仮想通貨投資詐欺の仕組み

2018年12月31日

仮想通貨投資のトラブルに関する国民生活センターへの相談件数は2017年は847件で、2018年は3月時点で2085件にもなっているそうです。

この調子でいくと年末には物凄い相談件数になってそうですね。

以下は国民生活センターが公表しているFX(外国為替証拠金取引)の相談件数です。FXでも600件前後で推移していることから考えると、仮想通貨市場を狙った詐欺行為が活発化している様子がうかがえます。
⇒外部サイト「国民生活センター相談件数

年度 相談件数
2012年 632件
2013年 603件
2014年 549件
2015年 537件
2016年 559件

 

詐欺師たちが仮想通貨市場を標的にしている理由は「仮想通貨史上は大金が集まり、新規参入者が多い。そして仮想通貨の投資家を保護する法律がない。」からです。

仮想通貨の投資家は過去に投資経験が無い人も多く、詐欺師たちはこのような投資知識や経験の浅い人を狙います。

「価値が◯倍になる仮想通貨を教えます。」

「配当◯%のICOを教えます。」

のような甘い文句でおびき寄せ、仮想通貨初心者は勉強しようと動画を観たり、セミナーに参加するうちにだんだんと詐欺師たちに洗脳され、いつの間にか参加費やICOに多くのお金を払うことになるわけです。

2018年3月現在は仮想通貨の投資家を保護するための法律が整っていません。そのため、最初からプロジェクトを成功させるつもりはなく、お金を集めるためだけにICOやプロジェクトを実施する詐欺師たちがいるのです。

ICOとは

詐欺でよく利用されるのはICOです。ICOは「Initial Coin Offering」の略で、直訳すると「最初のコインの公募」。つまり新規に発行したコインを売って開発、研究費を集めることをいいます。

システムを開発したいけど開発費が足りない。そんなときに開発者がICOを実施してお金を集めます。開発するシステムでコインをお得に利用できるようにすれば、投資家の購買意欲につながります。

その後、取引所にコインを上場させることでコインに金銭的な価値がつきます。ICOで売るコインは市場の想定価格よりもかなり安く販売するので、もしコインの人気が爆発すれば投資金が数十倍になって投資した人は大きな利益を得ることができます。

このように、ICOが正しく運用されれば開発者、投資者ともにWIN-WINの関係になれますが、現在はICOを利用した詐欺が横行しているため、投資する際には注意が必要です。

ICO詐欺の流れ

詐欺師は、実現したらみんなが喜びそうなシステムが開発予定であることを公表してICOを実施します。

プロジェクトのホームページやホワイトペーパーにはお金をかけてカッコよく丁寧な作りにして、嘘がバレないようにします。投資家たちは公開されている内容を信じて投資をします。ちなみに、ICOの参加はイーサリアムが使われることが多いです。

 

そして、投資金を集めたあとプロジェクトが忽然と姿をくらまし、サポートと連絡がとれなくなります。

 

忽然と姿を消すなら明らかに詐欺事件として取り扱われますが、詐欺と断定できないケースがあります。

例えば、約束どおり投資家にコインを配布し、取引所にコインを上場しましたが、さっぱり予定通りにシステムが公開されず、ただただ投資家は待たされる状況です。

 

そして、ずっと何も起きずに時だけが過ぎていったり、開発が失敗に終わった場合、これが詐欺になるのかといえば微妙なところです。

なぜなら、本当に開発作業はしていたけど失敗に終わってしまったことも考えられますし、明確に開発が行われていなかったことを投資家個人で調査するのが難しいからです。

 

具体的な例をあげると、Zaifに上場しているCOMSAトークンは、2017年に提供予定だったICOソリューションが未だに提供されない状況です。2018年3月19日以降の日本のICO規制が厳しくなることで、COMSA自体無くなってしまうのではないかと心配されています。

しかし、仮にCOMSA自体無くなってしまっても、これが詐欺かというと詐欺にはならないと思います。

COMSAチャート 20180314

 

ただし、上記のようなICO詐欺は中国やアメリカなどの外国で深刻化している問題です。日本発のICOの数はまだ多くなく、日本発のICOでこのような事件が頻発している様子はないと感じています。

