鏡俊介「MILLION LINER PROJECT」は183日で億万長者になれるプロジェクト
お金を稼いだことを証明するために用意する証拠といえば銀行通帳や取引記録です。詐欺師に証拠を要求すると、待ってましたと言わんばかりに喜んで証拠を見せてくれます。それもそのはず、丹精込めて作った偽造証拠なので皆に見てもらいたいのでしょう。
そんな証拠にもたまに痛恨のミスがあったりします。
最近登場した仮想通貨投資案件に「MILLION LINER PROJECT」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
このプロジェクトは、2018年6月1日から11月30日までの半年間(183日)で億万長者になれるプロジェクトです。
主催者は鏡俊介(かがみしゅんすけ)氏。ホストのような印象です。印象どおり、ホストとして働いていた時期があり、そこで出会った女性経営者の顧客との付き合いがきっかけで、経営者や著名人との人脈が広がっていったとのことです。
その上流の人脈から流れてくる良質な情報をもとに仮想通貨投資を始め、資産50億の大富豪となりました。この若さで資産50億とは半端ないですね。
MILLION LINER PROJECTの MILLION は「億万長者」、LINERは「快速」という意味です。速攻で億万長者になれそうな名前ですね。
このプロジェクトは、史上最速で億万長者になれることを売りにしています。具体的な期間は6ヶ月で100万円を100倍にしてくれます。
しかし、実はMILLION LINER PROJECTは史上最速ではありません。
2018年3月に公開された自由億プロジェクトは元手2万円を8ヶ月で8億円なので、このプロジェクトが史上最速と思われます。元手100万円を用意すれば2ヶ月もあれば1億円になっていることでしょう。
といっても、自由億プロジェクトは詐欺ですが。
お金を増やす方法は「人脈と情報」です。鏡俊介が築き上げた人脈と情報を駆使して参加者を億万長者にしてくれます。しかし、最上流の情報を使って全員億万長者というプロジェクトが本当だったためしがありません。
そもそも本当の儲け話は知っている人が少ないほど価値があり大きな利益を生み出すのであって、情報が飽和すると価値が低下して利益が出しづらくなります。そのため、お金持ちはお金持ち同士だけで情報を共有しているのです。
お金持ちだけで共有している情報を一般人に教えると言いながら商売している人間をお金持ちの仲間は受け入れるでしょうか。絶対に受け入れることはないでしょう。
ゆえに、鏡俊介が手にしている上流からの情報を参加者に流すという話は嘘の可能性が高いです。そもそも、上流の人脈など無い可能性すらあります。
2017年11月13日に、鏡俊介氏は有名な社長から「リップルがこれから高騰する」という内容のメールをもらってリップルを購入したそうです。そして12月の大暴騰で20倍の利益を得たと、メールの証拠を見せながら説明しました。
Dear Mr. Kagami
During December *** *** a major investor in China, and *** *** large investor in South Korea, decided to price maneuver against Ripples.
To give you some background about this, By applying and using the Ripple
以下のようなことがメールに書かれています。
12月中に中国と韓国の機関投資家がリップルについて価格操作することを決めました。
これについてあなたにいくつかの背景を教え、使うことで…
これが本当であれば凄いことですが、メールは簡単に偽造できるし、仮想通貨の爆上げ情報を事前に知っていた話は詐欺プロジェクトで頻繁に使われる演出なのでこういった情報は鵜呑みにしてはいけません。
THE TIME PROJECTという詐欺プロジェクトでもリップルの事前情報をメールで受けた証拠を見せていました。
次に、鏡俊介氏は取引履歴の証拠を見せました。確認できるのは売買日時と損益です。日時を見ると分かるように上から下に向かって新しい売買日時になっていることが分かります。10分のデータが多い気がしますが気にせずに進みます。
動画の中で画面をスクロールをしています。
下のほうにスクロールしていったところに変な表示があります。下図赤線の「2017.07.25 13:21」と「2017.07.25 10:35」は順番が逆になっています。なぜなら、「2017.07.25 10:35」のほうが古いデータだからです。
コンピューターはこのような間違いをしないので、このデータは人の手によって作られた可能性が高いことが分かります。
スクロールを続け、最後のほうで日時が1秒だけ異なるデータが4つ連続しています。データ偽造作業に疲れて、集中力が切れたのかも知れません。
この4つのデータが部分約定のものということは考えづらいです。なぜなら、他に連続しているデータが無いからです。
下図は鏡俊介氏の資産をbitFlyerのアプリで表示したものです。総資産16億9700万円の左に表示されている円を見ると、保有している仮想通貨の比率が分かります。
オレンジ色はビットコイン(約45%)、紫色はイーサリアム(約20%)、緑色はイーサリアムクラシック(約20%)を表しています。
下図は次回予告で表示された画面です。鏡俊介氏の教え子の総資産を表示したものと考えられます。なにやら比率が似ているように見えます。
近づけてみましょう。似ている。。
片方を半透明にして重ねてみると一致。
上記結果から予想されることは以下の3つです。
・鏡俊介氏は生徒の仮想通貨の保有比率を自分と同じにさせている。
・次回予告で映っているのは鏡俊介氏の総資産の画面。
・生徒の総資産画面は鏡俊介氏の画面をコピーして作った偽造画面。
以上、MILLION LINER PROJECTの検証結果です。
私の予想では、上流の人脈と情報を駆使して半年間で億万長者になれるこのプロジェクトは、高額の参加費を払った上に、詐欺師ネットワークによって用意されたプレセール利確用のICOを買わされるプロジェクトと予想します。
ちなみに、投資金が無い人には鏡俊介氏が100万円を用意してくれるそうです。
。。
100万円は絶対に用意してくれないので乗せられないように。