笠原翔「THE REVERSAL PROJECT」は日利9%の完全自動収入ツール
ネットビジネスで稼ぎたいけど詐欺商材ばかりつかまされて全然稼ぐことができないと嘆いている人が、急に大金を稼ぎ始めることがあります。
そんな人は、たいてい自身も詐欺師になって詐欺商材を売り始めているか、詐欺商材を紹介する側に回っています。
最近登場した仮想通貨投資案件に「THE REVERSAL PROJECT」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像と動画のすべては、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。
(引用元:https://the-reversal.biz/th1-fnd/)
このプロジェクトは世界初公開のシステムを使って、元手1万円から年収4200万円にしてくれるプロジェクトです。
主催者は笠原翔氏(かさはらかける)。3ヶ月前まで借金を背負っていた新人です。
「笠原翔」でGoogleシークレット検索をしてみたところ、笠原翔という名前の人物はたくさんいるようで、このプロジェクトの笠原翔氏らしき人物を見つけることはできませんでした。
Facebookには30名はいます。
⇒引用元:Facebook「笠原翔」
ちなみに「カサハラ」といえば、財閥のトップしか知らない謎の大投資家として「Project和僑」という別のプロジェクトのストーリーで登場していましたが、どうせなら、笠原翔はカサハラの弟子という設定にすればよかったのではないでしょうか。
⇒「Project和僑」
以下の動画はProject和僑のカサハラについて説明するシーンです。
(引用元:https://w-fintech.com/fn01-vaga/)
第1回目の動画は21分と短く、世界初公開のシステムがどんなものなのかは明かされませんでしたが、セールスページも含めて公開されている範囲で検証します。
笠原翔氏は、2016年からネットビジネスを始め、今までにアフィリエイト商材を購入、アフィリエイト合宿に参加、転売スクールに参加、個別コンサルティングを受講、FXツールを購入、仮想通貨自動売買ツール購入、仮想通貨投資ファンドに投資など様々なものに手を出してきましたが、すべて成果はゼロで200万円の貯金がマイナス500万円になったそうです。
(引用元:https://the-reversal.com/st03-gada/)
上記のように資産を減らしていく状況は、ノウハウコレクターという詐欺師の術中にハメられた状況のことをいいます。
1つの情報商材が役に立たなくて悔しがっているときに別の商材の紹介メールが届いて、損を取り戻そうと新しい商材を買って損を膨らまし、ゴミ同然の使えない商材が溜まっていく状況です。
騙され続けてきた人は、ある日、一つの事実に気が付きます。
稼げる情報商材なんて無いのではないだろうか?
情報商材の通りにやっても稼げない。では、どうすれば稼げるようになるのか?
考えた結果、1つの結論に達します。
騙すほうになればいいんだ!
こうして詐欺師がまた一人誕生します。
ちなみに、「騙すほう」は聞こえが悪いので、詐欺師たちは「仕掛けるほう」という表現を使います。
過去に何度も騙されたことで騙される痛みを知っている人は他の人を騙すはずがないとは思ってはいけません。今までの損を取り返すために、他の人を騙して稼ごうとする人はいます。
また、詐欺商材を沢山経験しているからといって稼げる商材を作れるとは限りません。本当に稼げるノウハウを知っているなら、誰にも教えずに自分一人で稼ぎます。
笠原翔氏は動画の中で、過去に借金をした証拠として借用書と請求書を見せました。
下図は120万円の借用書の画像です。
2枚目には次に見せる請求書が重ねてありますが、2つの住所にモザイクがかけられずに見えてしまっています。
左側(上図紫枠)は「神奈川県横浜市中区日ノ出町1ー50 ザ・スカイクルーズタワー904」
右側(上図赤枠)は「ライフティ株式会社 東京都新宿区歌舞伎町2丁目46番5号」
請求書の封筒は、下図のように請求書に記載されている宛先の住所が見えるように、封筒の一部を透明のフィルムにしています。よって、紫枠は請求先の住所ということがわかります。
ライフティ株式会社は消費者金融の会社で、住所は本物です。ゆえに、この請求書は本物の可能性があります。
⇒「ライフティ株式会社」
ちなみに、ザ・スカイクルーズタワーは駅近のマンションです。
支払い金額は15万円、支払期日は平成30年2月20日(下図黄緑線)、つい最近まで借金が残っていたようです。
下図赤線に「L-Oneプログラム」とうい商品名が記載されています。
L-Oneといえば、ゴリ押しで入会させることで有名な英会話教室です。
請求書の支払い期間に「36ヶ月」と記載されているということは、笠原翔氏は月々11500円の英会話レッスンの授業料を3年契約で結ばされてしまったということでしょうか。
L-Oneのホームページにお客様相談室電話番号が記載されていたので電話をしてみましたが現在使われていませんでした。さらに、新宿校、銀座校、名古屋校すべてのブログが閉鎖されている状態です。
