移動平均線のクロスの角度の大きさは価格の動きに影響するのかを検証

2018年1月23日

本記事ではゴールデンクロス、または、デッドクロスでの2つの移動平均線のなす角の大きさは、その後の価格の動きに影響するのかを検証します。

この記事を読む前に前回記事を読んでおくと分かりやすいと思います。
⇒「前回記事

下図のようにゴールデンクロスの角度が小さいときがあれば、、

移動平均線のクロスの角度が小さい

 

大きい角度のときもあります。小さいときと、大きいときのクロス後の価格の動きの違いが気になりました。

移動平均線のクロスの角度が大きい

 

考えてみると、クロスの飛び出し角度が大きいほど、その後もどんどん伸びていっているようなイメージがあります。

ゴールデンクロスのあと大きく上がった

 

一方、飛び出し角度が小さいと、すぐに勢いが衰えてしぼんでいくイメージがあります。実際どうなのかを検証しましょう。

ゴールデンクロスのあとすぐにしぼんだ

 

検証に用いる平均線は、21本移動平均線と100本移動平均線を使います。理由は21本と100本はデフォルト設定されているものなので、この本数を使っているトレーダーも多いはずだからです。

まず21本移動平均線と100本移動平均線が交点を探します。そして、交点から右にローソク足2本ぶんのところの平均線の座標と交点とのなす角を計測します。

そして、交点からローソク足10本ぶんの価格が突き抜けた方向に膨らんでいった場合を「成功」、勢いが無くなってしぼんでいった場合を「失敗」として記録します。例えば、下図の角度は「18.7度」、動きは「失敗」です。

クロス検証

 

下表が集計結果です。bitFlyer Lightningで参照できる過去のローソク足の本数には制限があるので、標本はあまり多くないことを了承下さい。

角度成功/失敗ローソク足クロスの種類
32.4度失敗2時間足ゴールデンクロス
23.9度成功1時間足デッドクロス
23.8度失敗5分足ゴールデンクロス
22.7度失敗4時間足デッドクロス
22.0度成功5分足デッドクロス
20.6度失敗15分足ゴールデンクロス
20.3度失敗15分足デッドクロス
20.2度失敗1時間足ゴールデンクロス
20.1度失敗15分足ゴールデンクロス
20.0度失敗15分足ゴールデンクロス
20.0度成功2時間足デッドクロス
19.3度失敗3分足ゴールデンクロス
19.1度失敗3分足ゴールデンクロス
18.9度失敗4時間足デッドクロス
18.3度失敗1時間足ゴールデンクロス
18.3度成功2時間足ゴールデンクロス
18.1度失敗2時間足ゴールデンクロス
18.1度成功6時間足デッドクロス
17.9度成功6時間足ゴールデンクロス
17.7度失敗5分足デッドクロス
16.8度成功3分足デッドクロス
16.6度成功1時間足ゴールデンクロス
16.2度成功15分足ゴールデンクロス
14.8度成功5分足デッドクロス
12.8度失敗1時間足デッドクロス
12.8度成功4時間足ゴールデンクロス
12.7度失敗3分足デッドクロス
12.3度成功2時間足デッドクロス
11.6度成功2時間足デッドクロス
10.7度失敗5分足ゴールデンクロス
10.0度成功4時間足ゴールデンクロス
6.9度成功15分足デッドクロス
6.8度成功15分足ゴールデンクロス
6.5度失敗15分足デッドクロス
4.2度失敗15分足デッドクロス

 

標本の数をもっと多くしないと確実なことは言えませんが、今回の検証結果から分かったことは、クロスの角度が大きいからといって飛び出した方向に大きく膨らむとは限らないということです。

むしろ、角度が大きいほどふくらみがすぐにしぼむことが多い結果となってしまいました。というのも、検証期間中はレンジ相場の状況が多かったというのもあります。

角度が大きいときは、クロス後の価格も大きく上がっているので、ドカンと上がりきったところをつかんでしまうことがあることも憶えておきましょう。

高値掴み