ミンドル(MINDOL)は松居一代が広告塔の日本の仮想通貨
ICOの紹介文で、一番人気の海外取引所Binanceの名前を挙げて「Binanceに上場が確定しています!」とか、「Binanceに上場がほぼ確定しています!」というメッセージを見かけることがあります。
Binanceか凄いな!となりそうですが、Binanceの規約では、取引が開始する前にプロジェクトがBinanceの上場をアナウンスするのを禁止していて、破った場合は上場を無期限延期とするルールがあります。最近のICOではO2O PayやWithCoinがBinanceの上場をアナウンスしながらセールスをしていました。
⇒外部サイト「Binance Listing Tips」
「◯◯に上場が確定しています」という言葉は安易に信じない方が良さそうです。
最近登場したICO案件に「MINDOL」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。加筆、修正などは一切行っていません。
MINDOLプロジェクトは、世界へ向けたジャパン・サブカルチャーを手掛けるプロジェクトです。
ちなみにサブカルチャーとは、支配的な文化のかたわらにある独特の文化のことをいいます。
このICO案件には紹介動画が存在しないので、ホームページとホワイトペーパーの内容からこのICOの安全性について検証します。
まず、ICOを見極める上で最も重要な要素は、プロジェクトの運営会社と責任者です。ホワイトペーパーの「特定商取引に基づく表記」には以下のように記載されています。
責任者は福原史洋氏。名前の読み方は「ふみひろ」だと思います。
Googleで「"福原 史洋"」または「"福原史洋"」をシークレット検索してみましたが、MINDOLの情報以外、福原史洋氏の情報は見つかりませんでした。今まで表舞台には出てこなかった人のようです。
次に会社情報です。
⇒法人番号検索サイト「MINDOL株式会社」
昔は株式会社アヴァンティ・インターナショナルという社名でしたが、1ヶ月前の2018年4月3日にMINDOL株式会社に社名を変更しています。このプロジェクトのためにわざわざ社名を変更したのでしょうか。
株式会社アヴァンティ・インターナショナルを検索してみましたが、これといった情報は見つからず、唯一見つかったそれらしき情報はMARQRELのメールマガジンに記載されている下図の文章です。
レザー製品を専門に扱う日本の企業だそうです。。
ちなみに、AVANTI INTERNATIONAL RESORT(アヴァンティインターナショナルリゾート)はオーランドの会社です。
⇒外部サイト「MARQRELのメールマガジン」
株式会社アヴァンティ・インターナショナルのときの住所は「東京都千代田区内幸町1丁目1-1 帝国ホテルタワー16F」
階数は違いますが、帝国ホテルタワーの15Fは詐欺商材の販売会社が利用することがあるレンタルオフィスでです。帝国ホテルの建物だからといって油断しないようにしましょう。今回は15Fではなく16Fなので深く突っ込まずに次に進みます。
⇒外部サイト「詐欺師クエスト」
上記のように、ICOを見極める上で最も重要な要素のプロジェクトの運営会社と責任者からすでに信用できない状況になっています。
次にホワイトペーパーを確認します。
⇒「ホワイトペーパー」
日本政府が策定した日本再興戦略では、「クールJapan戦略の推進」が、国際展開戦略のひとつとして挙げられています。俗に"オタク文化"ともいわれる日本のサブカルチャーは、インターネットの普及とともに全世界へ広がり、クールJapanの強力なコンテンツとなりました。
引用元: ホワイトペーパー
クールJapanと聞いて、クールビズのことを言っているのかと思った人もいるかと思いますが、クールJapanとは「外国人がクールととらえる日本の魅力」のことをいいます。
つまり、オタク文化は日本の魅力を世界に広めるために使えるということです。
そして、MINDOLプロジェクトが創り出すものについて以下のように言っています。
MINDOLプロジェクトでは「クールJapan」を基本軸とした、アニメ、映画、ゲーム、漫画、音楽などのサブカルチャー・ポップカルチャーの分野での新しいコンテンツを創出していきます。
引用元: ホワイトペーパー
新しいコンテンツがどんなものなのかは分かりませんが、オタク文化に新しい風を吹き込んでくれそうな感じです。
現在進行中のコンテンツはアニメーション作品制作、テレビ番組、インフルエンサー投票、絵師コンテスト、ボーカロイド女性アイドル、VR、アニソン、声優カフェ、2.5次元ミュージカルなど楽しそうな内容がてんこ盛りです。
