Weiss Ratings社の緊急討論会の内容をまとめる。

2018年3月3日

2月28日午後2時(日本時間)から開始予定だったWeiss Ratings社の緊急討論会ですが、気になっていたので午後2時直前にスマホでページを開き、年明けのカウントダウンのような気分で眺めていました。
⇒外部サイト「緊急討論会ページ

5、4、3、2、いち!(・▽・)スタート!

秒読みが0になった瞬間に、どこの誰か分からない男性の紹介のようなムービーが数分流れ、そして、Weiss Ratings社のホームページに飛ばされました。。

(・□・)・・

あれ、討論会はどうなったんだ?

まさか、短髪の男性の笑顔が素敵なムービーが討論会だったのだろうか。。

 

討論会のページに戻ってみると残り秒数は0になっていて、「This event is not available for viewing yet.(このイベントはまだ見ることができません)」と表示されています。

Weiss Rating Emergency Brifing

 

そういえば2018年1月24日のWeiss Ratings社の仮想通貨格付け発表は、ふたを開けてみると格付けを全部見るには年間購読(通常10万、今なら5万)を申し込んでね。という落ちがありました。

もしかして緊急討論会も同じように、討論会を見るなら年間購読を申し込んでね。という落ちなのかなと、少し腹立つのりになりながら討論会を見るのは諦めました。

そして家に帰った後に討論会ページを再度開いてみると、再放送が見れるようになっていました。(・▽・)!お

2018年1月24日の仮想通貨格付け発表も配信日時の設定にミスがあって公開が遅れたので、今回も何かしらのミスで配信が失敗したのかも知れませんね。

ということで、本記事では討論会の内容をまとめようと思います。

下図は討論会の動画のスクリーンショットです。出席者はMartinさん、Juanさん、Tristanさん、Juanさんの4人です。画面下に英語のスクリプトが表示されます。

仮想通貨緊急討論会

 

司会はWeiss Ratings社の創業者であるMartinさんが行いました。Juanさんは仮想通貨を買うときに考えるべきこと、おすすめ仮想通貨、避けたほうがいい仮想通貨を説明する人です。Tristanさんは、ビットコイン擁護派の人でWeiss Ratings社の意見に物申す人です。

Gavinさんは討論中まったく話を振られず、まるで視聴者のようになっていたので、

「おいMartin、少しはGavinさんに話を振りなさい。」

と思いながら聞いていましたが、動画の最後のWeiss Ratings社の有料プランの説明にGavinが話をしていました。

討論会を見た全体的な感想は、今回の討論会はガチンコの討論会ではなく、台本を用意した茶番劇だと思いました。

理由は色々ありますが、例えば、Juanさんがビットコインが良くない点について「1秒当たり5件のトランザクションしか処理できない」と言ったのに対して、Martinさんが

「それは遅い!遅すぎる!」

みたいに驚いていますが、Martinさんがそれを知らなかったわけがない。このような仮想通貨についてある程度調べている人なら誰でも知っているようなことを、まるで知らなかったようなリアクションをとって話を進めているのを聞いて、ああ茶番だなと思いました。

つまり、Weiss Ratings社のやりたいことは、ビットコインやイーサリアムなどの人気の仮想通貨をけなすことで投資家たちの恐怖を促し、高評価の仮想通貨を紹介する。そして、私たちの言う通りすればリスクを下げながら仮想通貨投資ができるといって、高額の年間購読者を勧誘するという流れということです。

話の内容から、高評価の仮想通貨を公表前に彼らが仕込んでいることは明らかです。

Weiss Ratings社が毎週発表する仮想通貨格付けのトップ5になるようポートフォリオを毎週組み替えるのがリスクの少ない投資法だと説明しています。そして定期的に発行されている仮想通貨格付けはコロコロと評価が変わっています。この状況から考えられることは、

①Weiss Ratings社は仮想通貨ランキングトップ5を決めて仕込む。

②Weiss Ratings社は仮想通貨ランキングトップ5を購読者に公開する。

③購読者はトップ5の仮想通貨にポートフォリオを組み替える。

④価格が上向きになる。

⑤Weiss Ratings社は売り抜ける。

①~⑤を定期的に繰り返して利益を上げる構想を想像しました(あくまで私の想像です)。

といっても、とんでもない草コインや評価の低いアルトコインをランキングトップ5に入れるような嘘のランキングを作っているわけではないので、参考にするのはありだと思います。

それにしても、格付けがそんなにコロコロ変わっていいものなんですかね。「私たちのランキングは価格のボラティリティに敏感だ。」と言っていますが、格付けは仮想通貨が持っている本来の資質を見極めた評価であるべきで、相場の影響を受けてコロコロ変化させるべきものではないというのが私の意見です。

ビットコインにC+の評価をつけた理由

Juanさんはビットコインの評価をC+にした理由を以下のように説明しました。

No
1私たちの格付けは美人コンテストではなく、数字だけを見ています。私は数学者で統計学者であり、すべての分析は事実に基づいています。
2私たちはデータを見て、咀嚼します。ビットコインの歴史や伝統、そして、人々が熱狂するような点は分析しません。
3Bitcoinは普及やブランド力に関して優れているとは言えますが、技術的なリスクや報酬指標ではそれほど優れていません。
4Bitcoinは1秒間に5件しかトランザクションを処理できません。
5Bitcoinはトランザクションコスト(送金手数料)が高いです。
6支配力の70%が数少ないのマイナーに集中しています。

 

