移動平均線のクロスの角度の大きさは価格の動きに影響するのかを検証
本記事ではゴールデンクロス、または、デッドクロスでの2つの移動平均線のなす角の大きさは、その後の価格の動きに影響するのかを検証します。
この記事を読む前に前回記事を読んでおくと分かりやすいと思います。
⇒「前回記事」
下図のようにゴールデンクロスの角度が小さいときがあれば、、
大きい角度のときもあります。小さいときと、大きいときのクロス後の価格の動きの違いが気になりました。
考えてみると、クロスの飛び出し角度が大きいほど、その後もどんどん伸びていっているようなイメージがあります。
一方、飛び出し角度が小さいと、すぐに勢いが衰えてしぼんでいくイメージがあります。実際どうなのかを検証しましょう。
検証に用いる平均線は、21本移動平均線と100本移動平均線を使います。理由は21本と100本はデフォルト設定されているものなので、この本数を使っているトレーダーも多いはずだからです。
まず21本移動平均線と100本移動平均線が交点を探します。そして、交点から右にローソク足2本ぶんのところの平均線の座標と交点とのなす角を計測します。
そして、交点からローソク足10本ぶんの価格が突き抜けた方向に膨らんでいった場合を「成功」、勢いが無くなってしぼんでいった場合を「失敗」として記録します。例えば、下図の角度は「18.7度」、動きは「失敗」です。
下表が集計結果です。bitFlyer Lightningで参照できる過去のローソク足の本数には制限があるので、標本はあまり多くないことを了承下さい。
角度 | 成功/失敗 | ローソク足 | クロスの種類 |
---|---|---|---|
32.4度 | 失敗 | 2時間足 | ゴールデンクロス |
23.9度 | 成功 | 1時間足 | デッドクロス |
23.8度 | 失敗 | 5分足 | ゴールデンクロス |
22.7度 | 失敗 | 4時間足 | デッドクロス |
22.0度 | 成功 | 5分足 | デッドクロス |
20.6度 | 失敗 | 15分足 | ゴールデンクロス |
20.3度 | 失敗 | 15分足 | デッドクロス |
20.2度 | 失敗 | 1時間足 | ゴールデンクロス |
20.1度 | 失敗 | 15分足 | ゴールデンクロス |
20.0度 | 失敗 | 15分足 | ゴールデンクロス |
20.0度 | 成功 | 2時間足 | デッドクロス |
19.3度 | 失敗 | 3分足 | ゴールデンクロス |
19.1度 | 失敗 | 3分足 | ゴールデンクロス |
18.9度 | 失敗 | 4時間足 | デッドクロス |
18.3度 | 失敗 | 1時間足 | ゴールデンクロス |
18.3度 | 成功 | 2時間足 | ゴールデンクロス |
18.1度 | 失敗 | 2時間足 | ゴールデンクロス |
18.1度 | 成功 | 6時間足 | デッドクロス |
17.9度 | 成功 | 6時間足 | ゴールデンクロス |
17.7度 | 失敗 | 5分足 | デッドクロス |
16.8度 | 成功 | 3分足 | デッドクロス |
16.6度 | 成功 | 1時間足 | ゴールデンクロス |
16.2度 | 成功 | 15分足 | ゴールデンクロス |
14.8度 | 成功 | 5分足 | デッドクロス |
12.8度 | 失敗 | 1時間足 | デッドクロス |
12.8度 | 成功 | 4時間足 | ゴールデンクロス |
12.7度 | 失敗 | 3分足 | デッドクロス |
12.3度 | 成功 | 2時間足 | デッドクロス |
11.6度 | 成功 | 2時間足 | デッドクロス |
10.7度 | 失敗 | 5分足 | ゴールデンクロス |
10.0度 | 成功 | 4時間足 | ゴールデンクロス |
6.9度 | 成功 | 15分足 | デッドクロス |
6.8度 | 成功 | 15分足 | ゴールデンクロス |
6.5度 | 失敗 | 15分足 | デッドクロス |
4.2度 | 失敗 | 15分足 | デッドクロス |
標本の数をもっと多くしないと確実なことは言えませんが、今回の検証結果から分かったことは、クロスの角度が大きいからといって飛び出した方向に大きく膨らむとは限らないということです。
むしろ、角度が大きいほどふくらみがすぐにしぼむことが多い結果となってしまいました。というのも、検証期間中はレンジ相場の状況が多かったというのもあります。
角度が大きいときは、クロス後の価格も大きく上がっているので、ドカンと上がりきったところをつかんでしまうことがあることも憶えておきましょう。