酒井公坊「CRYPTO PEACE PROJECT」は資産200倍を目指す有料コミュニティ
仮想通貨を手掛ける法人は沢山ありますが、宗教法人はありません。ブロックチェーンを利用した宗教法人が登場したら話題になりそうですね。お賽銭はブロックチェーンで。
最近登場した仮想通貨投資案件に「CRYPTO PEACE PROJECT」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
(引用元:http://valuejv.xsrv.jp/cpp/cpp1wa/)
CRYPTO PEACE PROJECTは、5万円が1年で1000万円になり、暗号通貨で儲かったお金を平和のために使うプロジェクトです。
主催者は酒井公坊氏。スピチュアルの世界から仮想通貨界に参入してきました。
このプロジェクトが稼ぐ方法はICOです。ICOは「Initial Coin Offering」の略で、上場前のコインを売って開発、研究費を集めることをいいます。
⇒「ICOとは」
最上流からのインサイダー情報をもとに、酒井公坊氏が優良なICO情報を参加者に提供してくれるそうです。
このプロジェクトに参加することによって、どのくらい儲かるのかについて酒井公坊氏は以下のように言っています。
5万円が1000万円になったら200倍です。「目標としている」と表現することで濁した感じにしていますが、目標と言えば何でも言っていいものではないと思うので約200倍になると考えて話を進めます。
酒井公坊氏が2017年に実施したプロジェクトに「ICOクラブ(PPS)」というものがあります。内容も似ていて、ICOクラブが勧めるICOに5回参加すれば5万円が1000万円になると説明していました。
今回のプロジェクトはICOクラブと統合すると動画で言っていたので、サービスはICOクラブと似ているものになると考えられます。
では、ICOクラブは5万円を1000万円にすることができたのか見てみましょう。
下表はICOクラブが推薦したICOの一覧です。赤色はICO価格割れです。
「推定ICO価格」はネットで見つかったICO価格を表示しています。ICOクラブではいくらで販売していたのか不明ですが、仲介業者は基本的に価格を上乗せして販売するので、この価格より大幅に安いということはないと思います。むしろ高いかも知れません。
また、時期や販売業者によっても価格が異なるので、推定ICO価格は大体このくらいの参考程度の価格ととらえて下さい。
「推定ICO価格」が見つからなかったコインや、まだ上場していないコインは一覧に載せていません。
銘柄 | 推定ICO価格 | 現在値 |
---|---|---|
HIREMATCH | 35円 | 4.9円 |
Referium | 1.09円 | 0.9円 |
Decent.Bet | 30.9円 | 14.0円 |
Medical Chain | 22円 | 12.5円 |
Swissborg | 11円 | 1.89円 |
Energi Token | 4円 | 1.9円 |
SocialMedia.Market | 36.8円 | 6.7円 |
上記表を見ると分かるように、すべてICO割れしています。上場直後に売るなどタイミングによっては利益を出せた人もいるかも知れませんが、ガチホしたために含み損になっている参加者も多いのではないでしょうか。
つまり、ICOクラブは結果を出せていないということです。
もちろん、数年ガチホし続ければ含み益に変わることも期待できますが、上記のような散々な状況で、ICOクラブと同じ5万円を1000万円にするという宣伝文句のプロジェクトをよく立ち上げることができたものです。
このプロジェクトは完全無料といって始まりました。
しかし、いつの間にか参加費は5万円になっていました。おそらく「CRYPTO PEACE PROJECT」は無料だけど、「CRYPTO PEACE CLUB」は有料という理屈なのだと思います。
参加費について、酒井公坊氏は以下の動画のように言っています。
お値段は5万円に据え置くと言っていますが、本当に5万円以上かからないのでしょうか。
以下のコメントはICOクラブに参加した人の感想です。5万円でダイヤモンド会員になったあと、プラチナ会員25万円。VIP会員50万円のバックエンドを重ねていることが分かります。
酒井のオファー受けてみました
はじめはダイヤモンド会員からはじまり、プラチナ会員へと移行させるから驚きです。
ダイヤモンド 5万 プラチナ25万 VIP50万
金儲け主義なのでダイヤモンドにはない情報があるのでプラチナに移行してください。 という流れになります。
