ICOのトークン配布を遅らせる詐欺の手口

2019年1月1日

詐欺師は、一般人を騙して自分はノーリスクでお金を稼ぐ方法を常に考えています。

2018年4月に、ICOのトークン配布をわざと遅らせて詐欺師が儲けたことが疑われる事象が発生しました。実際に起きた事象ですが、当事者名やコイン名は伏せて手法のみを説明します。

流れを分かりやすくするために、例え話で説明します。

代理店(詐欺師)は人気のSAGコイン(仮名)の購入枠を確保したので投資する人を募りました。仮に、詐欺師が提示したレートは「1 ETH = 1000 SAG」で、公式発表と同じレートだったとします。

投資することを決めた一般人はイーサリアムを代理店に送ります。

 

代理店は仲介会社(仲間の詐欺師)に、一般人から受け取ったイーサリアムを送金します。仲介会社は7 ETHをプロジェクトに払って 7000 SAGを手に入れます。

 

仲介会社は7000 SAGをそのまま保有し続け、代理店は投資家に「トークンの配布が遅れている」と嘘の報告をします。

 

そうこうしているうちにSAGコインが取引所に上場しました。コインは人気沸騰によって爆上げし、ICO価格の10倍になりました。仲介会社は7000 SAGをすべて売って70 ETHを得ました。

 

代理店は投資家に「仲介会社の手違いでSAGコインが配布できなくなった。」という嘘の報告をし、投資家たちから集めたイーサリアムを全額返金します。

これで詐欺師たちは、他人の資産を使って儲けることができました。

 

「詐欺師たちは自分の資産でコインを買えばいいじゃないか」

と思った人もいると思います。逆にSAGコインがICO割れした場合は詐欺師はどうするかを考えてみて下さい。

。。

そうです。SAGコインを売らずに投資家に配布します。投資家は約束した枚数のSAGコインをICO割れした状態で獲得することになります。

 

まとめると、上場後に爆上げした場合はコインを売って詐欺師の利益にし、投資家に返金する。逆に、上場後にICO割れした場合は、投資家にコインを配布する。この手法でノーリスクで儲けるチャンスを作るということです。

トークンが配布されなくて不安な気持ちでいっぱいだった人にとっては、返金またはトークン配布がされてホッとしするかも知れないという不思議な手口です。