もしかすると、L-Oneはすでに蒸発していて、笠原翔氏は授業を受けずにただただ授業料だけを払い続けているのかも知れません。
⇒引用元「L-One」
下図は、スクール口コミ検索サイトのL-Oneの口コミです。勧誘の評判が悪いようです。
⇒引用元:スクール口コミ検索サイト「L-One」
このプロジェクトが利益を出す方法は第1回の動画では説明されませんでしたが、セールスページから予想します。
このプロジェクトが提供するシステムは、完全自動で毎日資産が9%増えるそうです。9%と聞くと大きな金額ではないと思う人もいるかも知れませんが、1日9%は銀行員も気絶するほどの利率です。
例えば、10万円を毎日9%の複利で資産を増やしたら半年後には5454億円になります。
経過月数 | 資産 |
---|---|
10万円 | |
1ヶ月後 | 132万6767円 |
2ヶ月後 | 1760万3129円 |
3ヶ月後 | 2億3355万2658円 |
4ヶ月後 | 30億9870万1574円 |
5ヶ月後 | 411億1257万6167円 |
6ヶ月後 | 5454億6844万1632円 |
しかも、スキル、知識は一切不要です。「誰でも簡単にノーリスク」は詐欺プロジェクトでよくあるの謳い文句です。
(引用元:https://the-reversal.com/st03-gada/)
最初に設定をしたら、PCやスマホの電源を切ってもシステムが自動でお金を稼いでくれると説明しています。PCやスマホの電源を切ってもいいということは、どこかに投資金を送信して運用する流れになると考えられます。
(引用元:https://the-reversal.com/st03-gada/)
下図は実際に稼いでいる証拠画像です。この画像にはおかしい点があります。
(引用元:https://the-reversal.com/st03-gada/)
bitFlyerの総資産の左横に表示されている円マークは、仮想通貨と現金の資産の割合いが表示されます。証拠画像では約95%が現金(灰色)、約5%がビットコイン(オレンジ色)です。
しかし円表示のモザイクを見ると、現金はあまり入っていないことが分かります。
現金が沢山入っている場合は、下図のように文字列はもっと横長になります。よって、この証拠画像は偽造であることが分かります。
下図はトレードの証拠画像です。コインエクスチェンジ(quoinex)という取引所で買い、ビットバンク(bitbank)という取引所で売っています。よって、今回のシステムはアービトラージで利益を出すことが分かります。
アービトラージとは、異なる取引所の仮想通貨の価格差が生じたときに、安い取引所で買い、高い取引所で売ることでノーリスクで利益を出す手法です。
例えば下図のように、取引所Aが1 BTC=100万円、取引所Bが1 BTC = 103万円の価格のとき、取引所Aでビットコインを買い、取引所Bに送金して売れば3万円の利益を得ることができます。
証拠画像では、2018年5月31日に94万1917円で買い、94万4400円で売っています。
90万円近くの価格まで上がった仮想通貨といえばビットコインですが、2018年5月31日のビットコインは高値82万円から安値79万円までの値動きです。よって、トレードの証拠画像は偽造であることが分かります。
また、THE REVERSAL SYSTEMは元本0円から運用が可能といっていますが、アービトラージは何百万もの元本が無いとほとんど利益が出ません。というか、元本0円だと何も買えません。
下表は海外取引所のbitfinex、bitstamp、gdax、kraken、poloniexの5つの取引所の30分おきのビットコイン価格を表示したものです。(2018年2月2日~3月21日)
乖離率はビットコイン価格が一番高い取引所と、一番低い取引所の価格差をパーセンテージで表したものです。平均は0.5%になりました。アービトラージで資産を毎日9%増やすのがいかに難しいかが分かります。
さらに、アービトラージをするときは価格が安い取引所で仮想通貨を買いますが、どの取引所の価格が安くなるのかは分からないので、あらかじめ複数の取引所に入金しておく必要があります。つまり、取引所のぶんだけ資産が分散するということです。
よって今後の説明で、笠原翔氏がアービトラージのシステムを提供すると言った時点で、元本0円という話は嘘ということになります。
ちなみに詐欺プロジェクトでは、元本が用意できない人のためにスタートアップ資産作成マニュアルみたいなものを用意するところもありますが、それで種銭を作れたという話を聞いたことがありません。
以上、THE REVERSAL PROJECTの検証結果です。
2017年12月の「ビットコイン100%プロジェクト」、2018年4月の「ANOTHER WORLD PROJECT」でもアービトラージシステムが提供されましたが、両方とも結果が出せずに詐欺確定状態になっています。このプロジェクトも十分に気を付けて下さい。