成田童夢、菅野健一「THE HANABI PROJECT」は毎日最低3.5万円の手法を伝授する

2018年8月25日2019年1月1日

詐欺プロジェクトに出演する役者や、プロジェクトを紹介するアフィリエイターへの報酬は参加者から騙し取ったお金から支払われます。

普通の商品よりもべらぼうに高い報酬がもらえるので、一度味を占めると病みつきになる人が多いです。

彼らの言い分は、

「他の人が販売している商品を紹介しているだけで、買う買わないは自由だから自分には関係ない。騙されるほうが悪い。」

報酬は参加者から騙し取ったお金から支払われます。

最近登場した投資案件に「THE HANABI PROJECT」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。

このプロジェクトは仮想通貨の案件ではありませんが、過去に２つの仮想通貨案件のインタビュアーを務めた芸能人の成田童夢氏の３作目になるので記録しておくことにしました。

なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。

また、本記事で使用している画像は、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。

（引用元：THE HANABI PROJECT3）

会社概要より

販売会社の「株式会社リアージュ」は2ヶ月前の2018年6月20日に法人登録された会社です。つまり、このプロジェクトのために設立された会社です。

⇒引用元：法人番号検索サイト「株式会社リアージュ」

会社の所在地は横浜市の桜木町駅から徒歩１分の距離にあるレンタルオフィスです。バーチャルオフィスプランなら3800円から利用できます。

⇒引用元：「桜木町アントレサロン」

主催者は菅野健一（すがのけんいち）氏。人間国宝級の投資家で、2017年12月に東京商品取引所で開催された「第1回リアルトレードコンテスト」で２位の成績をおさめたそうです。ハンドルネームは「花火」。

（引用元：THE HANABI PROJECT 1話）

インタビューアは成田童夢氏。元オリンピック代表のタレントで、芸能プロダクションの会社を設立して芸能界で幅広く活動しています。

（引用元：THE HANABI PROJECT 0話）

成田童夢氏は過去に２回、情報商材のインタビュアーを務めています。

１つ目は2018年2月に開催された「THE TIME PROJECT」です。

ドバイの精鋭チームが参加者の資産を運用して半年で30倍にすると全額返金保証付きで確約しましたが、資産はまったく増えない詐欺確定状態になっています。また、バックエンドを重ねて参加者からさらにお金を巻き上げています。

2018年8月現在も、返金も出金もできない被害者が大半の状態が続いています。

（引用元：THE TIME PROJECT）

2つ目は2018年5月に開催された「ALLIANCE」です。

AI搭載の自動売買ツールを使って完全思考停止状態で最低月収100万円を稼げると確約しましたが、まったく稼げない詐欺確定状態になっています。また、バックエンドを重ねて参加者からさらにお金を巻き上げています。

（引用元：ALLIANCE）

下表は各プロジェクトのセールスページのURLです。URLの後ろに7桁のidと、3桁のnoの属性を付けているのが同じです。よって、３つのプロジェクトは同じ組織が関わっている可能性があります。

THE HANABI PROJECTは、人間国宝級の投資家、菅野健一氏の頭脳を落とし込んだ原油市場の自動売買ツールを使って日利35%を稼ぐことができるプロジェクトです。

菅野健一氏は東京商品取引所（TOCOM）開催の「第１回リアルトレードコンテストランキング」で自動売買ツールを起動させて、第2位（利益率229%）の成績を収めたと説明しました。

TOCOMの公式サイトを確認したところ、確かに第2位にニックネーム「花火」という名前がランクインしていました。

⇒引用元：東京商品取引所「第1回リアルトレードランキング」

ランキングの「花火」が、THE HANABI PROJECTの花火氏と同一人物なのか、委託先の商品先物取引業者のコムテックスに質問してみました。もし返信をもらうことができたら追記します。

今回の自己紹介も詐欺師によくあるのプロフィールになっています。それは、

社名やグループ名を言わない

です。東京商品取引所に認められ、人間国宝級の投資家で100億円以上を運用しているそうですが、自身がどこの会社に所属しているのかを明かしていません。

なお、会社概要に記載されている「株式会社リア―ジュ」は最近設立された会社でレンタルオフィスのため、まったく信用できません。

（引用元：THE HANABI PROJECT 1話）

このプロジェクトは自動売買ツールが日利35%を稼ぐので、元金が10万円の場合は1日35000円の利益になると説明しました。セールスページにも「毎日最低35000円の不労収入をあなたへ」と記載されています。

（引用元：THE HANABI PROJECT 1話）

しかし、上記の話には変な点があります。

下表は10万円を日利35%で複利運用した場合の資産の増え方を表したものです。

30日後の資産は8億1285万円になります。もし本当に日利35%のパフォーマンスが出せるなら、毎日35000円を受け取っている場合ではなく、誰もが利益をそのまま再投資します。

しかし、このプロジェクトは単利で運用した収益イメージが記載されています。日利35%のシステムをプロの投資家が単利で運用するはずはありません。

（引用元：THE HANABI PROJECT 1話）

よって、日利35%の話はデタラメの可能性があります。

というか日利35%のパフォーマンスが出せるシステムが完成したなら、自分で稼ぐか大手証券会社に数百億円もの値段をつけて売るはずで、間違っても参加費30万円で配るようなことはしません。

ちなみに、60日後は6兆6073億3169万9641円になります。

このプロジェクトは、実際に日利35%で資産が増えるのを見ることができるアプリを無料プレゼントしました。下図がその画面です。

「利益をチェックする」ボタンを押すと、本日の利益と総資産額がLINEメッセージ上に表示されます。しかし、これは単に1日約35%ずつ数字を増やして表示しているだけで、何の証拠にもなりません。

ちなみに、THE TIME PROJECTでは資産が3秒ごとに300円ずつ増えるアプリを無料提供していました。

以上、THE HANABI PROJECTの検証結果です。

成田童夢氏は8月28日に開催されるM-1グランプリの予選に「ダブルコーク」というコンビ名で出場します。頑張ってほしいですね。

詐欺と芸能活動は両立可能であることを世に伝えたいのだろうか。