オーツーオーペイ(O2O)は日本人YouTuberが一斉に紹介し始めた日本人購入不可のコイン
2017年に「得BUY」というアプリが一時話題となりました。
このアプリは、1つの商品を複数人でお金を出しあって購入し、抽選で当たった1人が商品をもらえるアプリです。例えば、任天堂スイッチ3万円をAさんは2万円、Bさんは8000円、Cさんは2000円を出して購入し、3人の中の1人が抽選で当たります。お金をたくさん出しているAさんのほうが当選確率が高くなりますが、運がよければCさんも当たります。
よく考えると、会社がサクラを用意してユーザーからお金だけ徴収するような不正行為をしてもバレない。また、得BUYアプリで購入できる商品の価格が市場で出回っている価格よりも大幅に高いのでユーザー側が必ず損する作りになっています。
そして、「わーい、当たった♪」のやらせの宣伝動画をユーチューバーが一斉に放送したのをきっかけに大炎上となりました。
歴史が繰り返されて、仮想通貨ユーチューバーが詐欺ICOを一斉に放送しはじめるような状況にならないことを祈ります。
最近話題となっているICO案件に「O2O PAY」があります。私はこのICOは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。加筆、修正などは一切行っていません。
O2O PAYとは、スマホの使用履歴(決済など)を収集して、企業が使いやすい予測データを提供するサービスを目指しているプロジェクトです。
このICOには日本人が驚く、大きな特徴があります。それは
日本人は購入不可
です。(・□・;)え、日本人ダメなの!?それは困った。
となりそうですが、このICOの購入枠をおさえてくれたユーチューバーがわんさか出てきています。ざっと確認しただけでも10を超えていて、まだまだいそうです。1ETH6000トークンのところを、1ETH6500トークンで売ってくれるそうです。
「日本人は購入不可」にしておきながら、大量のユーチューバーを使って日本人に売り込みにきている状況が怪談話です。
1つ知っておきたいのは、ユーチューバーはこのICOが素晴らしいという理由で視聴者に紹介しているのではないことです。
ユーチューバーがこぞって紹介するということは、1人紹介するたびに高額の報酬が発生する案件であることが予想できます。なので、このICOが本当に優良なのかをユーチューバーの話だけで決めるべきではありません。
そもそも、本当に優良なICOは誰でも買えるような状況にはならず、ICO開始から1分などで売り切れます。
ホワイトペーパーを確認します。下図は表紙です。
⇒「ホワイトペーパー全文」
表紙から気になる文章があります。「Continuumはあなたの夢を実現させるために最善を尽くします。」
私の経験では「あなたにだけ教えます」とか「あなたのために特別に用意しました」とか言いながら近づいてくる会社はほぼ詐欺です。
「あなたの夢を実現する」の「あなた」は不特定多数のことを言っているので、「夢を実現するために最善を尽くす」のは嘘です。このICOはあなたの夢のために最善は尽くしてくれません。
以下の文章はO2Oトークンの概要です。
私たちが作った「O2O」はイーサリアムブロックチェーン(BlockChain)ベースのスマートコントラクト(Smart Contract)を活用した世界初のO2O産業環境ベースのトークンであり、実生活で円滑に活用できるようにトークン、ポイントを交換することはもちろん、決済手段のために活用できるようにしたものです。つまりO2Oトークンに基づいて、既存の暗号貨幣市場での問題点である、実際の活用性が低下される部分を急速に成長させようとするになります。私たちは「O2O Token(発行)+ O2O Platform(締結)+ O2O Pay(決裁手段)」として活用できるようにO2O生態系を構成することで暗号貨幣の商用化部分を増進させていきます。
引用元: O2O ホワイトペーパー
上記文章を読んでもO2Oトークンによって世の中の何が良くなるのかさっぱり伝わってきません。日本語に無理やり翻訳したような読みにくさは我慢したとしても、この文章を読んで「これはすごい!」と思う人は誰もいないのではないでしょうか。
以下はO2Oプラットフォームについての説明です。
スマートフォンのセンサーの情報をユーザーの同意を得て、データを収集して、ユーザーにこれに対する補償としてO2Oトークンを提供しています。
…省略…
O2Oプラットフォーム内での収集、保存されたユーザーのビックデータ(Big Data)をAIアルゴリズムを通じた予測モデルにカスタマイズされたサービスを提供し、
…省略…
収集、保存、分析されたデータは、ブロックチェーンプロトコルの暗号化技術をベースに安全に分散保存されます。
上記説明を要約すると、ユーザーにO2Oトークンを払う代わりにスマートフォンからデータを抜く。AIを使って企業が使いやすい予測データにデータを変換し、ブロックチェーンに安全に保存する。ということです。
O2O PAYについては以下のように説明しています。
O2Oペイ
O2Oトークンの商用化決済システムのために、私たちは10年以上にわたり、中国の電子商取引を責任を負ってきたVD KoreaのVD Payと結合しました。VD PayはAlipay、WeChat、銀聯のMobile QR codeを統合した決済システムです。
「VD Payと結合しました」というのは、おそらく提携したという意味だと思います。Alipay、WeChat、銀聯(ぎんれん)は中国の大手企業なので、この企業の決済とO2O Payが紐づけられるなら凄いことですね。
O2O Payを勧めるユーチューバーの話ではO2O Payは、韓国ではプライベート販売で10億円を調達したといっています。ということは、韓国でも少しは話題になっているはずです。
そこで、韓国でO2O Payがどのくらい話題になっているのかを調べるために、Google検索で「"O2O Pay" 구입」で検索してみたところ、、(구입は買ったという意味)
5件。。(・□・)
そのうち2件は「ページが見つかりません」、3件はO2O Payとはまったく関係のないページでした。つまり、O2O PAYの話題が見つかりません。
今度は「"O2O PAY" 추천」で検索してみたところ、、(추천はおすすめという意味)
結果は6件。O2O PAYとは関係のないページでした。
本当に10億円を調達するほどの韓国で人気のコインなのでしょうか。O2O PAYで盛り上がっている韓国のサイトを知っている人は教えて下さい。
ちなみに、「"Bitcoin Cash" 추천」で検索すると、38600件がヒットします。
そして、ホワイトペーパーでは、スマートコントラクトやスマホセンサー、ビーコン、GPSなど人の目を引きそうな用語を使いながら分かりづらい説明が続きます。
図も雑です。ニューラルネットワークのクラス図(ER図)に関しては拡大してもクラス名の文字すら読めません。難しいことをそれっぽく書いて高尚なイメージにしようとしているとしか感じませんでした。
問題なのは、販売ルートの本社、開発プロジェクトとそのメンバーが明らかになっていないことです。
このICOに参加するのは個人の判断によりますが、投資を検討している人は、必ず、販売ルートの本社、開発プロジェクトとメンバーをユーチューバーに確認し、問題が無いかをしっかりと確認してから投資を決めることをお勧めします。
私のほうでも、「販売ルート本社」はどこなのかをユーチューバーに質問をしてみます。
私の予想では、O2O PAYは7月のICO規制が入るのを見越して詐欺師ネットワークが用意した、プレセール利確用のICO案件と予想します。プレセールの利確については以下の記事を読んで下さい。
⇒「ICOのプレセールを利用した詐欺の手口」