天野みずき「ティーンエイジャーミリオネアプロジェクト」は10代億万長者が毎月1億円を分配する

2018年6月15日2019年1月1日

仮想通貨界には毎日尽きることなく新しい話題や情報が飛び交っていて、数日前の情報が古い扱いを受けることもあります。

そんな中、大分昔に撮影された詐欺プロジェクトが仮想通貨の未来を語りながら登場することがあります。

最近登場した仮想通貨投資案件に「ティーンエイジャーミリオネアプロジェクト」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。

（引用元：http://teenager-millionaire.com/douga/1wakoukai/）

このプロジェクトは、１０代で億万長者になった起業家が開発したシステムと、合法インサイダー情報を使って参加者全員が富裕層になれるプロジェクトです。

主催者は天野みずき氏。幼いころから起業を目指して勉強し、15歳で会社を起こしたそうです。その後、投資で一気に資産を増やして未成年のうちに億万長者になった素晴らしい経歴を持った人とのことです。

今回の主催者も詐欺プロジェクトでよくある自己紹介になっています。それは、

社名やグループ名を言わない。

です。天野みずき氏はシステム会社、マイニング工場を経営していると動画で言っていますが社名を言いません。問題の無い会社ならば社名をいうことで信用アップにつながるので、社名を言わないのは違和感があります。言えない理由があると考えます。

天野みずき氏は、WithCoinの開発者「松山光市」との対談動画を公開したことがあります。

。。（・□・）

スーツとネクタイまで一緒やん。

今回の動画のロケ地はタイのバンコクです。天野みずき氏はタイ、シンガポール、日本にそれぞれ自宅があり、タイの自宅でプロジェクトについての説明を行いました。

下図は天野みずき氏の自宅の前のエントランスです。

動画の中でタワーマンションの名前は明かされませんでしたが、エントランスに黒い球体が置かれているバンコクのタワーマンションといえば「QUATTRO」という名前のコンドミニアムです。
⇒参照：すずき不動産「QUATTRO」

QUATTROの2018年6月現在の家賃は１ベットルームで1ヶ月45,000バーツ。

1バーツ = 約3.41円なので、日本円に換算すると、45000 × 3.41 = 15万3450円になります。

ちなみにコンドミニアムとは、所有権と利用権を区別した分譲マンションのことです。オーナーが不在のときに旅行者に賃貸されることも多いです。

２本目の動画では、同じくバンコクにあるもう一つの天野みずき氏の自宅で撮影が行われました。屋上にバー（Sky bar）、滝つきのプールのあるタワーです。

屋上にバー、滝つきのプールを持つバンコクのタワーマンションといえば「Sky Walk Condominium」という名前のコンドミニアムです。ホテルとして宿泊することもできます。
⇒参照：Expedia「Sky Walk Condominium」

天野みずき氏は自分がYoutuberであると言い、動画再生数について以下のように言いました。

有名な方々とコラボレーションし、動画１本あたり数十万再生はいくと言っています。

確認したところ、確かに天野みずき氏のYoutubeチャンネルは存在し、Youtuberのラファエル氏とのコラボ動画がありました。しかし、動画は13本のみで10万回を超える再生数の動画は１個しかありませんでした。

このことから、天野みずき氏は嘘をつく人であることが明らかとなりました。

天野みずき氏は、海外に住んでいる理由の１つとして以下の動画のように言いました。

北朝鮮のミサイルが日本に飛んできている状況を危険だ考えているのと、北朝鮮のミサイル問題について最近すごく騒がれていると言っていますが、北朝鮮のミサイルが北海道上空を通過したのは2017年8月29日と9月15日です。

何だか少し古い話題の気がします。

これはどういうことか。動画の内容をもう少し細かく観てみましょう。

天野みずき氏は仮想通貨の保有資産の証拠として、下図のADAコインのウォレットの画面を見せました。

なぜか、レートにモザイクがかかっています。レートを隠さなければいけない理由があるのでしょうか。

レートは資産の時価総額÷保有枚数で計算できるので計算してみましょう。

59971187.71 ÷ 4220351 = 14.21 円

下図はADAコインの終値の日足チャートです。チャートを見ると分かるように、ADAコインの価格は2017年12月11日以降一度も14円まで落ちていないことが分かります。

これにより、この動画は2017年12月11日より前に撮影されたことが分かりました。

下図は、コインチェックの総資産額を表示している画面です。

チャートの下に「10/21」と表示され、画面右に行くほどチャートが上昇していることが分かります。2017年中旬に発生した大暴落が表示されていないので、チャートの右端は2017年12月上旬まであることが分かります。

下図は保有仮想通貨の割合が円グラフで表示されている画面です。色々な種類の仮想通貨をまんべんなく保有しています。

2018年1月26日にハッキングによってコインチェックのネムはほぼ全て流出する事件がありましたが、画面からネム（XEM）も保有していることが分かるので、この総資産画面はネム流出事件より前の画面であることが分かります。

上記より、このプロジェクトの動画は公開日より7ヵ月以上も昔に撮影されたものであることが明らかになりました。

情報の鮮度が重要になる仮想通貨業界にもかかわらず、撮影日がバレないようにレートの表示を隠し、古いものを見せながら億万長者をうたうプロジェクトを信用するのは難しいです。

このプロジェクトが利益を出す方法は以下の３つです。

まず自動売買ツールですが、天野みずき氏が経営しているシステム会社が独自に作り出した「めちゃくちゃ最強の自動売買」と動画で説明しています。

第１話のコメント特典でMT4というトレーディングソフトに読み込ませるプログラムが配布されたことから、製品版でもMT4に読み込ませるプログラムが提供される可能性が高いです。

しかし、過去のプロジェクトで提供されたMT4に読み込ませて動かした自動売買ツールで本当に継続的に稼ぐことができた報告は一つもありません。

参考までに、過去のプロジェクトの自動売買ツールを実際に使った人の感想を下表に挙げておきます。

次にマイニングですが、提携先のマイニング会社の社名も明かされていないので、本当に収益を生み出すのかが謎です。

というか、参加費30万円を使ってマイニングマシンの増設を行うわけでもないのに、マイニング収益の一部を参加者に配当する意味がわかりません。

ちなみに、今回のプロジェクトと同様にオプトインで出資者を募ったプロジェクトに2017年10月公開の「マイニングシェアバンク」があります。

マイニングシェアバンクでは毎月10万～100万円の配当をうたっていましたが、本当に10万円以上が配当されたという報告は本サイトにはいっさい届いておらず、1日数十円しか配当されないという報告しか見当たりません。0円配当というのもあるようです。

4月2日のマイニングシェアバンク、29円と31円。掛布やないねんから＾＾；たとえイーサリアムの価値が今の10倍になったとしても月利1%もいかないよ。返金か消費者センターはお早めに！ pic.twitter.com/Oi0uDlge7Q

— 恩をADAで返す男 (@syouin11) 2018年4月3日

最後にICOですが、天野みずき氏は、嘘だらけの詐欺コインとして名を上げたWithCoinを「100倍、200倍になる可能性がある」と言いながら売り込みを行いました。ゆえに、今後も詐欺師ネットワークから回ってくるICOを参加者に売りつけてくる可能性があるので気を付けましょう。

以上、ティーンエイジャーミリオネアプロジェクトの検証結果です。

インタビュアーの考え方を「めちゃくちゃ古いです！」と批判した天野みずき氏。動画もめちゃくちゃ古いです。