エイプコイン暴落。4日後に史上最大ロック解除。今が買いか?
エイプコインが落ちとるがな
猿も木から落ちる
ApeCoin(エイプコイン)は、BAYC(ベイシー)の暗号資産です。
BAYCは、2021年4月にリリースされたBored Ape Yacht Club(退屈な猿のヨットクラブ)というNFTの略称で、多くの有名人がBAYCのNFTを購入して話題となり、人気のNFTになりました。
BAYC保有者に、MAYC(メイシー)とBAKC(バクシー)というNFTが無料配布されました。
MAYCはBAYCの突然変異体です。
BAKCは犬です。
BAYCがリリースされてから約1年後の2022年3月にエイプコインが発表され、BAYC保有者にエイプコインがエアドロップ(無料配布)されました。
下図は、エイプコインの日足チャートです。
2022年3月に上場し、1ヶ月後の4月に最高値27ドルをつけました。
その後、暴落モードに入り、11月のFTX破綻ショックで初めて3ドルを割りました。
下図はエイプコインの今年の日足チャートです。
2023年の元旦初値は3.6ドル
1月の暗号資産全体の上昇トレンドの波にエイプコインも乗って6ドル台まで上がりました。
3月に日本の取引所に初上場することが予告され、当時の価格は4ドル台
4月中旬から強くて長い下降トレンドに入り、本日9月13日に最安値1.1ドルをつけました。
日本初上場予告日の価格から-77.8%
下図は、2023年4月14日から現在までの価格の変化率です。時価総額20位以内のコインとエイプコイン(APE)を表示しています。
この中で、エイプコインの下落率が断トツで一番大きいです。
このように、エイプコインは今年4月中旬から他のコインよりも強い下降トレンドが続き、最安値を更新しまくっています。
なぜこれほど強い下降トレンドが続いているのか考察します。
下図はエイプコインのトークン分布です。
エイプコインの発行枚数は10億枚
そのうち15%(1億5000万枚)が、エアドロップでBAYCのNFT保有者に配布されました。
47%(4億7000万枚)はエコシステム、残りの38%(3億8000万枚)は開発チームや貢献者に配布となっています。
ちなみにジェーン・グドール研究所は野生チンパンジーの保護と研究を行う非営利団体で、その財団に1%(1000万枚)を寄付しています。
下図はエイプコインのロック解除スケジュールです。縦の点線は今日9月13日です。
エアドロップしたエイプコインは最初からロックはかかっていません。それ以外は段階的にロックを解除していき、2026年3月に10億枚全てのロック解除が完了になります。
ロック解除は毎月17日に実施され、解除日ごとに解除される枚数が異なります。
次回のロック解除9月17日の階段の高さを見ると、解除枚数がいつもより多いことが分かります。
具体的にどれくらい枚数が多いのかを確認します。
下図の赤い縦棒は、ロック解除日ごとの解除枚数です。
2023年2月までは1回あたり734万枚の解除が多く、その後は1回あたり1560万枚の解除が多いです。
しかし、その中でも3回だけいつもより解除枚数が多い日があります。
2022年9月17日 3234万枚
2023年3月17日 4060万枚
2023年9月17日に4060万枚がロック解除されます。
つまり、次回9月17日は、いつもの2.6倍もの枚数が解除される史上最大規模のロック解除日です。
4000万枚以上のロック解除は9月17日が最後です。
4000万枚のロック解除は価格にインパクトを与えるのか
下表は、エイプコインの流通枚数に対する解除枚数の割合をまとめたものです。
ロック解除日 | 流通枚数 | 解除枚数 | 解除枚数÷流通枚数 |
---|---|---|---|
2022/4/17 | 2億7750万0000枚 | 734万3750枚 | 2.6% |
2022/5/17 | 2億9218万7500枚 | 734万3750枚 | 2.5% |
2022/6/17 | 2億9953万1250枚 | 734万3750枚 | 2.5% |
2022/7/17 | 2億9953万1250枚 | 734万3750枚 | 2.5% |
2022/8/17 | 3億0687万5000枚 | 734万3750枚 | 2.4% |
2022/9/17 | 3億0687万5000枚 | 3234万3750枚 | 10.5% |
2022/10/17 | 3億0687万5000枚 | 734万3750枚 | 2.4% |
2022/11/17 | 3億0687万5000枚 | 734万3750枚 | 2.4% |
2022/12/17 | 3億6125万0000枚 | 734万3750枚 | 2.0% |
2023/1/17 | 3億6125万0000枚 | 734万3750枚 | 2.0% |
