bitFlyer Lightning FXのSFDのルールが変更。SFD導入の効果を調査。
2018年2月8日にbitFlyer Lightning のレバレッジ取引に導入されたSFDのルールが近日中に変更されます。
⇒「SFDとは」
下表は変更前と変更後のルールです。変更前は新規注文、決済注文のどちらでも同じルールでしたが、変更後は縮小方向の決済注文が約定しても報酬は付与されないルールになります。
ちなみに、新規注文とは買いまたは売りで新規にポジションを取る注文のことです。一方、決済注文は買いまたは売りでポジションを解消(手仕舞い)する注文のことです。
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
乖離率を拡大する方向の新規注文が約定 | 徴収 | 徴収 |
乖離率を拡大する方向の決済注文が約定 | 徴収 | 徴収 |
乖離率を縮小する方向の新規注文が約定 | 付与 | 付与 |
乖離率を縮小する方向の決済注文が約定 | 付与 | 無し |
このルール変更は、SFDのスワップポイントを目的とした利益確定をさせないためと考えられますが、拡大方向は必ず徴収し、縮小方向は付与しないケースがあるということは、徴収した金額が余るということになります。
波紋を呼びそうな予感です。
スワップポイントが発生する乖離率も変更されています。
変更前は0~10%の乖離率にはスワップポイントは発生しませんでしたが、変更後は「5% 以上 10%未満」でもスワップポイントが発生するようになります。レバレッジ価格を現物価格にもっと近づけるためのルール変更と考えられます。
乖離率 | 変更前のスワップポイント | 変更後のスワップポイント |
---|---|---|
5% 以上 10%未満 | 無し | 約定金額の 0.25% |
10% 以上 15% 未満 | 約定金額の 0.5% | 約定金額の 0.5% |
15% 以上 20% 未満 | 約定金額の 1.0% | 約定金額の 1.0% |
20% 以上 | 約定金額の 3.0% | 約定金額の 2.0% |
現在の乖離率は注文入力画面の「予想価格:◯円」の下に表示されています(下図水色矢印)。
デイトレードのときは板とチャートに集中したいところですが、乖離率が気になっていまいち集中できません。
SFDの導入効果を調査
SFDが導入されたのは2018年2月8日です。SFDの導入前後で乖離率にどれくらい変化があったのかを確認しましょう。
下表はSFD導入前(2017年10月7日から2018年2月7日)とSFD導入後(2017年2月8日4時から2018年2月27日)のローソク足(30分足)の終値の乖離率を集計したものです。
⇒「標本データ」
乖離率 | SFD導入前 | SFD導入後 | ||
---|---|---|---|---|
回数 | 割合 | 回数 | 割合 | |
20%以上 | 303回 | 5.1% | 8回 | 0.8% |
20%未満 15%以上 | 758回 | 12.6% | 119回 | 12.5% |
15%未満 10%以上 | 954回 | 15.9% | 195回 | 20.5% |
10%未満 5%以上 | 883回 | 14.7% | 229回 | 24.1% |
5%未満 0%以上 | 2342回 | 39.0% | 317回 | 33.3% |
0%未満 -5%以上 | 749回 | 12.5% | 84回 | 8.8% |
-5%未満 -10%以上 | 7回 | 0.1% | 0回 | 0.0% |
-10%未満 -15%以上 | 1回 | 0.02% | 0回 | 0.0% |
-15%未満 ~ -20%以上 | 0回 | 0.0% | 0回 | 0.0% |
-20%未満 | 1回 | 0.02% | 0回 | 0.0% |
合計 | 5998回 | 100.0% | 952回 | 100.0% |
レバレッジ価格が現物価格よりもマイナス5%以下になることがほとんど無いのはSFDの導入前後で変わらないことが分かります。
乖離率20%以上の割合が低いので、SFD導入の効果があったようにいっけん思えますが、SFD導入前で20%以上の乖離が発生したのは2017年12月のビットコイン爆上げのときがほとんどです。SFDが導入されてから爆上げはまだ発生していないので、効果があったとはまだ確定できません。
乖離率5%~20%の割合は導入後のほうが高く、乖離率0%~5%の割合は導入後のほうが低い。。この結果を見る限りSFDはあまり効果を発揮していないと言わざるをえません。
といっても、導入後の標本数がまだ少ないので、今後実施されるSFDのルール変更が乖離率にどのような影響を与えるか。ビットコイン爆上げ時の乖離率はどうなるか。をチェックしながらSFDの導入効果の検証を続けようと思います。
SFDをトレードにどう生かすか
今回のルール変更によって、価格差を縮める方向の決済注文はSFDが付与されなくなりました。
レバレッジ価格は現物価格より高いことがほとんどなので、SFDのスワップポイントが付与されるのは売りのエントリーのみになります。
SFDを意識した戦い方を考えると、レバレッジ価格が上昇し始めて乖離率が20%を超えたら下がることを期待して売りのエントリー(SFDプラス2%)。乖離率が15%以下に戻ったら買いで手仕舞い(SFDマイナス0.5%)。これによりSFDだけで1.5%を取れます。
なんだか、売りエントリーを中心に戦う人が増えそうで嫌ですね。とりあえず、買いエントリーは乖離率が5%以下のときにしましょう。
個人的な感想は、デイトレは板とチャートに集中して勝負したいですが、SFDが気になって集中できず、相場が重く感じます。ビットコイン価格が前日より大きく動いたときだけSFDを発動するようなルールにしたほうがいいと思います。