bitFlyer Lightning フィボナッチリトレースメントの見方。

2018年1月23日

本記事ではbitFlyer Lightningで表示できるフィボナッチリトレースメントについて説明します。

フィボナッチリトレースメントとは、フィボナッチ数列から導き出される値を利用して、トレンドとは逆方向に動きだした相場がどこで反転してもとのトレンドに戻るかを予想するのに使う指標です。

bitFlyer Lightning

 

フィボナッチ数列とは、イタリアのフィボナッチさんが編み出した興味深い数列のことです。リトレースメント(retracement)の単語の意味は「綾戻し」です。綾戻しとは、下落している相場が一時的に値を上げることをいいます。

下表はフィボナッチ数列の具体的な数値です。

順番数値
1番目0
2番目1
3番目1
4番目2
5番目3
6番目5
7番目8
8番目13
9番目21
10番目34
11番目55
12番目89
13番目144
14番目233
15番目377
16番目610
17番目987
18番目1597
19番目2584
20番目4181
21番目6765

 

数字を適当に並べたもの?

適当に並べたように見えますが、この数列にはある法則があります。2番目と3番目を足してみて下さい。

1 + 1 = 2

4番目の数値と同じになりました。次に、3番目と4番目を足してみて下さい。

1 + 2 = 3

5番目の数値と同じになりました。このように、数列の値が1個前と2個前の合計になっている数列がフィボナッチ数列です。

フィボナッチ数列を用いて割り算をしてみると面白いことがわかります。11番目を12番目で割ってみて下さい。

55 ÷ 89 = 0.6179775280898876

12番目を13番目で割ってみて下さい。

89 ÷ 144 = 0.6180555555555556

つまり、配列が進むと、1個先の数値で割ると0.618に近い値になるのです。

次に、11番目を13番目で割ってみて下さい。

55 ÷ 144 = 0.3819444444444444

12番目を14番目で割ってみて下さい。

89 ÷ 233 = 0.3819742489270386

つまり、配列が進むと、2個先の数値で割ると0.381に近い値になるのです。

次に、11番目を14番目で割ってみて下さい。

55 ÷ 233 = 0.2360515021459227

12番目を15番目で割ってみて下さい。

89 ÷ 377 = 0.2360742705570292

つまり、配列が進むと、3個先の数値で割ると0.236に近い値になるのです。

下表は他の数値でも計算してみた結果です(小数点第4位を四捨五入)。1個先で割ると必ず0.618、2個先で割ると必ず0.382、3個先で割ると必ず0.236になるとは面白い数値ですね。

番号数値1個先で割った値2個先で割った値3個先で割った値
1番目00.0000.0000.000
2番目11.0000.5000.333
3番目10.5000.3330.200
4番目20.6670.4000.250
5番目30.6000.3750.231
6番目50.6250.3850.238
7番目80.6150.3810.235
8番目130.6190.3820.236
9番目210.6180.3820.236
10番目340.6180.3820.236
11番目550.6180.3820.236
12番目890.6180.3820.236
13番目1440.6180.3820.236
14番目2330.6180.3820.236
15番目3770.6180.3820.236
16番目6100.6180.3820.236
17番目9870.6180.3820.236
18番目15970.6180.3820.236
19番目25840.6180.382
20番目41810.618
21番目6765

 

フィボナッチ数列はただの面白い数列として存在しているだけでなく、自然で起きる現象にフィボナッチ数列の値が出現することがあります。

有名なのはひまわりの種の生え方です。ひまわりの種の並を観察してみると、らせん状に並んでいることがわかります。そのらせんの数を数えてみると、21 個だったり,34 個だったり,55 個だったり,89 個だったりするのですが、これはまさにフィボナッチ数列の値です。

その他にも自然の中の色々なところでフィボナッチ配列で説明されているものがあります。面白いので気になる人はぜひ調べてみて下さい。

ひまわり

 

フィボナッチ数列は「黄金比」とも関りがあります。黄金比とは、デザインが美しいと感じる比率「1 : 1.618」のことです。

12番目を11番目で割ってみて下さい。

89 ÷ 55 = 1.618181818181818

13番目を12番目で割ってみて下さい。

144 ÷ 89 = 1.617977528089888

先ほど「1個先の数値で割ると0.618に近い値になる」ことを説明したので、割るほうと割られるほうを交換したら1をプラスした値になるのは当然のことなので説明するまでもないかも知れませんが、数列の値で1個先の数値を割ると1.618に近い値になります。

この値は、まさに黄金比と同じ値です。

番号数値1個先で割った値
1番目0
2番目11.000
3番目12.000
4番目21.500
5番目31.667
6番目51.600
7番目81.625
8番目131.615
9番目211.619
10番目341.618
11番目551.618
12番目891.618
13番目1441.618
14番目2331.618
15番目3771.618
16番目6101.618
17番目9871.618
18番目15971.618
19番目25841.618
20番目41811.618
21番目6765

 

上記のように、フィボナッチ数列は自然現象と密接な関係があることで知られています。相場を動かしているトレーダーたちの予想のカタマリは、いわば自然現象です。ときとしてフィボナッチ数列から算出された値に、相場の流れが反応する動きをするのです。

ではbitFlyer Lightningのフィボナッチリトレースメントを表示してみましょう。下図水色枠をクリックしてフィボナッチリトレースメントツールに切り替えます。

bitFlyer Lightning フィボナッチ

 

以下の動画のように、トレンドが続いているところの最安値と最高値の位置に合わせてクリックします。これだけでフィボナッチリトレースメントの出来上がりです。

 

最初にクリックした位置を100%、2回目にクリックした位置を0%とした水平線が出現しました。

0%と100%の線のあいだに、23.6%、38.2%、50%、61.80%、78.6%の線があります。この値(50%と78.6%以外)は先ほどフィボナッチ数列から導いた数値をパーセンテージで表したものです。パーセントの右横に価格を表示してくれているのも有難いです。

強い上昇または下降トレンドを持って動いている相場が一時的に逆方向に進み出した場合、どこかで反転して元のトレンドに戻ってきます。その反転するタイミングはトレンドの最安値から最高値の距離を100%とした場合、23.6%、38.2%付近になることがあります。

なので、押し目の売りや買いを狙っている状況で、フィボナッチリトレースメントの線に近づいたらエントリーポイントを探るために集中しましょう。ただし、一時的に逆方向に動いたのではなくトレンドがすでに転換している場合は、線を突き破ってそのまま進んでいくので慎重に見極めて下さい。

下図の場合、トレンドの逆方向に一時的に価格が下降に転じ、0%~23.6%の中を行ったり来たりしたあと再び上昇していきました。偶然なのか、フィボナッチなのか、最安値が38.2%の線に一瞬触れているのも気になるところです。

なお、クリックした最安値の左にもっと下落している箇所がありますが、中国のビットコイン規制やJPモルガンの「ビットコインは詐欺」発言による大暴落によるものなので本検証では無視しています。

bitFlyer Lightning フィボナッチ

 

下図も最高値から38.2%の下落位置に一瞬触れているのが気になります。

bitFlyer Lightning フィボナッチ

 

ちなみに、2017年11月8日に88万3000円の高値をつけたあと、Segwit2xのリリース中止の発表を発端に価格が下がってきています。フィボナッチリトレースメントを用いて、どこで跳ね返るかを見てみると69万8000円と出ました。

フィボナッチリトレースメント