清水健司「取引所オーナーズクラブ」は20万円払えば毎月10万円の報酬が貰える。
収入は大きく分けて「労働収入」と「権利収入」の2種類に分けられます。
労働収入とは、労働の対価として受け取る収入のことを言います。会社勤めをして毎月もらっている給料は労働収入です。
権利収入とは、労働せずに継続して受け取ることができる収入のことを言います。不動産の家賃収入は権利収入です。
詐欺プロジェクトでは「100万円の権利収入を用意しました。参加費は30万円です。」と言いながら商品を紹介することがあります。
このような誘いを聞いたときは、参加する前に1つ考えて下さい。
なぜ、参加費以上に儲かる権利収入を赤の他人に売ろうとしているのか?
本当に参加費以上の権利収入があるなら、赤の他人に売らずに自分で買い占めます。
最近登場した仮想通貨投資案件に「取引所オーナーズクラブ」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
引用文字列 | URL |
---|---|
取引所オーナーズクラブ 募集ページ | http://exchange-owners.club/application/2/ |
取引所オーナーズクラブは、カンボジアとアゼルバイジャンに新設される取引所の権利収入を購入できるプロジェクトです。
ちなみに、カンボジアとアゼルバイジャンは下図赤線の場所です。
⇒引用元「Googleマップ」
このプロジェクトはキャンペーン中にも関わらず、新しい動画を公開するとすぐに前回動画を削除していたため、本サイトが気が付いたときには既に第1話と第2話が削除されていました。そのため、第3話をもとにこのプロジェクトの安全性について検証します。
プロジェクトの主催者は清水健司氏。清水健司氏は2018年2月にDream Come Trueという仮想通貨のアービトラージで稼ぐ情報商材を販売しましたが、この商材を使って稼げたという報告は本サイトには未だ届いていません。
(引用元:引所オーナーズクラブ 募集ページ)
清水健司氏は権利収入の報酬プランを下図のように説明しました。
上記プランの論理的におかしい点について順を追って説明します。
カンボジアとアゼルバイジャンに新設される2つの取引所の月間取引高は合計1兆円を想定していて、そのうちの0.1%(10億円)を投資家に分配するそうです。一人あたり月10万円、年間にすると120万円の計算になります。
取引高とは、売買が成立した数量のことを言います。普通の仮想通貨取引所は約定価格のゼロコンマ数パーセントを売買手数料として徴収し利益を得ています。
例えば、BINANCEの2018年現在の売買手数料は0.1%です。取引には買い手と売り手が存在するので、取引高の0.2%(=0.1% × 2)がBINANCE側の利益になります。取引所によって手数料は異なり、bitFlyerなら0.01%〜0.15%、bittrexなら0.25%です。
清水健司氏は取引高の0.1%を投資家に配当すると説明していますが、これは取引所の利益の大半を投資家に配当すると言っているのと同じことになります。
仮想通貨取引所は大きな利益が見込めると同時に、システムトラブルやハッキング被害によって大きな損失を出す可能性があります。そのような非常事態にも耐えうる資金力を残しておく必要があるのと、設備やセキュリティ、技術者に投資して、取引所をより強固なものに成長させていく必要があります。
このようなシビアな環境にもかかわらず、利益の大半を投資家に配当する取引所などありません。ゆえに、取引高の0.1%を投資家に配当する話は嘘の可能性が高いといえます。
また、清水健司氏はBINANCEの月間取引高は30兆円あり、仮想通貨取引所の中で1兆円を下回っている取引所はないと説明しました。
下図はCoinmarketcapに掲載されている取引高(売買高)が上位の取引所です。直近1ヶ月間のBINANCEの取引高は3兆8000億円です。
⇒引用元:Coinmarketcap「Exchanges By Trade Volume」
取引高が1兆円以下の仮想通貨取引所はたくさんあります。むしろ、1兆円以下の取引所が大半です。
⇒引用元:Coinmarketcap「Exchanges By Trade Volume」
清水健司氏は新設される仮想通貨取引所について以下の動画のように説明しました。
(引用元:引所オーナーズクラブ 募集ページ)
1ヶ月後の9月に試運転をして、システムに問題が無ければ10月、11月には実働させると説明しましたが、準備がすでに整っているであれば、何のために取引所のオーナーを募ってお金を集めるのでしょうか。
しかも一口20万円に対して年間120万円を永久に配当し続けることになるのです。そんなことをするくらいなら、お金など集めずに利益は自分の懐に入れればいい話です。
以上、取引所オーナーズクラブの検証結果です。
いつものプロジェクトなら、募集期間が終わっても注文殺到を理由として期間延長になりますが、このプロジェクトは最終話公開後、速攻で募集が終了しました。