吉田慎也「マインコイン」は6800倍を超える可能性があるコイン

2019年1月2日

「人を見たら泥棒と思え」ということわざがあります。これは人のことをうかつに信用せずにまずは疑ってかかったほうが身のためという意味で使われます。最近の仮想通貨界は「ICOを見たら詐欺と思え」みたいな雰囲気になっています。

投資家みんなが、安心してICOを選べる日が早く来ることを願っています。

3月19日に開始されるICOに自称優良ICO案件「革命的コイン」があります。私はこのICOは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由について説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは明らかになっていません。

「革命的コイン誕生」

 

このICOは仮想通貨史上、最も値上がる可能性があるコインと宣伝しています。ということは、6800倍を記録したイーサリアムを超えるということでしょうかね。。

このICOを紹介してくれる方は吉田慎也氏です。頭のいい好青年の印象です。

革命的コイン

 

吉田慎也氏は2017年10月に募集された仮想通貨投資案件「マイニングシェアバンク」の代表者です。投資した人の話では「サポートから連絡が来ない」や「全く儲からない」のような評判の悪いものが目立っていました。

この時点で今回の案件も詐欺と言ってしまってもいいような気がしますが、万が一もあるので、案件の内容を精査してから詐欺なのか、それとも優良ICOなのかを結論づけようと思います。

革命的コインの売りは、

「お金を使えば使うほど逆にお金が溜まっていく」

です。。(・□・)

お金が増えていく仕組みを見てみましょう。なお、革命的コインの名前がまだ明らかになっていないので、本記事ではコインのことを「革命コイン」、プロジェクトのことを「革命プロジェクト」と呼びます。

まず、このICOに参加した人には世界史上初のカードが配られます。その名も

「マイニングデビットカード」です。

一般的に使われるデビットカードは預金口座と紐づけられたカードです。お店でカードを使って支払いをすると銀行口座から料金が引かれるあれです。そして、マイニングデビットカードとはマイニング機能と紐づけられているデビットカードです。

投資家はマイニングデビットカードを使って店で買い物をします(下図①)。すると、支払金額の数パーセントぶんの革命コインがウォレットに入金されます(下図②)。そして、しばらく経つと革命コインの価格の24%ぶんのイーサリアムがウォレットに入金されます(下図③)。なお24%は理論値で変動する可能性があります。

例えば、革命コインの獲得パーセントが5%として具体例を挙げます。

あなたが店で100万円のテレビを買ったら、5万円ぶんの革命コインがウォレットに自動で入金されます。そして革命コインをそのままウォレットに保管しておくと、5万円×0.24 = 1.2万円ぶんのイーサリアムがあなたのウォレットに振り込まれます。

つまり、普通に100万円買い物をすると100万円はそのまま無くなりますが、マイニングデビットカードで買い物をすると、革命コインとイーサリアムが無料で貰えるということです。

さらにその革命コインをずっとウォレットに入れたままにすると次年度も5万円×0.24 =1.2万円ぶんのイーサリアムがもらえます。これを聞くとすごくお得に感じますね。

お金が増える仕組み

 

革命コインは革命プロジェクトが発行するコインなので配布には困りませんが、イーサリアムはどうやって配布するのか?と疑問に思った人もいると思います。

イーサリアムは革命プロジェクトがマイニングしたものから配布されます。

つまり、ICOで集めたお金はマイニングマシンを大量購入する資金として使われ、そのマイニングマシンによって採掘したイーサリアムを投資家に還元するということです。

 

買い物をすると自動で革命コインが貯まり、おまけにイーサリアムもついてくる。夢のようなコインですね。

吉田慎也氏は動画の中で以下のように言っています。

「使ったらそれが投資になって増える。消費をするほどお金がたまり、それが複利的に2倍、3倍で増えていく。」

 

お金を使うだけでお金が入ってきて楽だなあ。。と思いますが、仮に世界中の人がマイニングデビットカードを使って買い物をするようになって、お金が複利的にどんどん増えて行ったらどうなるでしょうか?

皆が幸せどころか、ハイパーインフレが発生して物価が青天井に上がっていくことでしょう。私は理系人間なので、経済学的な話については置いておきます。

 

次に、革命コインの価格が下落した場合どうなるかです。例えば、革命コインの価格が1万円から100円に下落した場合、ウォレットに入金されている資産は99%減り、かつ、貰えるイーサリアムは2400円もらえるはずだったのが、24円ぶんしかもらえなくなります。

しかし、何と革命コインが下落しそうになったときは革命プロジェクトがマイニングしたイーサリアムを使って買い支えすると言っています。これは凄い。配布したトークンをプロジェクト自らがお金を出して買い支えするという話は今まで聞いたことがありません。

しかし、仮想通貨相場の大暴落が発生して全部真っ赤になっているときに、本当に革命コインだけが価格を下げずに生き残ることができるのでしょうか。それができたら最強ですが、マイニングで溜めた資金が一気に吹っ飛ぶことになるのは目に見えています。

さらに、革命コインは支払金額に応じて自動でウォレットに配布されるので、投資家たちが持つ革命コインの総数は日に日に増大していきます。コインの数の増加は価値が下落する要因になります。

つまり、革命プロジェクトは投資家の革命コインが増えることによる価格下落と、仮想通貨相場下落に引きずられた革命コインの下落の両方に対して買い支えしなければいけないということです。どう計算してマイニング報酬だけでそれができる結論になったのでしょう。

 

上記までで、革命プロジェクトがマイニングしたイーサリアムは「投資家に還元する」のと、「革命コインが下落するのを買い支えする」ということに使われることが分かりました。

そして、余ったイーサリアムはマイニングマシンの追加と修理の費用として使うと動画の中で説明しています。マイニングマシンを増やすことで、さらにプロジェクトを強固なものにするようです。

ここで視点を変えて、1つ考えて欲しいことがあります。

もし、革命コインの価値が無くなったら革命プロジェクトは困るか?

答えは困らないです。

例えば、革命プロジェクトはICOによって500億円の資金を集めることに成功し、集めた資金を使って大量のマイニングマシンを購入し、マイニングを開始したとします。そのあと、革命コインの価値がどんどん下がっていった場合、革命プロジェクトの運営に支障があるかを考えると、何もありません。あえて挙げるなら投資家からの苦情です。

つまり、革命コインが無価値になろうがなんだろうが、すでにお金を集めてマイニングマシンを買っているんだから、革命コインの価格がどうなろうが革命プロジェクトにとっては痛くも痒くもないのです。

むしろ、革命コインの価格が下がった方が投資家に還元する年利24%のイーサリアムの量が減って喜ぶのではないでしょうか。そう考えると、身銭を切って革命コインを買い支えるという話は到底信じることができません。

よって、私の個人的な予想では、仮想通貨史上、最も値上がる可能性があるコインとして登場した革命コインは、みるみるうちに価値を失い、配布されるイーサリアムは小銭程度になると予想します。

【20180415 追記】
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