メイカーが1ヶ月で2倍爆上げ。ノーリスク金利8%で稼げるようになった
ここ1ヶ月、メイカーの調子がいいです。
とりあえずチャートを見てみましょう。
おー (*゚ロ゚)
6月の安値から2.7倍、6月30日から約2倍に上昇しました。
6月30日以降の値動きを主要コインと比べるとメイカーが一番上昇しています。
MKRがメイカーです。
以下のチャートは、リップルがSECとの裁判に勝訴する直前の7月13日20時からの変化率です。
勝訴直後にXRPは物凄い急騰をしましたが、現在はXRPよりメイカーの上昇率の方が若干高くなっています。
以下はメイカーの週足チャートです。
今年8月につけた年初来高値は、2022年5月以来の1年2ヶ月ぶりの価格です。
現在価格は1200ドル台で、元旦初値から2.3倍
最高値からマイナス80%の状況です。
このようにメイカーは最高値まではまだ遠いですが、今年2023年の上昇が大きく、他のコインよりも早い回復を期待させる展開になっています。
次に、メイカーが上昇した原因を考察します。
まず、メイカーはステーブルコインDAIを発行する自律分散型組織「MakerDAO」のガバナンストークンです。
ステーブルコインは1枚1ドルのように価格が安定しているコインのことです。
価格を安定させる方法には種類があり、例えば、法定通貨担保型は、コインの発行枚数と同じ枚数の法定通貨(または法定通貨に換金できる資産)を準備金にすることで1枚1ドルの価値を担保します。
例えば、1000万ドルを銀行に預金してステーブルコインを1000万枚発行します。
一方、DAIというステーブルコインは暗号資産担保型で、暗号資産を担保にコインを発行することで価値を担保します。
DAIは安全性を高めるために1.5倍~2倍の超過担保になっています。
例えば、2000万ドルぶんのイーサリアムを預けて、DAIを1000万枚発行します。
分散型の発行プラットフォームなので、誰でも暗号資産を預け入れるだけでDAIを発行でき、DAIを返却すれば預け入れた暗号資産が戻ってきます。
暗号資産は価格が変化するので、価格の変化に応じて担保に余裕が出来たり、逆に担保が足りなくなったりすることがあります。
例えば、2000万ドルぶんのイーサリアムを預けてDAIを1000万枚発行し、そのあとイーサリアムの価格が暴落して担保のイーサリアムでDAIの価値を保証できなくなりそうになったら、
スマートコントラクトが担保のイーサリアムでDAIを買うことで、価値を保証できなくなる状況を回避します。
なお、昔はイーサリアムしか担保に入れることができませんでしたが、現在は担保にできる暗号資産の種類は増えています。
以下はDAIの担保の暗号資産です。
GUSDとUSDCの法定通貨担保型のステーブルコインも担保に使われています。
RWAは、現実世界の資産をトークン化したものです。
今年3月に発生したシリコンバレー銀行の破綻でUSDCの準備金が引き出せなくなった事件をきっかけに、ステーブルコインの価格が1枚1ドルにならないデペッグ祭りが起きましたが、
そのとき、DAIの担保の50%以上がUSDCだったため、DAIも大きくデペッグしました。
事件を教訓に改善されたのか、
現在のUSDCの担保は6%まで低下しています。
下表は、プロトコルにロックされている暗号資産をドルに換算した金額のランキングです。
MakerDAOは現在2位の57億ドル
下表は、暗号資産の時価総額ランキングです。
DAIは15位で51億ドルぶんが発行されています。
このように、暗号資産担保型のステーブルコインを発行するMakerDAOの需要は健在で、
メイカー(MKR)は、MakerDAOを利用するときの手数料の支払いや、プロトコルの方針を決定するときの投票に使われます。
そして、メイカーの価格を上昇させた原因の1つとして考えられているのは、
7月に有効化されたSmart Burn Engine(スマートバーンエンジン)です。
MakerDAOは、万が一の事態に備えて手数料収入をもとにDAIを余剰バッファとして保管していて、スマートバーンエンジンが定期的に余剰バッファの超過ぶんを使ってメイカーを買ってバーンするようになりました。
なお、バーン機能自体は昔からあって、プロトコルが一定以上の利益を出しているときはメイカーを買ってバーンしています。
既存のバーンとスマートバーンエンジンの関係はどうなっているのは今後の調査の課題とします。
下表は、メイカーのインフレ率です。
メイカーの発行枚数の最大は2020年3月の100万枚5577枚
2021年から減少傾向に入りましたが、2022年2月からずっと97万7631枚のまま動いていません。
おそらく流通枚数の報告がストップしているからだと思われ、現在は2022年2月以降にバーンされたぶんも含めて時価総額が計算されていると考えられます。
メイカーの価格を上昇させた原因のもう1つとして考えられているのは、
DSRコントラクトの金利が8%に引き上げられたことです。
DSRコントラクトは、DAIを預け入れることで利子がもらえるサービスです。
MakerDAOの手数料収入が配当の原資になっています。
2022年12月に金利が0.01%から1%に大幅に引き上げられたことが大きな話題になりましたが、今回は何と3.19%から8%への引き上げです。
以下のチャートは、DSRコントラクトに預け入れられたDAIの総額です。
今年2023年8月6日は3.3億ドルだったのが、金利が8%に引き上げられたことで預け入れ金額が3倍以上に急増し、8月10日現在は過去最高の10.8億ドルです。
MakerDAOの創始者のRune氏は、金利が高い理由はDAIを預け入れるユーザーがまだ少ないからで、今後ユーザーが増えると金利が下がると説明しています。
以上が最近メイカーが大きく上昇した主な原因です。
法定通貨担保型以外のステーブルコインはリスクが高いと感じている人が結構いそうです。
日本で話題になったのは、2021年にアイアンという暗号資産担保型とアルゴリズム型を組み合わせたステーブルコインが暴落
2022年にテラというアルゴリズム型ステーブルコイン大暴落
のように、ステーブルコインなのに大暴落する事件が発生して話題になりました。
なので、メイカーは投資対象にはしづらい印象がありますが、時価総額やロック金額から分かるように、暗号資産担保型のステーブルコインのなかでも信用度は一番高いコインといえるので、今後も需要を伸ばしていくのか要チェックしていきます。