ドラゴンヴェインコインは5GとVRとブロックチェーンを融合させる革命的プロジェクト
最新技術を使ったプロジェクトの説明文に難しい専門用語がたくさん出てくると、そのプロジェクトが自分の実力を遥かに超えた優秀な存在であるように感じるかも知れませんが、わざと難しく記述して高尚なイメージを持たせるための印象操作の可能性があります。
ホワイトペーパーを読んでも理解できないときは、難しい専門用語を列挙して格好つけてる文章かどうか確認しましょう。
最近登場した仮想通貨投資案件に「DRAGON VEIN COIN(ドラゴンヴェインコイン)」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
(引用元:http://dv-coin.com/0soon/)
このプロジェクトは、5G と VR と ブロックチェーンの3つの最新技術が融合したシステムのICOに参加できるプロジェクトです。2018年6月28日現在は予告編までしか公開されていませんが、公開されている範囲で検証します。
5Gは次世代のモバイル通信技術のことで、現在利用されている4Gよりも高速な通信が可能になります。
VRはバーチャルリアリティーの略で、コンピューターを駆使して実際にはいない場所にいるかのように感じさせる技術のことです。
主催者は山本周人氏(やまもとしゅうと)。このプロジェクトの運営会社「DRAGON VEIN」のCEOです。
⇒引用元:DRAGON VEIN公式「Shuto Yamamoto」
まず「"山本周人"」でGoogleシークレット検索してみましたが、今回のプロジェクトの情報以外、山本周人氏らしき人物は見つかりませんでした。
公式サイトのプロフィールに、大学在学中に起業して株式会社Nojimaと提携してビジネスを行ったと記載されているので調べてみたところ、Nojima株式会社のBUSINESS CONTESTに山本周人氏が掲載されていました。写真も山本周人氏の顔に見えるので、株式会社Nojimaと関係があったプロフィールは事実と思われます。
プロフィールが正しいとすると、山本周人氏は中国を拠点に、電気事業 ⇒ 飲食業 ⇒ 美容業のビジネスを経験してきたことになります。
⇒引用元:株式会社ノジマ「BUSINESS CONTEST」
DRAGONVEIN COINのセールスページには特商法取引法に基づく表記が無く、代わりに利用規約(Tern of Use)のページがありました。
以下は利用規約に書かれているプロジェクトの連絡先です。
20.HOW TO CONTACT US
20.1. You may contact us using the following modes of communication: 20.1.1. For any purpose other than technical support requests: By registered post or courier:
DRAGONV TECHCraigmuir Chambers, Road Town, Tortola, VG 1110, British Virgin Islands.
引用元: DRAGONVEIN「Tern of Use」
何と、アジアを中心にプロジェクトを展開する会社の住所が、アジアの地球の裏側のバージン諸島にあるそうです。
2018年5月に開催された「エクスチェンジアンバサダー」も住所がバージン諸島でした。金融庁からも詐欺の注意喚起が出ている住所なので、住所がバージン諸島の会社はどうしても怪しさを感じます。
⇒「エクスチェンジアンバサダー」
プロジェクト名 | 住所 |
---|---|
DRAGON VEIN | Craigmuir Chambers, Road Town, Tortola, VG 1110, British Virgin Islands. |
エクスチェンジアンバサダー | P.O. BOX 957, Offshore Incorporations Centre, Road Town, Tortola, British Viagin Island. |
下図のように、このプロジェクトはすぐに上場することが確定していて、Japan(日本)、Korea(韓国)、Thai(タイ)、All Asia(アジア全土)の順番にプレセールを展開する予定と言っています。
ということは、顧客ターゲットはアジア中心のはず。バージン諸島に会社を構えるのは違和感があります。
DRAGON VEINの公式サイトには言語を切り替えるボタンがありますが、英語(ENG)と日本語(JPN)しかありません。英語と日本語の言語しか選べないプロジェクトは、日本人をターゲットにした詐欺プロジェクトである可能性が高いので注意が必要です。近日中に韓国とタイでプレセールを展開するなら、韓国語とタイ語バージョンがあるはずです。
⇒引用元「DRAGON VEIN」
下図のように、時価総額が25兆円の通信回線事業者と提携済みで、5G回線のVRコンテンツ市場をDRAGON VEIN社が独占契約しているとセールスページに記載されています。
時価総額が25兆円の通信回線事業者といえば中国移動(China Mobile)で間違いないです。独占契約が本当なら凄いことですが、どうしてセールスページで提携企業の社名を記載しないのだろう。
DRAGON VEINの公式サイトには2017年11月からChina Mobileと関係を持っている記載があります。
⇒引用元「DRAGON VEIN公式」
下図のように、この案件はプロダクトが既に完成していると説明しています。
China Mobileと2017年から関係を持ち、プロダクトも完成しているのであれば、China Mobile と DRAGON VEIN の関係がわかる情報がネットで見つかるはずなので、「"China Mobile" “DRAGON VEIN"」でGoogleシークレット検索してみました。
検索ヒットは8件。そのうちの3件は今回のICOプレセールの説明で、2件はDRAGON VEINの公式サイトで、残り3件は関係のない情報でした。つまり、DRAGON VEINの公式サイト以外、China Mobileとの関係を示す情報は見つかりませんでした。
⇒Google検索「“China Mobile" “DRAGON VEIN"」
このICOの安全性を見極める上で重要なのは、本当にChina Mobileと業務提携していて、プロダクトが完成しているかがポイントになると思います。そこで、China Mobileにメールで問い合わせてみました。ただし、このような問い合わせはいつも無視されて終わるので期待しないで待ちます。
問い合わせ数が増えると答えてくれる企業もあるので、このICOの購入を検討しているかたは問い合わせに協力してもらえると助かります。
⇒問い合わせ先「中国移動(Chaina Mobile)」
Dear Customer Service.
My name is Souta Tanaka. I am Japanese.
A few days ago, ICO was held in Japan. The ICO’s name is “DRAGON VEIN".
The ICO says DRAGON VEIN has a business alliance with China Mobile.
Is that true?
Some people suspect this information is scam. If it is a scam, it is a big robbery.
Your information is necessary for safe investment. Please, Please answer the question.
I look forward to hearing from you.
DRAGON VEIN home page
http://jp.dragonvein.io/
公式ページで使われている図は、DRAGON VEINの仕組みをネットワーク図に置き換えたように見えますが、この図は多くのICOのページで使われている画像です。
下図はZap.orgのページ。
起業家や新興企業が手頃な価格でICOを実施するための「ICO CLONE」というサービスがありますが、そこで用意されている画像を使っているのかも知れません。
⇒引用元「Zap.org」
似てる。。
⇒引用元「Zap.org」
2018年6月28日から、日本の大手家電量販店と共同プロジェクトを開始したらしいので、大手家電量販店の社名を問い合わせました。もし返信がきたら追記します。
以上、DRAGON VEINの調査結果です。
そもそも、プロダクトが完成しているのにICOを行う目的は何なのか。第1話の動画が公開されて何か分かったらこの記事に追記します。