2023/2/17 | 3億6859万3750枚 | 734万3750枚 | 2.0% |
2023/3/17 | 3億6859万3750枚 | 4060万1506枚 | 11.0% |
2023/4/17 | 3億6859万3750枚 | 1560万1146枚 | 4.2% |
2023/5/17 | 3億6859万3750枚 | 1560万1325枚 | 4.2% |
2023/6/17 | 3億6859万3750枚 | 1560万1326枚 | 4.2% |
2023/7/17 | 3億6859万3750枚 | 1560万1326枚 | 4.2% |
2023/8/17 | 3億6859万3750枚 | 1560万1326枚 | 4.2% |
2023/9/17 | 3億6859万3750枚 | 4060万1325枚 | 11.0% |
2023年9月17日のロック解除の枚数は現在の流通枚数の11%、言い換えると、約9分の1
流通枚数の11%を少ないと思うか、多いと思うかは人それぞれですが、
大規模ロック解除待ちのファンダが投資家を警戒させ、エイプコインの価格にネガティブの影響を与えている可能性は否定できません。
下図の青い線はエイプコインのインフレ率です。
インフレ率は、コインの流通枚数が1年間で実際に何%増えたのかを表した数値です。
統計サイトのデータをもとに算出しています。
2023年3月のインフレ率は32.8%
階段状に下がっていき、2023年7月に20.1%まで下がり、9月現在も20.1%のままです。
だんだんインフレ率が下がっていく理想的な流れのように思いそうですが、上図の流通枚数には変な点があります。
それは、2023年1月から9月現在までの8ヶ月間、ずっと流通枚数が3億6859万枚のまま変わらず、1枚も増えていないことです。
下図は、2023年9月までの流通枚数とロック解除済み枚数の変化を比較したものです。
2023年3月から流通枚数とロック解除済み枚数の差が開いていき、2023年9月現在のロック解除済み枚数は5億188万枚、流通枚数は3億6859万枚
何と流通枚数とロック解除済み枚数には、1億3000万枚以上の差があります。
もしかすると、運営が統計サイトに流通枚数の報告するのをずっと忘れている。または、ロックが解除されても流通させていないトークンはカウントしていないなど理由があるかも知れません。
にしても、8ヶ月間も流通枚数が全く増えないのは、あまりにも不自然な事象です。
仮に、ロック解除済み枚数の5億188万枚を現在の流通枚数した場合、2023年9月現在のインフレ率は、
63.5%
(; ・`д・´)タケエ !
万が一、エイプコイン運営が高いインフレ率を目立たなくするために、統計サイトに流通枚数を報告していないとしたら由々しき問題で、そんなことは無いと願いたい。
いずれにせよ、エイプコインのインフレ率が非常に高いことも下落率を大きくしている要因の1つと考えられます。
エイプコインの枚数を景気よく増やす理由はステーキングです。
エイプコインのステーキングは、エイプコインだけでなくBAYC、MAYC、BAKCのNFTをステーキングしてもステーキング報酬が貰えます。
報酬は日々変化するため正確な年利を把握することはできません。そこで1日の報酬をもとに年利の期待値を計算すると下表になります。
ステーキング | 2023年3月19日時点 年利期待値 | 2023年9月13日時点 年利期待値 |
---|---|---|
エイプコイン | 67.1% | 21.2% |
BAYC | 125.5% | 62.4% |
MAYC | 131.7% | 66.4% |
BAYC+BAKC (MAYC+BAKC) | 133.5% | 69.4% |
今年3月より大分下がりました。
以上のように、NFTのステーキングがあるぶん、ユーザーに配るエイプコイン枚数が増え、それがエイプコインの価格にマイナスの影響を与えている可能性があります。
その他、2022年11月に経営破綻したFTXがBAYCのNFTを保有しています。
FTXが保有する暗号資産を売却する提案の可否を、9月13日に裁判所が判断する予定になっています。
提案が許可された場合、毎週最大1億ドル~2億ドルのトークンが売却されることになり、BAYCの売却にもつながると考えられるので、それもエイプコインの価格にネガティブの影響を与えているのかも知れません。
以上からエイプコインは今が買いという結論にはなりませんでした。
エイプコインで期待されているのはメタバースゲーム「Otherside」
Othersideの正式リリースの時期が決まったらトレンド転換のきっかけになるはずなので期待したい。
Othesideをプレイしてみるのが楽しみで、正式リリースされたら感想を記事にしようと思います。
Othersideに向けてエイプコインに長期投資する人はステーキングを忘れずに