインとビットコインの通貨を交換してビットコインの枚数を増やしているです。2つの時刻は、アルトコインを買った時刻と売った時刻が表示されていると考えられます。

アルトコインとビットコインの通貨を交換して、どうしてビットコインの枚数が増えるのか分からない人もいると思うので、具体例で説明します。

仮に、あなたはビットコインを1枚保有していて、イーサリアムとビットコインの交換レートが10 ETH = 1 BTCだったとします。イーサリアム10枚はビットコイン1枚の価値と同じということです。

 

ある日、イーサリアムの価値が急に低下して20 ETH = 1 BTCに変わったとします。イーサリアム20枚はビットコイン1枚の価値と同じということです。そこで、あなたはビットコイン1枚をイーサリアムの20枚と交換しました。

 

その後、イーサリアム価値が10 ETH = 1 BTCに戻ったとします。そこで、あなたはイーサリアム20枚をビットコインに交換しました。すると、レートは最初の状態に戻りましたが、保有しているビットコインの枚数が増えました。

 

上記は、アルトコインの価格が下がったときにビットコインをアルトコインに交換し、アルトコインの価格が上がったときにビットコインに戻すことで利益を出す方法です。つまり、安く買って、高く売るということですね。

しかし、アルトコインに交換したあとも価格が下がり続けたら含み損になるリスクがあるので、Pocket Bitでは上記のような売買で稼ぐ方法ではないと考えられます。

ノーリスクで考えられる稼ぐ方法はアービトラージです。

アービトラージとは、異なる取引所の仮想通貨の価格差が生じたときに、安い取引所で買い、高い取引所で売ることでノーリスクで利益を出す手法です。

例えば下図のように、取引所Aが 20 ETH =1 BTC、取引所Bが10 ETH = 1 BTCのレートになったとき、取引所Aでビットコイン1枚でイーサリアムを20枚買い、取引所Bにイーサリアムを送金して全部売ればビットコインが2枚になります。

ただし、これほど価格差が開くことはまずありません。2パーセントの価格差でも大きいくらい。

アービトラージ

上記のように、アービトラージを使えばリスクを低くして稼ぐことはできます。

しかし、望月翔太氏はアービトラージでは実現できないことをPocket Bitの特徴に上げています。

下図はPocket Bitの特徴です。


(引用元:http://nam-project.net/?id=meompc1&no=iob)

 

(2)「数千万の仮想通貨を短期間で手に入れることができる」と説明していますが、アービトラージは元本が少ないとほとんど利益を出すことができません。

また、アービトラージをするときは価格が安い取引所で仮想通貨を買いますが、どの取引所の価格が安くなるのかはタイミングによって異なるので、あらかじめ複数の取引所にビットコインを入金しておく必要があります。つまり、取引所のぶんだけ資産が分散するということです。

さらに、取引所によって送金手数料や売買手数料がかかるので、価格差が小さいと手数料でマイナスになってしまうこともあります。

元本が数千万あるなら別ですが、元本が少ないとアービトラージを使って数千万円の仮想通貨を短期間で手に入れることは不可能です。

下表は過去3ヶ月でキャンペーンが行われた仮想通貨のアービトラージで稼ぐ3つのプロジェクトの結果ですが、稼げているという報告はまだ1つもありません。

プロジェクト名結果
ANOTHER WORLD PROJECTスマホをワンクリックするたびに1回10%の利益を約束 ⇒ 参加者から稼げないという報告あり。資産がマイナスになったという報告もあり。
MESSIAH PROJECTスマホを2タップで秒速1万円を稼げることを約束 ⇒ 参加者から稼げないという報告あり。
THE REVERSAL PROJECT元手1万円から年収4200万円を約束 ⇒ 参加者から1日数十円という報告あり。

 

以上、Pocket Bitの検証結果です。

Pocket Bitのダウンロードボタンを押してメールアドレスを登録すると、

Pocket Bitをダウンロード

 

プログレスバーが残り87%で止まり、LINE@に登録すればPocket Bitが使えるようなことが書かれているのでLINE@を登録すると、

Pocket Bitをダウンロード

 

動画のページに飛び、Pocket Bitが見当たらないので動画を観ると、動画の最後のほうでコメントを入れるとPocket Bitが使えるようになると言われ、コメントを入れてもPocket Bitはもらえない。

ええかげんにせえ

Pocket Bit