日本上場GALAトークンが暴落。創設者が会社資産を盗んで訴訟。今が買いか?
GALAトークン(ガラトークン)は、分散型ゲームプラットフォーム「GALA Games」で使うトークンです。
2019年にGALA Gamesが設立され、プレイしたくなるブロックチェーンゲームを作ることをコンセプトに開発をしています。
今年2023年3月にガラトークンが日本の取引所に初上場し、アンゴロウチャンネルで以下の動画を公開しました。
普段のアンゴロウチャンネルは暴落するコインの予想はしませんが、ガラトークンは暴落予想という珍しい動画となりました。
暴落を予想した理由の1つは、各ゲームで稼げるコインの売り圧がガラトークンの売り圧に直結しているからです。
GALA Gamesで遊べるPlay to Earnゲームは、ゲームをプレイしてコインを稼ぎ、取引所で売却すれば現金化できます。
例えば、タウンスターというゲームでは、タウンコインという暗号資産を稼げます。
ゲームリリース直後はどの取引所にもタウンコインは上場しておらず、そのままでは現金化できないので、運営は分散型取引所にタウンコインとガラトークンのペアをプールに入れて流動性供給をします。
そしてプレイヤーは分散型取引所に行き、ゲームプレイで稼いだタウンコインをガラトークンに両替し、中央集権取引所でガラトークンを売却して現金化します。
このように、各ゲームで稼げるコインの売り圧はガラトークンの売り圧に直結した状態から始まるため、ガラトークンは常に収益確定の売り圧にさらされます。
ユーザーの課金を原資にガラトークンを買い支えて収益確定の売り圧に対抗する方法が考えられますが、新規プレイヤーの増加の勢いが衰えると価格を維持することが難しくなります。
GALA Gamesはゲームプラットフォームなので今後もPlay to Earnゲームのタイトルが増えると考えられ、ゲームがリリースされるたびにガラトークンは収益確定売り圧に耐える苦しい展開が続きます。
以上が、ガラトークンの暴落を予想した理由の1つです。
ちなみに動画で、ガラトークンのICO価格は以下のサイトを参考に0.002ドルと説明しましたが、
Gala GamesサポートによるとICOは実施していないそうです。
下図はガラトークンの今年の日足チャートです。
今年2023年1月に急騰し、年初来高値の0.06ドル台をつけました。
3月3日に日本初上場が予告され、そのときの価格は0.04ドル台
4月中旬から暴落モードに入り、9月に年初来安値の0.01ドル台をつけました。
このように、ガラトークンは日本初上場予告日の価格から-64%下落しています。
ガラがガラった
下図はガラトークンの週足チャートです。
2019年に上場、2021年に爆上げして最高値をつけました。
2022年11月に発生したフラッシュクラッシュを除くと、現在価格は2021年7月以来の約2年2ヶ月ぶりの価格です。
最高値から-98%
下表は、日本に上場しているコインの3月3日から現在までの下落率ランキングです。(統計サイトに無いコインは除く)
No | コイン名 | 3月3日 | 9月11日 | 下落率 |
---|---|---|---|---|
1 | ディープコイン(DEP) | 0.0045 | 0.0010 | -78.3% |
2 | 元素騎士メタバース(MV) | 0.1397 | 0.0332 | -76.2% |
3 | エイプコイン(APE) | 4.9847 | 1.2254 | -75.4% |
4 | OMGネットワーク(OMG) | 1.6766 | 0.4399 | -73.8% |
5 | フレアトークン(FLR) | 0.0375 | 0.0123 | -67.1% |
6 | ガラトークン(GALA) | 0.0400 | 0.0146 | -63.4% |
7 | アルゴランド(ALGO) | 0.2426 | 0.0920 | -62.1% |
8 | チリーズ(CHZ) | 0.1346 | 0.0573 | -57.5% |
9 | ザ・サンドボックス(SAND) | 0.6908 | 0.2952 | -57.3% |
10 | ポリゴン(MATIC) | 1.2245 | 0.5234 | -57.3% |
11 | ディセントラランド(MANA) | 0.6390 | 0.2817 | -55.9% |
12 | ボバネットワーク(BOBA) | 0.2636 | 0.1183 | -55.1% |