1つ気になったのはアニメーション作品製作で「そらのおしごと」のアニメ制作を行うことです。「そらのおしごと」はキャラアニ株式会社が製作した物語で、航空学校に入学した女の子がパイロットをめざす物語です。
ホワイトペーパーにはキャラアニ株式会社について何も触れられていないので、キャラアニ株式会社は「そらのおしごと」のアニメ制作について知っているのか聞いてみたところ、
MINDOLの情報は把握していますが、MINDOLの「そらのがっこう」は男の子バージョン、弊社は女の子バージョンです。製作等には一切関わっていませんので、これ以上のことは答えることができません。
という判断が難しい回答をもらいました。
MINDOLトークンの特徴の1つに、以下のように記載されています。
カウンターパーティーの(XCP)のハードフォークという形式で開発したと言っていますが、それは本当でしょうか。
カウンターパーティーの大きな特徴に独自トークンの発行があります。TANAKAコインなど、自分の好きな名前のトークンを発行して人に配ったり、売買することができる機能です。作成に必要な経費はXCPとビットコインで、大体3000円くらいあれば誰でもトークンを発行できます。
作り方は非常に簡単で、スマホのウォレットに少量のXCPとビットコインを送って「トークン新規発行」ボタンからコイン名や発行枚数を入力して作るだけです。あとでトークンを追加発行することも可能です。このように、プログラムの知識もプログラミング作業も無しで作れます。あなたも良かったらマイコインを作ってみて下さい。
⇒外部サイト「Counterparty (XCP)で独自トークンを作成する」
作ったトークンはXCP対応のウォレットに保管したり、XCP DEXという分散型取引所に送って自由に売買することができます。2018年5月9日現在は7716種類の通貨ペアがリストに載っています。
⇒「分散型取引所とは」
そして下図のように、MINDOL は XCP DEX のリストにすでに載っています。発行枚数は1億2000万枚。
ホワイトペーパーには「カウンターパーティーの(XCP)のハードフォークという形式で開発した」と書かれていますが、これって単純に独自トークンを発行しただけのものではないのでしょうか?(注:私の推測です)
MINDOL株式会社に社名が変更されたのは2018年4月3日なので、それから急いでXCPのハードフォークからコインを開発したとしても、さすがに1ヶ月で上場は無理ではないでしょうか。
なお、価格は1.43ドル(約156円)と表示されていますが、取引はまだほとんど行われていないので価格は運営によっていくらでも操作可能です。この価格を見て、プレセール価格が安いと勘違いしないで下さい。
ロードマップには2018年6月に「Zaif取引所で自由に売買可能」と書かれています。
Zaif取引所には、ZAIFトークンやPEPECASHEなど、XCPから作られたトークンを売買できる銘柄はありますが、本当にMINDOLがZaif取引所のリストに追加されるのだろうか。
仲介業者もMINDOLが2018年6月1日にZaifに上場確定と説明しています。
⇒引用元「仮想通貨MINDOLミンドル!6月1日にザイフ上場確定!」
ZaifがMINDOLの上場を否定しました。
MINDOLというトークンが仮想通貨取引所『Zaif』に上場予定でしょうか、というお問合せが複数ございましたが、その予定はございません。
また、新規通貨の上場は、ツイートやブログ、メールマガジン等の公式アナウンスでのみお知らせしております。公式以外の情報は事実ではございません。— Zaif – 暗号通貨取引所 (@zaifdotjp) 2018年5月11日
【追記ここまで】
MINDOL公式ページの法律上の表記ページを読んでみたところ、「トークン取引におけるリスク」の箇所に、「仮想通貨として日本国内外の仮想通貨取引所に上場する現在のところきまっておりません。」と記載されています。ロードマップの「Zaif取引所で自由に売買可能」と言っていることが逆です。
考えると、社会的信用をまだ得ていない運営会社が作ったトークンをZaif取引所がいきなり上場させるとは考えられません。よって、Zaif取引所で自由に売買可能なのは、投資家を集めるための嘘である可能性があります。万が一、投資家に訴えられても「トークン取引におけるリスク」の項目に明記されていると言って逃げるつもりなのかも知れません。
以上、MINDOLの検証結果です。
このプロジェクトがどこまで本気でプロジェクトを遂行するのかは不明ですが、少なくともユーザーの信頼を取り戻すなら、Zaifに上場することは嘘または誤記であることのアナウンスが必要です。