ダブルトップとダブルボトムの出現とトレンド転換について

2018年1月23日

本記事ではチャートに出現するダブルトップとダブルボトムについて説明します。

ダブルトップとは、高値圏でチャートが2つの上向きの頂点をつけることをいいます。価格が一旦下がったあとに、切り返して高値更新にトライしたけど更新できずに再び落ちてきた状況です。

切り返した価格で引いた水平線(下図水色点線)をネックラインといいます。価格が落ちてきてネックラインを割り込むとトレンドが転換して下降トレンドに変わることが多いと言われています。

ダブルトップの例

 

ダブルボトムとは、底値圏でチャートが2つの下向きの頂点を付けることをいいます。下降トレンドで価格が上昇し始めたあと、途中で力尽きて頂点付近まで落ちてきて、そこから再び上げ始めた状況です。

切り返した価格で引いた水平線(下図水色点線)をネックラインといいます。価格が上がってネックラインを超えるとトレンドが転換して上昇トレンドに変わることが多いと言われています。

なお、ダブルトップやダブルボトムの頂点を結んだ線が水平線になる必要はありません。

ダブルボトム

 

ちなみに、ネックラインのネック(neck)は「首」という意味です。日本人は、物事の障害になっているものに対して「それがネックだ」と言うことがあります。これはボトルネック(瓶の首)の液体の流れを悪くするイメージから生まれた慣用表現です。

つまり、ネックラインは心理的な障害となる線ということです。

どうして心理的な障害になるの?

例えば、日々変化するマグロの卸値で説明してみます。2年前に29万円をつけたあとに価格が上昇し始め、去年は34万円で取引されたとします。その後、価格が下がってきましたが、今年はいくらぐらいまで下がるか予想して下さい。と言われたら、おそらく多くの人が去年の最安値を参考にして、29万円あたりまでじゃないかなと思うのではないでしょうか。これがネックラインの働きです。

 

A円まで下がるという予想は、言い換えると、A円から上がり始めるという予想でもあります。そのため、ネックラインの価格で買いを入れる人が増え、それが価格の下落を跳ね返す要因になります。

また、A円で売りポジションを取ってしまった人が、A円まで価格が戻ってきたところでの手仕舞いの買いも跳ね返しを助ける要因にもなります。

一方、A円を割り込んで価格が下がってしまった場合は、どこまで価格が下がるかの予想を立てづらくなり、下げが継続しやすくなります。

2017年12月8日の230万円の爆上げダブルトップ(5分足)を例にすると、231万円あたりを頂点としたダブルトップが作られ、ネックライン付近での攻防が行われたあと、力尽きた感じで下落していきました。

230万円のダブルトップ

 

下図は2017年12月8日0時~朝6時の間で行われた、ネックラインで跳ね返って、そこから爆上げしていったチャートです。竜のように登って行きました。

ネックラインで跳ね返されて上昇していった例

 

2017年12月現在の爆上げ相場では、ネックラインを割ったからといって売りポジションで勝負するのは危険と言われています。そろそろ下がるだろうの「そろそろ」が効かず、昇竜拳を喰らうことがあります。十分気を付けましょう。

売りポジションを取ったら爆上げ

 

ちなみに、ダブルトップから下がってきたときのネックラインは上に跳ね返す力になりますが、ネックラインを割ってしまうと、今度は下に跳ね返す力になることで知られています。

ネックラインが逆方向の抵抗線になる

 

筆者の個人的な感想では、ビットコイン相場はネックライン何のそのででっかく上げたり下げたりしてきましたが、昔より最近(2017年12月現在)のほうがネックラインで反応しやすくなってきているような気がしています。

機関投資家の参入や、個人投資家のスキルアップが影響しているのだろうか。いずれにせよ、買えば勝てる相場から本格的な勝負の相場に変わっていきそうです。