World Hideout COIN(WHT)は1万円が10億円になるICO
詐欺師は「自由」という言葉を使って誘惑することが多々あります。
「あなたもプロジェクトに参加して億万長者になり、自由を手に入れましょう。」
しかし、このようなプロジェクトに参加すると、高額コースを重ね売りされて気が付けば不自由な生活になっています。
最近登場した仮想通貨投資案件に「自由億人プロジェクト」があります。私はこれは詐欺案件だと思っています。本記事ではその理由を説明します。
なお、私が詐欺だと思っているだけで、実際に詐欺かどうかは現時点では明らかになっていません。この記事は、プロジェクトへの参加、不参加を強制することを目的としたものではないので、他のサイトの情報や家族、友人の意見も参考にして、ご自身の判断のもと投資するかどうかを決めて下さい。
また、本記事で使用している画像は、検証を目的として一般公開されているものを引用したものです。なお、このプロジェクトには特定商取引法に基づく表記がありません。
引用文字列 | URL |
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自由億人プロジェクト1 | https://www.youtube.com/watch?v=Xp-67Xw7VxU |
自由億人プロジェクト2 | https://www.youtube.com/watch?v=LeFFSd-EKWs |
World Hidout COIN 公式 | https://worldhideout.com/index |
World Hidout COIN テスト | https://ico.rabiloo.net/ |
自由億人プロジェクトは、元手1万円が10億円になるICOに参加できるプロジェクトです。
主催者は宮本充氏(みやもとみつる)。宮本充氏は資産10億円以上を保有する自由億人だそうです。ちなみに、自由億とは「10億」と「自由」を掛け合わせた造語で、投資で10億円以上を稼いだ人のことを言います。
宮本充氏は1万円を10億円にして、動画を見ている視聴者全員に分配すると言っています。
(引用元:自由億人プロジェクト1)
宮本充氏が紹介するICO は World Hidout COIN(WHT COIN)です。Hideoutの単語の意味は「隠れ家」です。
WHT Projectは、旅行やリゾートの問題点を解決し、世界中のリゾート施設をより低コストで便利に利用できるようにすることを目的とするプロジェクトです。
WHT Projectが開発したアプリケーションで使われるコインがWHT COINです。WHT COINを保有すると、リゾートクラブの会員として世界中のリゾート施設の予約、無料宿泊ができるようになります。つまり、リゾート会員権のトークン版のような存在です。
200万枚以上を保有すると、世界中のリゾート施設を無料で利用できるようになります。また、支払のための通貨として利用できます。
夢物語としては素晴らしいものですが、信頼できるプロジェクトなのかを確認しましょう。
下図は公式ページのトップ画面です。
トップ画面に映っている建物はプロジェクトが保有するリゾート高級ホテルかと思いそうですが、これはオクスフォード大学の写真で、素材サイトからダウンロードできます。リゾートとは関係がありません。
⇒引用元:shutterstock「Oxford university」
下図はCEOのYutaka Yamazaki氏です。
紹介文によると、Yutaka Yamazaki氏はWorld Hideout Global Partners社の創始者で、過去に年間売上100億円を達成する不動産会社を経営し、約500の企業のコンサルティングを行った経歴があるそうです。
輝かしい経歴を持つYutaka Yamazaki氏が設立したWorld Hideout Global Partners社をネットで検索すれば少しは情報が出てくると思いましたが、検索ヒットはたったの3件で、そのうち2件はWHT COINの公式サイトでした。
⇒引用元:Google検索「Google検索 World Hideout Global Partners」
もう1件は、タイトルが「てすと」というページで、WHT COINのサイトを一生懸命作ろうとしている様子のページです。
このような状況から、World Hideout Global Partners社は存在しない可能性があります。
CRYPTO GIALという怪しいサイトにYutaka Yamazaki氏のインタビュー記事が掲載されていたので、Yutaka Yamazaki氏は存在しているようです。
⇒引用元:CRYPTO GIAL「Yutaka Yamazaki氏に暗号女子独占インタビュー」
WHT COINが使えるようになる2つの施設がホワイトペーパーに記載されています。
1つ目はマレーシアにあるStar Residence 2という施設です。
2つ目は静岡県熱海市の温泉ですが、なぜか施設名が記載されていません。
マレーシアの施設名は記載しているのに日本の施設名を記載しないのは違和感があります。熱海駅からの距離、駐車場の大きさ、露天風呂がついた部屋の数などが記載されているので、施設が決まっていないというはずがありません。
さらに、上図左側の写真は静岡県の熱海市にある温泉ではなく、神奈川県の箱根市にある「箱根 花紋」という宿泊施設の写真です。
⇒引用元「箱根 花紋」
右側の写真は神奈川県の箱根市にある「ホテルグリーンプラザ箱根」という宿泊施設の写真です。
よってWHT COINが使える宿泊施設の話はでっち上げの可能性があります
⇒引用元「ホテルグリーンプラザ箱根」
宮本充氏はWHT COINについて以下の動画のように説明しました。
(引用元:自由億人プロジェクト2)
WHT COINは銀行の買い支えの保証つきで最低でも短期で120倍になると言いました。他のシーンでは、世界トップの財閥グループが世界中の銀行に買い支えの支持を出したと説明しています。
買い支えの話を聞いて、他のプロジェクトでも同じようなことを言っていたのを思い出した人もいると思います。
そうです。日本再生プロジェクトで販売したICOのSWEトークンも銀行の買い支えが行われると説明していました。
日本再生プロジェクトは小堀ようすけ氏が行ったプロジェクトで、今回のプロジェクトも小堀ようすけ氏のYoutubeアカウントを使っていて、インタビュアーも同じなので、前回と同じようなネタを用いたと考えられます。
⇒引用元「日本再生プロジェクト日本再生プロジェクト」
1つ考えて欲しいことは、
銀行は何のメリットがあって買い支えるのか?
です。
WHT COINは規定枚数以上を保有していれば世界中のリゾート施設を無料宿泊できるようになります。ということはコインの価格が下落しようと、無料宿泊に変わりはありません。
WHT COINを保有している赤の他人のために身銭を切って買い支えを行い、価格を120倍にまで上げる銀行がいるのでしょうか。そんな馬鹿な銀行はいません。
よって、銀行が買い支えをする話は嘘の可能性が高いです。
ちなみに、宮本充氏は元本1万円から、同じような投資案件を2回繰り返せば自由億人になれると説明しましたが、1万円から120倍を2回繰り返すと1億4400万円なので、自由億人(10億)にはなりません。
下図はWHT COIN公式のコイン価格です。プレセールは1 WHT= 1セント、クラウドセールでは1 WHT = 1.5 セントでの販売となるそうです。
自由億人プロジェクトは1WHT= 0.5セントと発表しました。公式の半額ですが、これが安いから買いという結論にはなりません。
なぜなら、仮にこのICOが詐欺だった場合、0.5セントだろうが、0.01セントだろうが払ったお金をすべて奪われて終わりだからです。コインの価格で判断するのではなく、詐欺か否かを見極めることを最優先にしましょう。
以上、自由億人プロジェクトの検証結果です。
このICOの購入を検討している人は、ICO自体の詐欺の可能性がないかをよく調べてから購入するかを検討して下さい。WHT Projectがリゾート施設を保有をしていない可能性もあります。