DX.Exchange(DXCHASH)はサッカー選手ロナウドが広告塔の取引所
お肌ツルツルの女優が出演している化粧品のコマーシャルを見ると、その化粧品が優れた効果を発揮してくれるような気がして買います。優秀なスポーツ選手が出演している栄養ドリンクのコマーシャルを見ると、そのドリンクを飲めば絶好調になれそうな気がして買います。
このように、企業はコマーシャルに有名人を起用することによって、記憶に商品の印象を残りやすくすると同時にイメージアップにもつながります。
しかし、印象やイメージに効果があるだけで、その商品が本当に優れているのかは別の話です。有名人が紹介しているからといって衝動買いせず、商品の中身もしっかりと調べましょう。
最近話題になっているICOに「Coins.Exchange」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。加筆、修正などは一切行っていません。
Coins.Exchangeプロジェクトの内容を説明する動画は無いので、ホワイトペーパーの内容をもとにこのICOの安全性について検証します。
⇒「Coins.Exchange Whitepaper」
このプロジェクトは新しい仮想通貨取引所を設立するプロジェクトです。NasdaqとGoogleがパートナーで、さらにサッカーのスーパースター選手、クリスティアーノ・ロナウドが広告塔という超話題になりそうな案件です。
以下の動画はプロモーションムービーです。カッコいいですね。
このプロジェクトについて私が不審に思っている点について以下に列挙します。
ホワイトペーパーの一番最初のページに表示されているロナウドの写真を見て、「すげー!ロナウドが Coins.Exchange のロゴが入ったユニフォームを着て走ってるよ!これは本物だ!」と思った人もいるかも知れませんが、実はこれはコラ画像です。
以下が編集前の画像。胸に表示されている「adidas」と「Fly Emirates」を消して「ex change my way」と「Coins.Exchange」に置き換えています。
ホワイトペーパーにコラ画像を使ってはいけないというルールはありませんが、本当に広告塔として起用しているなら、実際にロナウドにロゴの入ったユニフォームを着てもらって撮影すると思います。
⇒引用元「Ronaldo to quit Real Madrid: reports」
Coins.Exchangeという名前を聞いて別の取引所を連想した人もいるのではないでしょうか。そうです「CoinExchange」です。CoinExchangeは爆上げ草コインを求めて日本人もよく使う海外取引所です。
仮想通貨取引所を作ろうとしているプロジェクトは、最初に似たような名前の取引所が存在しないかをまず確かめるのが普通だと思います。当然、CoinExchangeのことも把握したことだろうと思いますが、なぜ激似の名前を採用したのでしょうか。
また、Coins.ExchangeはCXという呼び方もされていますが、CX(Coins Exchage)という名の取引所もすでに存在しています。
以下はGoogleで「CX Coins Exchage」を検索した結果です。
CXはフィリピンの仮想通貨の取引所のようです。
⇒引用元「CX」
そして、名前が被っていることに対応するためか、2018年5月10日にCoins.Exchange から DX.Exchangeに名前を変更した旨のアナウンスが行われました。
Hello everyone! starting from today https://t.co/8Z778hJinA is moving on as https://t.co/gavrewTi9F But don’t worry, we’re still here, setting everything up for something cool that is coming soon… Check the video to find out more! https://t.co/y3cjPRHuqJ
— DX.Exchange (@DXdotExchange) 2018年5月10日
でも、DX Exchangeっていう名前のサービスもすでにあるんです。DX Exchangeは宅配、物流サービスの会社です。
まるで存在する会社の名前に似た名前にすることで、ネットでCoins.Exchangeを調べようとする人を煙に巻こうとしているように感じてなりません。
NasdaqとGoogleがパートナーで、さらにクリスティアーノ・ロナウドが広告塔のICOとなると、クラウドセールが行われていない現在でも、海外で少しは話題になっているに違いありません。
そこでTwitterも含めてネット検索してみましたが、海外でCoins.Exchangeと思われる話題を話しているサイトを見つけることはできませんでした。
Coins.Exchangeの話題をしている海外サイトを知っている人がいれば教えて下さい。
Googleは2018年6月から仮想通貨の広告を全面禁止にすると同時に、バイナリーオプションの広告も禁止します。また、Google Playは330以上のバイナリーオプションに関するアプリを削除しています。理由はバイナリーオプションの詐欺被害が海外で急増しているからです。
下図は、ホワイトペーパーに記載されているプロジェクト創業者「Pinhas Patarkazishvili氏」の紹介文です。彼はバイナリーオプションのプラットフォームを提供するSpotOption社の創業者です。
SpotOption社はバイナリーオプションの中の一流企業ですが、バイナリーオプションに対してあまりいい印象を持って無さそうなGoogleがバイナリーオプションの会社の創始者が立ち上げたプロジェクトのパートナーになるのが違和感ありまくりです。
ちなみに、Pinhas Patarkazishvili氏は Pini Peterという愛称で呼ばれています。
SpotOption was founded by Malhaz Pinhas Patarkazishvili, also known as “Pini Peter,” after he had been convicted of fraud, forgery and money laundering in Israel’s largest-ever bank theft, the Etti Alon Trade Bank affair.
ホワイトペーパーに使われている写真は、2013年1月21日に既に別のサイトで使われているので、2018年5月現在から5年も昔の写真ということになります。古すぎでしょ。
もう一人の創業者「Daniel Skowronski氏」の写真は2014年5月13日のものです。
パートナーの話が本当なのか確かめるために、ジャスダックとGoogleに問い合わせてみました。返信がきたら追記しますが、このような質問は無視されて終わることがほとんどなので期待しないで待ちます。
問い合わせが複数になると、公式アナウンスが行われることもあるので、このICOの投資を検討している人は問い合わせてみて下さい。
⇒問い合わせ「Nasdaq Contact」
以下の動画はCoins.Exchangeの画面を操作するデモンストレーションの動画です。
チャートの動き方がバイナリーオプションのハイ・ローのようです。ついに仮想通貨でハイ・ローが楽しめる時代がきましたか。
ちなみに、ハイローオーストラリアでも仮想通貨のハイ・ローサービスが2018年4月に開始しました。私はハイ・ローは怖すぎるのでやりませんが。
操作画面は作り込まれていて使いやすそうな画面だと思います。しかし、解像度が低くて細かいところがよく見えません。
下図の、ホワイトペーパーに表示されている仮想通貨の一覧画面と思われるスクリーンショットで気になる箇所があります。
モネロの右に「XRP」と表示されていますが、これは「XMR」の間違いです。そして、XRP ⇒ BTC ⇒ LTC ⇒ DASHが2回繰り返されています。さらに、中央に表示されている数字が、同じものが多いです。
普通なら仮想通貨1種類につき1行で、各行の数字が異なるはずです。
下図はホワイトペーパーに記載されているロードマップです。海外の企業がなぜ明朝体を使っているのか、2行目の始まりが変な位置で、空行もあって作りが雑です。何だかWordで勢いよく作って、そのままPDFに出力したかのような雰囲気が漂っています。
予定では4月15日Coins.Exchangeのサイトが開始しているそうですが、2018年5月13日現在もサイトが開始していないです。(開始しているのを知っている人は教えて下さい)
そして、6月15日には仮想通貨取引が開始することになっています。
以上、CoinsExchangeの検証結果です。
ホワイトペーパーに出てくる人や企業は、このホワイトペーパーがあることを知っているのか気になる検証結果となりました。ちなみに、英語版のホワイトペーパーが見つかりません。持っている人がいれば下さい。
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