立山健吾「仮想通貨ABCプロジェクト」は月利20%を完全自動で提供
詐欺プロジェクトの主催者は、出身校や企業を偽って登場することがよくあります。
出身校は東大や京大などの一流大学、企業はモルガンスタンレーなどの大企業で勤務していたことにして、主催者が優秀で信頼のおける人物であることを演出します。
経歴はブロックチェーンに記録して、証明できるような世の中にするとどうなるだろう。
最近登場した仮想通貨案件に「仮想通貨ABCプロジェクト」がありますが、私はこれは詐欺紹介ツールだと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺紹介ツールだと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、システムを利用する、しないを強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと利用するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像は、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
引用文字列 | URL |
---|---|
ABCプロジェクト LP1 | http://tk-abc.com/lp/pl/abc_1/ |
ABCプロジェクト LP2 | http://tk-abc.com/lp/pl/abc_2/ |
ABCプロジェクト LP3 | http://tk-abc.com/lp/pl/abc_3/ |
ABCプロジェクト LP4 | http://tk-abc.com/lp/pl/abc_4/ |
ABCプロジェクト セールスページ | http://tk-abc.com/wp/archives/4 |
運営者情報より
項目 | 内容 |
---|---|
販売会社 | 株式会社 ナンバーワン |
販売責任者 | 江田 直人 |
所在地 | 大阪府大阪市中央区南久宝寺1-6-7 |
電話番号 | 08088828515 |
メールアドレス | campaign※tk-abc.com |
販売会社の「株式会社ナンバーワン」は去年の2017年8月31日に法人登録されている会社で、今年の2018年5月22日に所在地を兵庫県から大阪に変更しています。
⇒引用:法人番号検索サイト「株式会社ナンバーワン」
今回のプロジェクトの動画は2018年5月31日にアップロードされているので、プロジェクトの立ち上げに合わせて会社の所在地を変更したと考えられます。
ABCプロジェクトは、パソコンをコンセントに挿しておくだけで、超高性能AIが仮想通貨で月利最大20%を完全自動で稼ぎ出すシステムを提供するプロジェクトです。
知識、スキル、経験、人脈はすべて必要なく、誰でも100%稼げるそうです。
プロジェクトの主催者は立山健吾氏(たてやまけんご)。東京大学に合格し、現在は資産運用会社の社長を務めるエリートだそうです。
資産運用会社の情報も含め、立山健吾氏の情報をネットで探してみましたが、今回のプロジェクトの情報以外、立山健吾氏らしき情報は何も見つかりませんでした。
⇒引用元:Google検索「立山健吾」
動画は立山健吾氏が高級車のポルシェのカイエンの乗って登場するところから始まりました。
ちなみにロケ地は大阪の以下の場所です。
1回目の動画ではシステムについての詳細は語られなかったので、立山健吾氏が提示した証拠画像が本物かどうかを確かめることで、このプロジェクトの安全性について検証します。
立山健吾氏は他のプロジェクトの三流講師陣とは圧倒的に違うことをアピールするために、自分が東京大学に合格したと言いました。下図は証拠の合格証書です。
東京大学の合格通知書の画像をネットで探してみたところ、立山健吾氏の合格通知書とそっくりな画像が見つかりました。受験番号と氏名にはモザイクがかけられています。
⇒引用元「理想の中学受験国語塾を追い求めて」
下図上側が立山健吾氏の合格通知書、下側が別のブログに見つかった合格通知書です。紙が曲がって罫線が斜めになっているところまで同じです。
立山健吾氏の合格通知書を50%透過して重ねてみると、完全に一致しました。
下図は他のブログにある東大の合格通知書です。氏名を見るとフォントの大きさは周りの文字とあまり変わらないことがわかります。
しかし、立山健吾氏の合格通知書は不自然なほど名前のフォントが大きくなっています。よって、立山健吾氏の合格通知書は偽造であることが明らかとなりました。
⇒引用元「風の馬 るんた」
次に、立山健吾氏は自分が多額の資産を持っている証拠として、bitFlyerの管理画面を見せました。7045万7350円と表示されています。
bitFlyerの通貨の記載順番は決まっていて、上からJPY(円)、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、ETC(イーサリアムクラシック)、LTC(ライトコイン)、BCH(ビットコインキャッシュ)、MONA(モナコイン)、LISK(リスク)の順番に表示されます。
証拠画面には各通貨の価格が映っています。
通貨 | 使用可能 | 価格 | 日本円換算 |
---|---|---|---|
JPY | 3895 | – | 3895 |
BTC | 59.58429 | 1182482 | 70457350.4 |
ETH | – | 96384 | – |
ETC | – | 3769 | – |
LTC | – | 23879 | – |
BCH | – | 138352 | – |
MONA | – | 617.539 | – |
LISK | – | 2281 | – |
LISKが2281円の価格をつけたのは2018年2月24日より前の話です。
イーサリアムが96384円の価格をつけたのは2018年2月18日より前の話です。
よって、このプロジェクトの動画は2018年9月現在から7ヶ月以上も昔に撮影されたものであることが明らかとなりました。
(・□・)。。古すぎ
相場の戦い方は日に日に変化し、今勝てる手法が来月も勝てるとは限りません。本当にノーリスクで月利20%も叩き出せるシステムであれば、セールス動画を取ったあとに7ヶ月以上も寝かせておく理由はありません。
次に、立山健吾氏はADAコインのICOを購入して爆益を上げた証拠として、ICO購入者に配布されるバウチャーを提示しました。
下図はADA公式のバウチャーのサンプルです。
⇒引用元「ADAバウチャーサンプル」
下図は他のブログに掲載されているADAバウチャーの実物です。
⇒引用元「CARDANO(カルダノ)の情報まとめブログ」
立山健吾氏のバウチャーのコイン枚数の数字の形に違和感を感じます。
下図は3つのバウチャーの「5」を比較したものです。画像の解像度が異なるので文字の大きさは異なりますが、青矢印が指している箇所に着目して下さい。
公式とブログの画像は垂直線になっておらず少し右に傾ていることが分かります。一方、立山健吾氏の5は垂直になっています。つまり、立山健吾氏のフォントは公式のものとは微妙に異なります。
下図はブログと立山健吾氏の「6」の文字を比較したものです。青矢印の箇所をみるとフォントが違うのが分かります。
よって、立山健吾氏が提示したADAコインのICO購入のバウチャーは偽造であることが明らかとなりました。本物のバウチャーのフォントが分からないので、似ているフォントを選択したと考えられます。
以上、仮想通貨ABCプロジェクトの検証結果です。
他にティーンエイジャーミリオネアプロジェクトも7か月以上前の動画を使ったプロジェクトでした。7ヶ月寝かせる何かの思いがあるのだろうか。