13 | アクシーインフィニティ(AXS) | 9.7444 | 4.3899 | -54.9% |
14 | フォビトークン(HT) | 5.1772 | 2.4021 | -53.6% |
15 | リンク(LN) | 43.0255 | 21.0349 | -51.1% |
ガラトークンは62個中、6位
ちなみに、1位はディープコインで-78.3%
4位のOMGネットワークは上場廃止で急落しましたが、2021年にBOBAネットワークにサービスを移行し、OMG保有者にBOBAトークンがエアドロップされているので、OMGが暴落しても特に問題はありません。
ガラトークンが最近急落した原因の1つは、ガラの創設者が訴えられたからです。
ガラの創設者を訴えたのは、ガラの創設者です。
( ゚д゚) ・・・
ガラの創設者は二人います。
訴訟を起こしたのは、ガラの創設者の一人エリック・シールマイヤー氏
訴えられたのは、ガラの創設者の一人ライト・サーストン氏
シールマイヤー氏は、サーストン氏が会社のガラトークンを盗み、売却したと主張しています。
2021年、会社のウォレットから86億枚のガラトークンがサーストン氏が管理するウォレットに移動していることを発見し返却を要求しましたが、サーストン氏はガラトークンを安全に保管するために移動したと説明して返却を拒否しました。
2022年、サーストン氏は盗んだガラトークンを移動させはじめ、数百のウォレットを経由して中央集権取引所に転送し、売却しました。
転送と売却は2022年9月から2023年5月のあいだに行われ、サーストン氏がガラトークンを売却して得た利益は1億3000万ドル以上と見積もられています。
現在レートで190億円です。
訴状にはサーストン氏が過去に設立した会社の多くが破産、詐欺容疑、訴訟に見舞われ、今年3月にSECに提訴された事例も取り上げています。
そして、訴えられたサーストン氏は、逆にシールマイヤー氏を訴えました。
サーストン氏の主張は、シールマイヤー氏が会社の資産を自分の不動産の購入や、個人利用の社用ジェット機を購入するために使うなど、会社資産を何百万ドルも浪費して会社に損害を与える詐欺行為に関わった。
その他いろいろ、シールマイヤー氏の不正行為について訴状で暴露しました。
(ꐦ°᷄д°᷅) 暴露するなら、こっちも暴露してやるぜ!!
このガラ創設者同士による泥仕合の訴訟がガラトークンの価格にマイナスの影響を与えていると考えられます。
下図はガラトークンのインフレ率です。
インフレ率は、流通枚数が1年間で実際に何%増えたのかを表した数値です。
2023年5月までの流通枚数は69億枚
サーストン氏が盗んだガラトークンは86億枚なので、流通枚数より多いです。
2023年6月にいきなり流通枚数が216億枚になって投資家を驚かせ、インフレ率は200%を超えました。
7月中旬からは流通枚数が毎日報告されるようになり、2023年9月現在は235億枚
発行上限は500億枚なので、全体の半分弱が流通しています。
下図は今年7月以降の予想インフレ率です。
予想インフレ率は、流通枚数の1ヶ月ぶんの増加ペースをもとに、その増加ペースが続いた場合、1年後に何%流通枚数が増えているのかを見積もった数値です。
今年7月以降の最高は8月につけた69%、9月現在は43%
このように、ガラトークンのインフレ率は他のコインと比べてかなり高いので注意が必要です。
下図は日本の取引所に上場しているコインの取引金額の占有率の30日移動平均です。
ビットコインとイーサリアム以外のコインを表示しています。(統計サイトに未掲載のコインも除く)
何と、7月からガラトークンの占有率が急拡大し、ビットコイン、イーサリアム、XRPの次の4位、10.5%になりました。
ガラトークンが今が買いなのかを考察します。
ガラプロジェクトの創設者による会社資産の盗難が暴露され、創設者同士が訴訟を起こして暴露し合う泥仕合になったことで、ガラプロジェクトの信用は地に落ちたと考えられます。
創設者2人の会社資産の不正利用について創設者同士が争う裁判なので、どちらが勝っても信用を早期に回復するのは難しそうです。
また、ガラトークンの価格が下落しているにも関わらず取引金額の占有率が急拡大していることから、他のコインよりも売り圧が強くなっていると考えられるのと、インフレ率40%以上の高インフレが明らかになったことでトークンの信用もさらに低下する可能性があります。
以上から、ガラゲームズは今は買いという結論にはなりませんでした。