仮想通貨取引所 BITPRO

2019年1月1日

2018年8月25日に世界初のレバレッジ500倍の取引所「BITPRO」がオープンするそうです。

今までの最大レバレッジはBitMEXの100倍だったので400倍アップです。100倍でも凄いのに500倍とは想像を絶するレバレッジ。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと利用するかどうかを決めて下さい。

本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。

BITPRO
(引用元:https://www.the-crypto-ico.com/500bai)

 

まず取引所の運営会社の信用について調べてみようと思いましたが、セールスページには会社や関係者の名前が何も記載されていません。

セールスページに掲載されている女性はフリー素材の画像で、多くのページで使われています。
⇒参考「Ritesh Creations

 

BITPROのセールスページのURLは「https://www.the-crypto-ico.com/500bai」で、このドメインと同じものを使ったICOにBidoohがあります。Bidoohは広告業界の世界初だそうです。

日本ではこのICOは話題になっておらず、「Bidooh 仮想通貨」で検索しても1件もヒットしませんがプロジェクトは存在しているようです。
⇒参考「Bidooh


(引用元:https://www.the-crypto-ico.com/bidooh16)

 

下図はBITPROのページです。カウントダウンやボタンの表示、背景色が同じです。


(引用元:https://www.the-crypto-ico.com/500bai)

 

同じドメインで行われたICOは、他に「socialmedia.market」があります。socialmedia.marketはすでに上場済みでICO価格の10分の1まで下落しました。


(引用元:https://www.the-crypto-ico.com/socialmedia-market)

 

日本の金融庁はレバレッジの倍率が25倍以下ではなければ許可しないので、高いレバレッジをかけれる海外のFX業者が注目を集めることがあります。しかし、悪質な海外のFX業者が顧客の資金を集めたあとに突然姿をくらまして、出金もサポートとの連絡もつかなくなる事件が過去にいくつも発生しています。

ゆえに、取引所を選ぶ上で最も大切なのは、レバレッジや手数料よりも会社の信用です。

今回のオファーは会社情報を何一つ明らかにせずに投資家を募集している時点で詐欺を警戒したほうがいいでしょう。

次に、サービス内容について確認します。

BITPROの特徴は「手数料が0.15%」、「レバレッジが500倍」、「口座開設、維持費用が無料」の3つです。

 

レバレッジ取引とは、指定した倍率で利益と損失を大きくする取引方法です。レバレッジ(leverage)という単語の意味は「てこの力」。小さな力で大きく動かすイメージです。

例えば、通常の取引では10万円を持っている人は10万円ぶんの仮想通貨しか買うことができませんが、レバレッジ10倍なら100万円ぶんの仮想通貨、レバレッジ20倍なら200万円ぶんの仮想通貨を買うことができます。BITPROのレバレッジは最大500倍なので、10万円を入金すれば5000万円ぶんの仮想通貨を買うことができます。

ただしレバレッジ取引の場合は、買うといってもお金を借りて一時的に買うということなので、仮想通貨は自分の物にはなりません。つまり、最終的には売って手仕舞いしなければなりません。

ちなみに、レバレッジ取引は売りから入ることもできます。仮想通貨を借りて一時的に売るイメージです。最終的には仮想通貨を買い戻して返さなければなりません。

レバレッジ500倍の凄さを体感してみましょう。

まずは普通の取引(現物取引)から。

あなたは10万円を取引所に持って来てビットコインを買いました。レートは1BTC = 100万円だったので、0.1 BTCを得ました。その後、ビットコインの価格が上昇して1BTC = 110万円になりました。あなたは0.1 BTCを売って11万円を得ました。この取引によって得た利益は11万円-10万円=1万円になります。

 

レバレッジ500倍の取引を見てみましょう。

あなたは10万円を取引所に持って来てレバレッジ500倍でビットコインを買いました。レートは1BTC = 100万円だったので、5000万円÷100万円 = 50BTCを得ました。

その後、ビットコインの価格が上昇して1BTC = 110万円になりました。あなたは50BTCを売って5500万円を得ました。5000万円は取引所から借りたぶんなので返却します。

この取引によって得た利益は5500万円-5000万円=500万円。

 

上記のように、レバレッジ取引は少ない資金から大きな利益を出すことができる取引です。

今回の例では10万円を元手にして500万円を稼ぐことができたので、レバレッジ取引をやってみたいと思った人もいると思います。

1つ注意しておきたいのは、逆の場合もあるということです。

50BTCを買ったあと、価格が下落して90万円になると500万円の損失です。このようにレバレッジ取引は少ない資金で大きく稼げる可能性があるのと同時に、大きく損をする可能性もある取引です。

