白井アヤのアルケミストK(ミスターブレイン)は設定10分で月利42%の自動売買システム
実力を磨き、信用を積み重ねて自分の力で稼いできた人が突然詐欺商品を売り始めることがあります。人を騙して稼ぐへの方向転換です。
これは、顧客リストを集めたあとに信用を切り売りして収益化を図る行動ですが、何とも勿体ない気がします。
元仮想通貨ユーチューバーの「元ホストの仮想通貨裏情報」というチャンネルも昔は投資に対する鋭い視点で参考になる配信をしていましたが、今では誰でも簡単に億万長者系の怪しい情報商材のみを配信するアカウントに成り果てました。
最近登場した仮想通貨投資案件に「アルケミストK」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像は、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
引用文字列 | URL |
---|---|
アルケミストK ページ1 | http://pf-sys.com/lp/01/gentei/ |
アルケミストK ページ2 | http://pf-sys.com/fanel/mv/1xsor/ |
アルケミストK 紹介動画 | https://www.youtube.com/watch?v=Dn8-Q5943D0 |
特定商取引に基づく表記
項目 | 内容 |
---|---|
販売業者名 | 合同会社アイシールド |
運営統括責任者 | 吉田悠人 |
所在地 | 〒540-0012 大阪市中央区谷町6丁目2番5号206 |
メールアドレス | info★pf-sys.com |
電話番号 | 05036956951 |
このプロジェクトは、毎月42%の利回りを実現した自動売買システムを無料で使えるプロジェクトです。
主催者はアルケミストK氏。以前はMr.Brain(ミスターブレイン)という名前のFXトレーダーでしたが、名前が悪用されたのをきっかけにアルケミストKに改名して活動しているそうです。
プロジェクト主催者が顔にモザイクをかけながら動画に登場するのは稀なパターンです。
(引用元:アルケミストK 紹介動画)
インタビュアーは仮想通貨ユーチューバーの白井アヤ氏(しらいあや)。白井アヤ氏は本サイトの仮想通貨ユーチューバー格付けで3位(2018年8月現在)の人気者です。
今のところチャンネル登録者数はそこまで多い印象はないですが、仮想通貨をこよなく愛し、明るくノリの良い性格がコアな男性ファンを生み出しているようです。
このプロジェクトが稼ぐ方法は、自動売買システムを使ったトレードです。
アルケミストK氏は、このプロジェクトの自分の収入について以下の動画のように説明しました。
(引用元:アルケミストK ページ2)
たくさんの人が使うほどアルケミストK氏が儲かると証言しました。
無料の自動売買システムをたくさんの人が使うことで開発者が儲かる仕組みがあるのかと思った人もいると思います。
実はあります。考えられる仕組みについて順を追って説明します。
自動売買ツールを起動させるプラットフォームにMT4(MetaTrader4)というものがあります。MT4を他の人に紹介した人はアフィリエイト報酬によって継続的に収益を得ることができます。
例えば、AさんがBさんにMT4を紹介して、BさんがMT4を使ってトレードした取引金額に応じてAさんにアフィリエイト報酬が発生します。
つまり、Bさんが取引すればするほどAさんにアフィリエイト報酬が入ってくることになります。
MT4は他のブローカーに比べて報酬額が高いことで有名です。具体的には、往復1ロット(10万通貨)ごとに10ドル(約1100円)の報酬が発生します。ちなみに、ロットとはFXにおける売買単位のことです。
⇒引用元:MT4「パートナータイプ」
例えば、適当に作った自動売買システムを無料で公開し、数多くの参加者がMT4のアカウントを作って自動売買を動かした場合、自動売買システムの勝敗に関係なく、人数が多いほど、取引量が多いほどアフィリエイト報酬が多く発生します。
つまり、自動売買システムが使われている限り、継続的にアフィリエイト報酬が発生する仕組みで稼ぐということです。
今回のプロジェクトはシステム無料、参加無料、多くの人が使えば使うほどアルケミストK氏が儲かると動画で説明しているので、上記の収益構造である可能性が高いと考えられます。
次に、今回の自動売買システムが利益を生み出す可能性について考察します。
実はアルケミストK氏は2016年にも似たようなプロジェクトを立ち上げています。その案件について、とても良くまとめられているページがありましたので参考にさせて頂きました。