ちなみに、日本代表のICO詐欺といわれているのは「クローバーコイン」です。2018年3月頃にBauhinia Exchange(香港の取引所)に上場してリストに追加されていましたが、いつの間にかリストから消えていました。

2018年3月19日のG20以降、ICO規制が厳しくなることが予想されているのと、FacebookやGoogleが仮想通貨やICOに関する広告を全面禁止にする方向で動いているので、ICO詐欺は沈静化していくと考えられます。

また、ICOを探すときは「ICO Rating」や「ICO Drops」などのICOまとめサイトを利用して探すことが主流ですが、何者かはっきり分からない海外企業のホームページやホワイトペーパーを読み込んで投資先を決めるは難易度が高いので、仮想通貨投資初心者はあまり手をつける人は少ないと思います。

上記を考慮すると、日本で今後活発化する可能性がある仮想通貨投資詐欺は、無料オファーを使って集客する形態の詐欺と予想します。

無料オファーで集客する流れ

無料オファーとは、商品の紹介を無料で提供して、購入する人から参加費を請求する販売手法です。

知人に無料オファーを紹介して、メールアドレスを登録させることで報酬が発生するアフィリエイトプログラムのことをオプトインアフィリエイトといいます。

例えば、友達関係のAさんとBさんがいたとします。詐欺会社がAさんに「新規プロジェクトの参加者を募集するから誰か紹介してちょうだい。1人紹介で3000円払うよ。」と頼みます。

Aさんは友達のBさんに「億人塾が話題になってるよ、メールアドレスを登録すれば無料で内容が見れるから試してみて」と伝えます。Bさんは、Aさんの言うことを信じてメールアドレスを登録します。

無料オファー

 

Bさんとつながった億人塾は、「億万長者になる方法」のようなBさんが喜びそうな情報を何度もBさんに届けてマインドコントロールをしていきます。

すっかり、億万長者になれると思い込んだBさんは億人塾に数十万円の大金を払います。

 

Bさんは言われた通りにしましたが結局億万長者になれなかったというのがほぼ全てです。詐欺会社に苦情を入れても「それはあなたの実力が足りなかっただけ。」とか「言われたとおりにやっていないからです。」と言われて終わりです。

そしてBさんのメールアドレスは別の会社に売られ、しばらくたったら別の会社から新しいプロジェクトに関する案内メールが届きます。

 

案件の内容を見れば、詐欺やボッタクリだということが大体分かるのに、そうと分かっていて、なぜAさんはBさんにそれを紹介してしまうのか。それは1件3000円などの高額報酬にあります。

メールアドレスを登録するだけで1人3000円の報酬がもらえるということは、1000人紹介したら300万円の報酬になります。そのため一度無料オファーをやりはじめたらやめられないほどの中毒性があるそうです。

さらに、AさんはBさんにメールアドレスの登録を勧めただけで、入会するかどうかはBさんが決めることだからと知らないふりをします。

有名な仮想通貨ユーチューバーも上記のような詐欺案件の紹介をしている人がいます。普段は有益な情報を分かりやすく解説してくれる素晴らしい人たちですが、自分たちが紹介する詐欺案件で犠牲になっている人がいることを考えて欲しいものです。

THE TIME PROJECT 無料オファー結果

 

2017年6月頃にユーチューバーたちがこぞって「得BUY」などの詐欺アプリを動画で紹介する事件がありましたが、仮想通貨ユーチューバーも同じような流れにならないことを祈ります。

まとめ

・2018年に入って仮想通貨投資のトラブルの相談件数が激増しています。

・2018年3月以降はICO規制の流れが本格化し、ICO詐欺の被害が少なくなることが期待されます。しかし、ICOすべてが詐欺というわけではなく優良なICOもあるので、ICOにまったく参加できなくなると残念です。

・日本では無料オファーによるメールアドレス登録型の詐欺案件が活発化することが予想されます。「あなたも確実に億万長者」という甘い言葉に誘惑されて、大切な資産を騙し取られないようにしましょう。