情報も上級会員から情報を流すのでダイヤモンド 無料会員は高値掴みになるという 投資顧問がやるちょうちん買い手法になります。
税金が50%かかる今となっては何のうまみもないですね。2017年は大口投資家が介入するからとインサイダー情報を流して五倍になるとか言ってたのですが下がる。
相場が上手そうに振舞うんですが 素人より悪いです。損きりすら指示してこないありさまです。
中国規制のあとのICOは元本割リスクが伴うので危険きわまりないですね。
無料オファーで鬱をなくしたいとか言ってますが、根拠のない情報に振り回されたり上級会員の食い物にされて余計に鬱になりそうなかんじです。
取引所よりこういう詐欺みたいなのを一掃してもらいたいものです。引用元: 副業支援ドットコム
ICOクラブ、CRYPTO PEACE PROJECTが参加費5万円でスタートするのも同じであることを考えると、今回のプロジェクトも高額のバックエンドを重ねてくる可能性が高いです。
このプロジェクトは、講師陣、運営スタッフの総勢50名による24時間LINEサポートや、メンバー専用ポータルサイトの運営、ICO投資フルサポートなどのサービスを充実しているそうですが、そこまで手厚いサポートをするプロジェクトが5万円の参加費だけで終わることはまずありません。
75万円(=25万円+50万円)のバックエンドの他にも、勉強会、ミートアップ、全国セミナーなどの他の参加費も徴収しまくることでしょう。
プロジェクトの参加者の資産の増え方ついて、酒井公坊氏は以下の動画のように言っています。
今回のプロジェクトを公開する理由について、酒井公坊氏は以下の動画のように言っています。
「仮想通貨で世界中の貧困格差を無くしたい」と言いましたが、これは論理的におかしいことがあります。その理由を順を追って説明します。
貧困格差は資産のバランスが崩れることで発生します。貧困層や中間層で形成している物価の中で富裕層だけが優位なお買い物ができるのが世の中の仕組みです
仮想通貨取引は投資家が持ってきたお金のみを使って取引が行われ、それ以上はお金は増えません。例えば、5人の投資家がそれぞれ1000万円ずつ持って集まって仮想通貨取引をした場合、現金が5000万円以上になることはありません。
利益を確定するということは、ある意味、他の投資家から現金を奪うことに成功したという意味になります。その後、コインの買い手が見つからない場合は価格が暴落して、他の投資家は含み損を抱えることになります。
酒井公坊氏は、参加者の資産を短期間で10倍、100倍、1000倍にする方法を教えると言っていますが、参加者が1000倍の利益確定をすると、他の投資家が大損失を受ける可能性があることを忘れてはいけません。ゆえに、仮想通貨トレードは貧困格差をなくすどころか貧困格差を大きくする可能性があります。
また、現在の仮想通貨相場は機関投資家の大口注文の価格操作によってストップ狩りを誘発させ、金持ちがより金持ちになりやすい環境です。
ゆえに、酒井公坊氏のいう参加者に1000倍の利益をもたらし、かつ、仮想通貨で貧困層を無くすというのは相反する考え方ということになります。
増えた資産を使って貧困層に寄付や支援をするという考えもあるかも知れませんが、投資家たちから奪ったお金を使っていることに変わりはありません。
また、投資で増えたお金を寄付する人はどれほどいるでしょうか。バフェットやビルゲイツなどの有り余る資産を手にした人なら別ですが、普通の人なら資産をもっと増やすために再投資先を探すと思います。
よって、「仮想通貨で世界中の貧困格差を無くしたい」は印象を良くするための嘘の可能性があります。
「仮想通貨で自分たちの資産を増やそう」と言った方が正直でいいと思います。
以上、CRYPTO PEACE PROJECTの検証結果でした。
私の予想では、CRYPTO PEACE PROJECTは高額の参加費を払ってICO情報を得るけど、稼げるか稼げないかは相場次第のプロジェクトと予想します。
最上流の情報を使って億万長者になれるプロジェクトは過去にいくつもありましたが、どれも評判の悪いものばかりです。
THE HERO PROJECTはユーチューバーが紹介しているICO情報しかもらえず資産はマイナスになりました。
FinTech Nationsは、さらに上位レベルの、最上流の情報が作られる現場の情報を提供するはずでしたが、結局ユーチューバーが紹介しているICO情報を紹介し、かつ、手数料でボッタくるプロジェクトでした。
⇒「FinTech Nationsとは」
ICOは慎重に選ぶ必要がありますが、ICOを紹介する業者も慎重に選びましょう。