⇒参考:おいしょまん「ミスターブレイン謹製の爆益自動売買システムを読む!!」
アルケミストK氏は2016年1月18日にFXの自動売買システム「Alchemist K-2」の参加者を募集しました。その自動売買システムは1ヶ月半で95.87%の利益を叩き出したと宣伝していました。
下図はAlchemist K-2の成績を表すグラフです。グラフ左端の2015年11月27日がシステムを稼働させた日付で0%と表示されています。0%は元本のプラスマイナスゼロ(損益無し)を表しています。
実績はmyfxbookというサイトで確認することができます(2018年8月現在)。
⇒引用「myfxbook」
グラフを見ると分かるように、資産は順調に増えていき2016年1月18日の参加者募集時には95%以上の利益になっています。宣伝どおりです。
参加者が自動売買システムを使うのは募集開始から1週間後くらいと考えられるので、損益分岐点は上記グラフの100%あたりです。つまり、自動売買システムの実績が100%よりも上にいけば参加者の資産が増え、100%を下回れば損失、万が一0%になったら参加者の資産がすべて溶けるということになります。
つまり、自動売買プログラムにとっての0%はプラマイゼロの状態、2016年1月18日以降(95%)から参入した参加者にとっての0%は資産が溶けた状態となります。
グラフは一時100%を超えましたが、その後は下落の一途をたどり2ヶ月後の2016年3月16日にマイナスに突入しました。自動売買システムをずっと利用し続けていた人は資産が全部溶けたということになります。システムが止まったのは2016年11月15日、最終的な成績はマイナス51%で運用失敗という結果で終わりました。
リスクを2倍にする「Alchemist K-2risk×2」という別のシステムが2016年1月28日から2月26日までの1ヶ月間動いていますが、資産が83.29%減ったところで停止されています。
おいしょまんさんの見解ではシステムが破綻する前に更新を止めたようです。
「Alchemist K-3」という別のシステムが2016年2月24日から11月15日まで稼働していて、4月から11月までマイナスの状況が続いていましたが(システムがほとんど動いていないっぽい)、11月14日と15日にいきなり爆上げしてそのままシステムが停止しています。
何があったのかは定かではありません。
上記のように、2016年にアルケミストK氏が「1ヶ月半で95.87%の利益を実現した」といいながら参加者を募った自動売買システムは結局参加者の資産を溶かす結果となりました。
今回のシステムは前回と同じ結果になるとは限りませんが、月利42%の利回りは鵜呑みにしないほうがいいでしょう。
セールスページには小さい文字で「過去のデータに基づくものであり、将来の結果を保証するものではありません。」と記載されています。
アルケミストK氏は以下の動画のように、FX取引について重要なことを言いました。
(引用元:アルケミストK ページ2)
FX業者はノミ行為をしているから、トレーダーは負けるようになっていると説明しました。
ノミ行為とは何か説明しておきます。
ノミ行為とは、トレーダーの売買注文を取引所に出さずに、取引所が相手となって売買を成立させる行為のことをいいます。トレーダーから見ると普通に取引所に注文が出て約定したように見えるので、いっけん何ら問題がないように思えます。
ノミ行為が行われると、トレーダーが利確したときは取引所の損失となり、トレーダーが損切りしたときは取引所の利益となります。
トレーダーが損切りしようとしたときは、取引所はすぐに約定させて自分たちの利益にします。
逆に、トレーダーが利確しようとしたときに約定させない状況を意図的に作り出して取引所の損失を防ぎます。これを約定拒否といいます。
トレード中に「いまだ利確だ!」と思って決済ボタンを押しても決済できなかったり、決済ボタンを押したときの価格と約定価格に差が出て逆に損をしてしまった経験をした人もいると思います。
取引所は自動売買システムの使用を禁止せず、今まで多くの自動売買システムが登場しましたが、継続的に稼げて億万長者になれた話を聞いたことがありません。その理由は上記の背景があるからなのかも知れませんね。
以上、アルケミストK氏の自動売買システムの検証結果です。
このプロジェクトに参加を検討している人は、月利42%を叩き出している自動売買システムの運用期間と成績の詳細を確認してから参加を検討することをお勧めします。
4個目の玉子、4個目の「Alchemist K」は腐っているのか、見届けましょう。