この理由を聞いてTristanさんは、Bitcoinの強みはセキュリティが最も高いことでありC+の評価には同意しないと言っています。

No
1セキュリティは仮想通貨の存続期間によって決まり、ビットコインはどの仮想通貨よりも長いブロックチェーンを持っている。
2Bitcoinはマイナーの数が多く最大のネットワークが築かれているため不正が不可能。

 

上記の討論は、過去に幾度となく話題となってきた問題で、今回発覚した新たな情報はありませんでした。

仮想通貨を選ぶときの判断基準

Juanさんが説明した、仮想通貨を選ぶときの判断基準をまとめると下表になります。

No
1ガバナンス
ネットワークが競争力のあるハードフォークを経由せずにアップグレードする能力があるかどうか。例えば、Bitcoin、Bitcoin Cash、Bitcoin Goldは、ロードマップの合意できなていないため、これらはすべてネットワークの分割になる。
2トランザクションの速さ
FacebookやVisaと競争したい場合は、毎秒数十万件のトランザクションを処理する必要があります。
3トランザクションのコスト
送金するのにどれくらいのお金が必要か。
4スマートコントラクトが実行できるか
これを使うことで可逆の取引で複数の署名を持つことができる。Blockchainの上に企業全体を構築することもできる。
5非中央集権化されているか
ブロックチェーンは誰も所有していないシステムを本質的に作り出すために作られたものなので、非常に重要
6セキュリティ
7普及

 

No1の「ハードフォークを経由せずにアップグレードする能力があるか」ですが、仮想通貨の発行団体が自分たちの独断で仮想通貨の仕様を変更できるということなので、ある意味、中央集権的な行動です。そう考えると、No5「非中央集権化されているか」と判断基準が矛盾しています。

仮想通貨トップ3

評論会で発表したWeiss Ratings社の仮想通貨格付けランキングトップ3は以下になります。

EOS

No高評価の理由
1リスクと報酬のバランスが非常に良い。
2Ethereumの高速バージョン。Ethereumは毎秒20回のトランザクションを処理できるが、EOSは1秒間に最大で数万件のトランザクションを処理できる。
3Ethereumのブロックチェーンに何かするときはいつも手数料を払う必要があるが、EOSは必要ない。

 

Carudano(ADA)

No高評価の理由
1EOSのような第3世代の暗号通貨。
2Ethereumの高速バージョン。EOSよりは遅い。
3Ethreumの問題点でEOSが言っていないことをやっている。
4コンセプトを拡張するときでも、学術的なレビュー、学会に論文提出、会議など、導入前に新しい発明について話し合われている。
5コードをアップグレード、新しい開発に資金を供給するためのときに外部の第三者に依存しないことに重点を置いている。

 

Steem

No高評価の理由
1Steemは通貨ではなくソーシャルメディアのプラットフォーム。ユーザーが好きなものを投稿するときの支払いに利用する。
2それはブログのようなもので、人々があなたのしていることが気に入ったら、あなたはSteemを貰うことができるんだ。
3マイニングは人々が気に入るコンテンツを作り出す報酬として発生する。これはコンピューターを走らせて、たくさんの電力を浪費するよりも役に立つ。
4データを共有したり保存したりなど、ブロックチェーンでできたデータストアの一種と考えることができる。
5Steemについて最も気に入っているのは、彼らはすでに動いているプラットフォームを持っているということ。
6数少ないブロックチェーンベースの企業。
7毎日150万件の取引を行っている。これはリップルよりも高い。
8おそらく、現在で最も成功しているブロックチェーンアプリケーションの1つ。

 

Juanさんは「私たちの格付けは美人コンテストではなく、数字だけを見ています。」と言っていますが、この評価は美人コンテストが含まれているような気がしますね。。

トランザクション速度は、同一のトランザクションサイズでベンチマークテストをした結果を用いて評価しているのか、セキュリティの判断はソースコードや開発環境を客観的に分析した結果から行っているのかが気になりますね。

避けたほうがいい5つの仮想通貨

避けたほうがいいと発表した仮想通貨5選は下表になります。

名前理由
ビットコインキャッシュビットコインキャッシュとゴールドはビットコインのハードフォークによって生まれた。これらは同じ開発チームを持たず、同じコミュニティを持たない。なので、彼らは基本的にビットコインの悪いバージョンである。あなたは本当のビットコインを買うことができるときに、なぜこれらのビットコインを買うのか?
ビットコインゴールド
Vertcoinライトコインのライトバージョンのようなコインで技術も少しよくなっているかも知れないが、それだけでは不十分。
Electroneum彼らのアイデアは、モバイルフレンドリーにすることで、人々が快適に感じている小数点以下のスペースのようなものに時間を費やしている。それだけでは不十分です。
BitSharesBitSharesは実際には優れた技術であり、EOSの最初のバージョンと似ていますが、それは主な弱点。

 

避けたほうがいいというくらいだからどれだけ深刻な指摘事項が出てくるのかと思いましたが、評価の理由はこれだけです。

むしろ、たったこれだけの理由で、数ある仮想通貨の中から避けたほうがいい仮想通貨とよく言えたものだと思います。

以上、仮想通貨緊急討論会についてまとめました。

まとめると、この討論会は緊急を要する会合ではなく、ビットコインやイーサリアムをけなして恐怖心を抱かせて、有料購読者を増やすための宣伝を行う「緊急宣伝会」だったです。

そして、最後にメンバー登録ページへのリンクが動画の下に表示されて討論会の終了。。