 

でも、10万円しか持っていないのに、500万円の損失が出ても払えないよ。

と思った方、ナイス直感です。

レバレッジぶんのお金は取引所が立て替えているので、投資家が用意したお金以上に損失が出てしまうと取引所が困ります。そこで、取引所はロスカットというルールを設けています。

ロスカットとは、損失が一定割合まで大きくなったときに強制的に手仕舞いするルールです。

下表はBitMEXのロスカットルールの一部を抜粋したものです。200BTCまでの取引の場合は元本の50%の損失が出た段階でロスカットが発生することが分かります。

ポジションサイズ ロスカット率 最大レバレッジ
~200BTC 50% 100倍
~300BTC 66.70% 66.6倍
~400BTC 75% 50倍

 

BITPROはロスカット率がいくらに設定するのかは公表していませんが、レバレッジが500倍なのでBitMEXよりも厳しいロスカット率に設定されると予想されます。

ロスカット率が75%だと仮定して、先ほどの取引で価格がいくら下がったらロスカットされるのかを計算してみましょう。

元本が10万円なので、10万円×(1-0.75)=2万5000円の損失が出た段階でロスカットが発生します。

50BTCを保有しているので、価格が100円下がるごとに100円×50BTC=5000円の損失が発生します。よって、価格が500円下がると500円×50BTC=2万5000円の損失となりロスカットが発生することになります。

 

下図はbitFlyerの1分足のチャートです。チャートを見ると分かるように、ビットコインの500円の値動きは1分かからずに数秒で発生します。

相場は一定方向に価格が推移するのではなく、買い圧力と売り圧力の押し合いで振幅しながら価格が変化するので、10万円を元本にフルレバの全力買いをすると毎回ロスカットを喰らうことになるでしょう。

 

次に、売買手数料の0.15%について説明します。

下表はBitMEXの売買手数料です。

種類 売買手数料
Maker -0.025%
Taker 0.075%

 

Takerとはすでに板に載っている注文を約定させる注文のことをいいます。Makerは約定せずに板に載る注文のことをいいます。

上記表をみると分かるように、BitMEXでは約定せずに板に載る注文を出せば手数料がマイナス、つまり、逆に手数料が貰えます。

手数料の0.075はで安いと思うかも知れませんが、取引した仮想通貨の量に対して手数料がかかることに注意が必要です。

例えば、レバレッジをかけて50 BTCを買った場合は、50 BTC × 0.075% = 0.0375 BTCの手数料になります。1BTC = 100万円だとすると3万7500円の手数料です。さらに売るときも同じ手数料が取られるので、3万7500円×2回=7万5000円になります。(※買いの手数料を引いたBTCを売るので、売りの手数料は買いのときより若干安くなります。)

これはかなり大きな金額なので、BitMEXを利用している人は注文を出すときに手数料で損をしないようにTaker、Makerどちらになるかをよく考えてから発注する人が多いです。

 

一方、BITPROの売買手数料はMaker、Taker関係なく、買いと売りの両方で0.15%になります。

例えば、レバレッジをかけて50 BTCを買った場合は、50 BTC × 0.15% = 0.075 BTCの手数料が1回の取引でかかります。1BTC = 100万円だとすると7万5000円の手数料です。50 BTCを売るときも同じ手数料が取られるので、7万5000円×2回=15万円になります。(※買いの手数料を引いたBTCを売るので、売りの手数料は買いのときより若干安くなります。)

つまり、10万円を元本にレバレッジをかけて50BTCを買ってすぐ売ると元本が全て吹っ飛ぶことになります。

いや待てよ。。

(・□・)

手数料で75000円もとられたら、証拠金が10万円だけだったら買った瞬間に手数料でロスカットをくらいますね。証拠金はたくさん入れておく必要がありそうです。

このプロジェクトは、知人に紹介してメールアドレスを登録させると、知人が取引をするたびに売買手数料の20%を紹介者に払うというアフィリエイトプログラムを実施しています。

下図はアフィリエイトページに記載されている報酬の説明です。手数料0.15%を売りと買いの2回ぶん計算しているので上記の手数料の考え方はあっていると思います。


(引用元:http://www.cryptoworldly.com/Rebarejji500bai/)

 

以上、BITPROの検証結果です。

会社の正体が不明。証拠金が少ないと一瞬でロスカット。高い手数料。不安要素が揃った不気味な取引所ですが、はたして利用する人はいるのだろうか。